コラム

林修三先生のなるほど人事講座


応募者の本音を引き出す質問の効果を、より高めるための工夫2点

2018.12.18

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これまで「引き出し型面接」における質問技術と受け止め技術の基礎についてご紹介してきました。基軸となるのは常に「なぜ?」「具体的には?」の2つの質問なのですが、今回はその2つの質問の効果をより高めていくための工夫についてご紹介します。

※参考:応募者の本音を引出す面接テクニック 「話の受け止め表現」とは

「応募者の価値観や考え方」を引き出すためのテクニック「それに対してどう思った?/どう感じた?」

そもそもとして、「なぜ?」という質問が重要である理由は、「応募者の価値観や考え方を知るための最もストレートな質問であること」でした。ただ、現実にはストレート勝負だけではうまくいかないことも多々生じるため、ストレートをより生かしていけるようにする工夫が必要です。
それが、「それに対してどう思った?/どう感じた?」という質問です。

質問の対象を応募者自身の言動から他者の言動に切り替える

「なぜ?」という質問との大きな違いは、「なぜ?」が応募者自身の言動を示す言葉にぶつけていく質問であるのに対し、「それに対してどう思った?/どう感じた?」は他者の言動あるいは置かれている状況を示す言葉にぶつけていく質問であることです。

例えば応募学生から、「接客のアルバイトをしていたのですが、ある時お客様から○○○ということを言われてしまって(以下略)」という話がなされたケースを考えてみます。

この時、○○○ということを言われたという話に対して「腹が立った」と、本人の考えを表明してくれた場合は、受け止め表現を挟んだ上で「なぜ(腹が立ったのですか)?」と聞いていくのが望ましい進行となります。一方で、単に「お客様から○○○ということを言われてしまいました」と、客観的な状況の説明だけで話が終わってしまう場合も多々あるかと思います。
このような場合、「なぜ?」という質問をぶつけるとっかかりがないために、「それでその時どうしたの?」と、行動の中身について問いかけていかざるを得ないことが多くなり、価値観や考え方の確認ができません。
そこで、「それに対してどう思った?/どう感じた?」という質問を行うことで、応募者が置かれた状況とその時の感情を結びつけることが可能になるため、結果的に「お客様から○○○ということを言われて▲▲と思った」という話が出てくることになります。
こうなれば、改めて「なぜ▲▲と思った?」という質問をぶつけられますので、価値観・考え方の確認を進めていくことが可能になります。

聞きたい回答を引き出すためには、「具体的には?」の後の例示が効果的

面接で「具体的には?」という質問をぶつけた際、応募者が戸惑ってしまい言葉が出てこないことが時々あります。このような場合、それは応募者が回答のネタを持っていないわけではなく、持ちネタをどういうレベルや視点で語ればいいのかが判別できていないことが多いのが実情です。
極端な例で言うと、久しぶりに会った友人から「最近どうよ?」と聞かれた際、「どうって言われてもどのジャンル(仕事、プライベート、健康、など)で、どのくらいの細かさで語ればいいんだ???」と悩んでしまうことと同じですね。

「具体的には?」という質問はかなりアバウトな問いかけでもありますので、回答する側がどんな話を返したとしても、よほど趣旨からかけ離れていない限り、国語上はコミュニケーションが正しく成立してしまいます。ただ逆にその分、回答する側に主導権が与えられすぎて、人によっては何を話せばいいかわからなくなったり、質問する側としても、聞きたいことと違う内容が語られてくるリスクが存在します。

求めている回答を引き出すために「例えば」を応募者に示す

そこで、「具体的には?」と問いかけたすぐ後に、こういう視点や切り口で語って欲しいという例示を提供するのが効果的な手法になります。

例えば先ほどの、「接客のアルバイトをしていたのですが、ある時お客様から○○○ということを言われてしまって(以下略)」という話で、その後の対応について具体的に聞きたい、というケースで考えてみます。

ただ単に「その後どうしたか具体的に教えてください」という質問だけでは、お客様への対応についてなのか、店長や社員に対する行動なのか、その後の学びや気付きに関する部分なのか、焦点が判然としません。
仮に、もしその後の行動変容について聞きたいのであれば、
「その後どうしたか具体的に教えて頂けますか。例えばあらかじめ○○するように準備したとか、▲▲な言葉遣いを意識してみたとか。」
というように、回答の方向を例示してあげることで、応募者は自分の経験を例示の方向性に沿ってスムーズに語っていけるでしょう。

「例えば」を示すときのコツ

ちなみに、この例示を行う際には、「例えば」という言葉を強調し、例示内容自体はサラっと流して伝えるのがコツになります。例示内容を強調して伝えてしまうと、それが逆に評価基準を応募者に強く意識させてしまうこととなり、本音ではなく、意識した評価基準から逆算した回答を語られてしまう恐れがあります。あくまでも強調すべきは「例えば」という部分に留め、「自由に語って頂いて結構ですからね~」という空気を醸し出しておくことが大切です。
また、「その結果どのような気付きを得ましたか?」というように露骨に評価材料を要求する質問をしてしまうと、アピール用の表現が語られてしまい、応募者の本音が出て来にくくなります。ご注意ください。

冒頭で申し上げた通り、面接において基軸となる質問は「なぜ?」「具体的には?」の2つなのですが、この2つの質問の効果を最大化していくためにも、今回のようなサポートの仕方もぜひ組み合わせていってください。

【編集部より】
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執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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