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特集

働く場所が働き方を変える「コワーキングスペース×◯◯」


サウナで集中力がアップする!「コワーキングスペース×サウナ」の魅力とは

2018.12.11

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コワーキングスペースとサウナが融合した「コワーキングサウナ」

テレワークの普及により、オフィス以外で働く人が増えている。多様な働き方が推進されている中、これまでにない新たなワーキングスペースが生まれている。

11月9日にリニューアルオープンしたスカイスパYOKOHAMA内のコワーキングスペース「KOOWORK(クーワーク)」も、その一例だ。
データに基づき設計された、さまざまな仕掛けが施されているため、集中力が高まり、生産性がアップ。さらに、アイデアが生まれやすくなり、他企業のメンバーとのオープンイノベーションまで起きるという。

設計者とプロデューサーの話を基に、コワーキングスペースとサウナが融合した「コワーキングサウナ」での新しい働き方を紹介する。【2018年11月13日取材・執筆:尾越まり恵、構成:編集部】

【参考】働き方改革最前線! 知られざる「サウナワーカー」の実態とサウナ活用術

企業のサウナ部とスカイスパがタッグを組み、日本初のコワーキングサウナが誕生した

スカイスパYOKOHAMAは横浜駅東口から徒歩3分の、スカイビル14階にあるスパ&サウナ施設。好立地のため、もともと近隣の企業で働く多くのビジネスパーソンが利用していたという。

この施設を運営する国際企業株式会社の金憲碩社長は、利用者の多くを占めるビジネスパーソンのために、サウナ後に仕事ができるスペースを食堂につくり、電源やWi-Fiを完備していた。

そんなスカイスパYOKOHAMAのユーザーだったのが、オフィスの空間づくりを展開するコクヨエンジニアリング&テクノロジー株式会社(東京都品川区)の川田直樹氏だ。川田氏はオフィスなど働く場の営業・設計工事を一貫して提供する業務を行っている。

川田氏自らコクヨに「サウナ部」を立ち上げ、その部長を務めている。自らが持つノウハウを活用し、ビジネスパーソンのためにサウナが持つ魅力を生かした働く場所をつくれないかと考え、金社長にコワーキングサウナの構想を提案した。共感した金社長と共に、2017年7月にプロジェクトが立ち上がった。

川田氏と同じくスカイスパのユーザーで、ワーキングスペースのプロデュースやQ&AサイトのCMOなど幅広い分野で活躍する加勇田雄介氏をプロデューサーとして迎え入れた。集中力向上やコミュニケーション活性化に関するデータを基に試行錯誤を重ねて、ついに11月9日に日本初のコワーキングサウナが誕生した。

スカイスパYOKOHAMAを運営する国際企業株式会社の金憲碩社長

スカイスパYOKOHAMAを運営する国際企業株式会社の金憲碩社長

設計者とプロデューサーが語る「コワーキングサウナ」3つのメリット

川田氏と加勇田氏の話によると「コワーキングサウナ」には、大きく3つのメリットがあるという。

メリット① デジタルデトックスによる集中力のアップ

加勇田氏の話によると、人間は深い集中に入るのに平均23分必要だという。ところが、現代人はオフィスにいると、11分に1回は電話やメール、チャットにより集中力が途切れてしまう。

その点、サウナにはスマートフォンを持って入れないため、完全にITから離れる「デジタルデトックス」を可能にし、「知の深化」を促す。「知の深化」 とは、知を個人の中で深めるプロセスを指す。イノベーションを生み出す条件として引用される「両利きの経営」※において、新たな知と出会う「知の探索」に並び重要とされるのが、「知の深化」なのだ。
※『知の探索』と『知の深化』について高い次元でバランスを取る経営

メリット② タイムマネジメント効果

集中には適度なストレスが必要といわれている。サウナでは、通常「◯分間サウナ室→◯分間水風呂→◯分間休憩」 というようなサイクルを繰り返す。このサイクルにおけるタイムマネジメントが適度なストレスとなり、集中力が高まるという。

