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特集

社労士が解説 働き方改革のポイント vol.2


人事が必ずおさえておきたい 労働時間の上限規制と時間管理方法

2018.12.13

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「働き方改革関連法」の施行が2019年の4月に迫っています。人事労務担当者は余裕を持って対応するためには、1~2月までには準備をしておかないと間に合いません。そこでこのシリーズでは法律の施行に合わせて、実施するべき実務対応について詳しく解説します。今回は「労働時間の上限規制」について、対応方法や上手に管理していくためのコツを紹介します。

※関連:社労士が解説 働き方改革のポイントvol.1 年次有給休暇の取得の義務化について

目次

1. 労働時間の上限規制や管理方法のポイント

今回の労働時間に関する法改正で、特にポイントになるのは、労働時間の上限規制が加わったことと、事業主が労働時間の管理を、適正に行う義務があることが法文化されたことです。
※なお、労働時間の管理についての法令は、労働安全衛生法に安全衛生や健康管理と関連して規定されていますが、安全衛生の関連事項については別稿で解説します。

労働時間の上限規制について

今までも法定労働時間は労働基準法に1日8時間、週40時間と定められていました。それに加えて、時間外労働に関する36協定に規定できる、労働時間の上限についての定めもありました(月45時間以内など)。しかし実際は、36協定の内容にさらに特別条項を設けることで、上限を超えた定めが可能でした。

また、これまで36協定を定めた場合の上限時間は、厚生労働省の基準であったため、労働基準監督署などの指導が行われる可能性はあったものの、法的な縛りまではありませんでした。今回初めて36協定締結時の限度時間数、特別条項についての総労働時間の上限規制が行われ、それを上回る労働時間を定めた場合や、実際の労働が行われた場合は、労働基準法違反となります。なお、この法改正は2019年4月の施行は大企業のみが対象であり、中小企業は2020年4月からとなります。

36協定

2. 労働時間の管理を適正に行うこと

時間管理の方法に関連して、平成13年から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」という通達が存在し、事業主が適正な時間管理を行うためのルールとなっていました。それが働き方改革の流れの中、平成29年に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」としてさらに厳格な内容に改定されました。特に自己申告制で労働時間を管理しているケースに対し、適正な把握を行うためのさまざまな注意点が定められています。

ここで言及されている自己申告制とは、時間の記録が労働者本人によって行われる方法の総称です。例えば労働者が自分の出勤時間と退勤時間を手書きで記録する場合や、出勤簿に定刻の場合は捺印し、残業が生じた場合は別の記録に筆記するといった方法が挙げられます。

自己申告制を運用する場合の注意点として、ガイドラインの内容を要約すると「自己申告制で時間管理を行う場合、説明や定期的な調査を行うなど、厳格な要件を満たさないと、適切な勤怠記録とは認められない」と解釈できることです。それに加えて、ガイドラインではタイムカードやITツールなどによって、勤怠管理を記録することが推奨されていると解釈できます。

旧来の時間管理方法では労働時間が曖昧になり、長時間労働や従業員の間で格差を生み出す原因になるという認識のもと、より厳格な勤怠管理を行うことを定められていると見ることができるのです。

3. 時間管理についての対応の重要性

時間管理に関連する動きとして、36協定が遵守されているかを労働基準監督署がより厳格に監督するために、外部に調査を委託することが検討されている、との報道もありました。これが実行されると、企業の規模を問わず、時間管理について行政の指導が行われやすくなると考えられます。

また、残業代の請求訴訟の件数は、労使間の係争として非常に多くなっています。働き方改革に関連したパートタイム・有期雇用労働法の改正により、短時間勤務者やパートタイム労働者について紛争が起こった場合の運用や手続きが細かく定められ、手続きが整備されることになりました。

さらに、2020年に施行が予定されている民法改正によって、金銭債権の消滅時効が2年から5年に延長されます。特に残業代の請求などの事案は、今後もより一般化していくことでしょう。

労働時間の適切な管理と、そもそも長時間労働を発生させない労務管理の必要性は、企業規模に関わらず一層高まっているといえます。新規企業や小規模企業では、勤怠管理をはじめとして、労務関係のルールや運用が厳格でないことが多く、個人的な関係性によって組織が成り立っていることも多いと思います。しかし、紛争が引き起こされるリスクは、企業規模に関わらず、まったく同じです。

4. 労働時間関連の法改正は、経営の変革のチャンスとなる

働き方改革において労働時間管理を厳格化し、労働時間の上限を規制することは、企業経営に関する考え方の転換を迫るものだといえます。事業が労働者の労働量に比例して売り上げや利益が増減する、労働集約的なものである場合、労働時間を厳格に管理することは売上げや利益の減少につながってしまうと思われます。

そうならないためには、企業が核となる価値を設定し、労働者の多様な働き方を許容することで、付加価値を向上させられるように経営を変えていくことが求められています。働き方改革をよい機会だと捉え、経営のあり方、価値創出の方法を変化させていくことが必要とされているのです。

【編集部より】
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執筆者紹介

松井勇策(社会保険労務士・産業カウンセラー・Webアーキテクト) 東京都社会保険労務士会 広報委員長(新宿支部)。フォレストコンサルティング社会保険労務士事務所代表。名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングの営業職に従事、のち経営管理部門で法務・監査・ITマネジメント等に関わる。その後、社会保険労務士として独立。労働法務の問題や法改正への対応、IPO支援、人事制度整備支援、ほかIT/広報関連の知見を生かしたブランディング戦略等を専門にしている。

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