例えば、サウナに入っている10分間で「〇〇案件についてのアイデア出しをする」などテーマを決めることで集中力が高まり、アイデアが生まれやすくなる。

メリット③ コミュニケーションの活性化

サウナでは、みんな裸だ。そして浴室以外のスペースでは館内着で過ごすことができる。
普段、オフィスでネクタイを締めているときには緊張したり、かしこまったりして言い出せないようなことも、上司に気軽に話せる。上司も部下に「最近どう?」と聞きやすい。日々の業務では関わりが薄いメンバーでも「サウナ部」に誘うことで共通項が生まれ、異なる部署の部下同士が横のつながりを持つことも増えている。

また、取引先との一風変わった接待としても使える。かしこまった飲み会より距離が縮まる上に、インパクト大だ。スカイスパには30人が利用できる宴会スペースもあり、社内外の懇親会にも多く活用されているという。

ミーティングルームはサウナ室のように木材のぬくもりを採り入れた設計

ミーティングルームはサウナ室のように木材のぬくもりを採り入れた設計

サウナの楽しみ方「ストレス→リラックス」が集中力を高める

今回のリニューアルにあたり、工夫した点を川田氏と加勇田氏に聞いた。

最も難しかったのは「既存顧客との融合」だという。あまりに「コワーキングスペース」の色合いが強くなりすぎると、従来のお客様が来づらくなってしまうのではないか、という懸念点があった。
解決策として、従来の休憩スペースはそのまま引き継ぎ、ワーキングスペースと明確に分け、従来のファンにも引き続き楽しんでもらえるようにと考えられている。

次に、女性客の誘致だ。サウナでは化粧を落としたり、ラフな格好になったりすることに抵抗のある女性たちもいて、利用者は男性の方が多かった。女性にも間口を広げるため、清潔感を重視し、館内は明るい木目調にデザイン。化粧水や乳液も用意している。

さらに、「集中力を高める工夫には力を入れている」と加勇田氏は話す。
人は、ストレスとリラックスを繰り返すことで集中できるという調査結果がある(ハーバード大学医学部の研究より)。サウナ→水風呂→外気浴はまさにこのルーティンに合致しているのだ。

加えて、浴室外でも同じサイクルを再現できる「ぼつにゅうブース」と「ふんわりスペース」を設計。暗くて狭い「ぼつにゅうブース」ではストレス状態を再現し、ここではぐっと集中し、ロジカルな思考を深める。
対照的に、「ふんわりスペース」は、視線が自然と上に向くように設計されており、明るく開放的な空間で、クリエイティブな思考を生み出す。「自分に今必要なのはどちらかによって、使い分けてほしい」と加勇田氏は話す。

思考を深める「没ブース」

思考を深める「ぼつにゅうブース」

クリエイティブな思考を引き出す「浮ブース」

クリエイティブな思考を引き出す「ふんわりスペース」

札幌から九州まで足を運び、温浴施設の現状と課題を再確認した

川田氏はこれまで数多くのオフィス構築に携わる中で、働く場を提案してきた。

今回のプロジェクトに参加するにあたり、これまでの経験を生かしながらも、今主流になりつつあるオフィス内外の働き方を再度見直したという。コワーキングスペースの意義やブランディング、そして自分たちがサウナの魅力を生かして何を生み出したいのかを徹底的に考えた。さらに、札幌から九州まで行脚し、減りつつある温浴施設の現状と課題を再確認すると共に、改めて日本の文化としての魅力を再認識した。

「今回が温浴業界の新たな価値を創出するための1つのきっかけとなり、日本のファンが増え、2020年のオリンピック来日観光客にも体感いただき、温浴業界が盛り上がってもらえれば」と話す。

自身もサウナが大好きな川田氏は、サウナぶ同士のイノベーションに期待している

自身もサウナが大好きな川田氏は、サウナ部同士のイノベーションに期待している

神社仏閣からヒントを得て、集中力を高める仕組みをワークスペースに

一方で、加勇田氏がプロデュースする上で参考にしたのは、眼鏡を販売するJINSが運営する会員制ワークスペース「シンクラボ」の集中力を高める仕組みだった。

シンクラボは、神社仏閣において「ストレス」と「リラックス」が共存する構造を研究し、そこから着想を得た集中力を高める仕組みをワークスペースに採り入れている。

また、加勇田氏は「食」の観点からも集中を支援しており、集中力を高めるエナジードリンク「ピーカー」を館内で提供している。この施策は「集中力研究プロジェクト委員会」の調査で、集中力が12.9%UPしたという結果を出した。これにより「ピーカー」が集中力UPにおいて高い数値をキープすることが証明された。

「集中力がないことが悩みだった」という加勇田氏。自分のコンプレックスがコワーキングサウナのプロデュースにつながった

「集中力がないことが悩みだった」という加勇田氏。自分のコンプレックスがコワーキングサウナのプロデュースにつながった

悩めるビジネスパーソンに活用してほしい

オープンしたばかりのコワーキングサウナを、今後どのような人に利用してほしいのか、川田氏と加勇田氏に展望を聞いた。

「今回、集中力を上げるための『食』と『住』を提供できたが、今後は『衣』も研究して、提供していきたい」(加勇田氏)

「サウナには人を”元気”にする魅力があります。多忙なビジネスマンは情報過多な毎日を送っています。その中で、サウナ室では自然素材に囲まれ、裸で目を閉じ、自分自身と向き合うことができます。そこで、現状の思考を一度リセット(私は”サウナリセット”と呼んでいます)し、整理することで新たなマインドやアイデアが生まれます。疲れが取れない、会社で人間関係がうまくいかないなど、悩めるビジネスパーソンにぜひ利用してほしい。このコワーキングサウナは、上司が後輩を、また後輩が先輩を誘うきっかけにできるはず。まずは感度の高い20代、30代の若者に使ってもらって、社内に1つのムーブメントが起きると嬉しい」(川田氏)

「サウナ部」の動きは今、どんどん企業の間で広まりを見せているという。このスカイスパYOKOHAMAのコワーキングサウナでは、企業のサウナ部には特典を設けるなど活動を応援してきた。最近では、スタートアップ企業から監査法人まで、多くの組織でサウナ部の活動が広がっている。業種や職種を超えて多様な人々と出会えるのも、コワーキングサウナの魅力だ。
サウナに入りながら、「〇〇をやりたい」と発信すると、「私はウェブサイト作れるよ」「うちは財務なら担当できる」「音楽は任せてくれ」と、それぞれの強みが結集されていくのだという。根っこに全員「サウナが好き」という思いがあるために、非常に和やかな雰囲気で話ができているそうだ。
コワーキングサウナ発の新サービス、新製品が生まれる日も近いかもしれない。今後もこの新たな働き方に注目したい。

プロフィール

・川田直樹氏
コクヨエンジニアリング&テクノロジー株式会社 東日本SE2部部長 兼サウナ部部長
一級建築士、一級建築施工管理技士、サウナ・スパ健康アドバイザー
大阪府出身。大阪府立大学工業高等専門学校建設工学科を卒業後、コクヨエンジニアリング&テクノロジー株式会社に入社。多くのオフィス空間構築に携わる一方で、サウナ部部長「カワちゃん」としてサウナの魅力を伝道している。最近の取り組みでは、地域創生コンペ「サウナハウス」にてサウナ仲間と協業参加し「ヤドカリ賞」を受賞。

・加勇田雄介氏
Hasunoha CMO/コワーキングサウナプロデューサー
1986年生まれ。大学卒業後、アライドアーキテクツ株式会社、株式会社トライバルメディアハウスを経て2012年11月に株式会社デサント入社。面白法人カヤックでは、小会社の経営企画に携わりつつ、「正しいサボり方研修」も企画。コワーキングサウナの設計にも活用される。現在は70Seeds編集部でベーシックインカム社員として働く一方で、お坊さんのQ&Aサイト「hasunoha」にてCMOも務める

施設情報

・店舗名:スカイスパYOKOHAMA
・住所:横浜市西区高島2-19-12スカイビル14F[地図]
・電話番号:045-461-1126
・営業時間:10:30~翌朝9:00(22.5時間営業)※浴室の利用は朝8:30まで
・定休日:なし
・収容人数:86席(レストラン、コワーキング部分合わせて)
・設備:Wi-Fi完備、全席電源完備
・コワーキングスペースの種類:ダイニング、ごろごろスペース、ミーティング&チャットルーム、ぼつにゅうブース、宴会スペース、ふんわりスペース
・料金プラン:一般入浴料金:2,370円(税込)※コワーキングスペースの利用料は入浴料金に含まれる
・HP:https://www.skyspa.co.jp/

※情報はすべて取材時点

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