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【レポート】「同一労働同一賃金」に向けた非正規社員の待遇改善事例


雇用維持と運用コストの課題を解決する、新しい福利厚生制度の活用とは?

2018.11.05

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労働人口の減少や、働き方に対する考え方が多様化するといった社会的状況のなか、企業における非正規労働者の活用が課題となっています。また、2018年6月29日には、働き方改革関連法が成立したことで、「同一労働同一賃金」が法的に規定され、非正規労働者の待遇改善により一層注目が集まりました。 2018年9月20日に行われた株式会社ベネフィット・ワン主催のセミナー「『同一労働同一賃金』に向けた非正規社員の待遇改善事例~法改正と最高裁判決の実務への影響を踏まえて~」では、こうした現状に対する具体的な対策について、専門家の解説や企業の成功事例が紹介されました。200人近い出席者(人事担当者・責任者)が注目したセミナーの様子をレポートします。

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<第1部 基調講演>労働契約法20条、働き方改革関連法など、法改正や判例にも敏感に

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第1部では「同一労働同一賃金の法改正と判例動向」と題し、第一協同法律事務所の山畑茂之弁護士から、直近の判例や法改正の内容を交えながら、非正規労働者の待遇をめぐる現状について説明がありました。 昨今の非正規労働者をめぐるトピックで特に重要なものは以下の2つです。

・【2018年6月1日】
最高裁判所が労働契約法20条をめぐる初判断となる判決を下す 労働契約法20条では、「非正規労働者と正規労働者の労働条件の相違が不合理であってはならない」と規定されています。「長澤運輸事件」「ハマキョウレックス事件」という2件の裁判では、同条に照らし合わせて「不合理」とされる具体的なケースや、その判断の際に考慮される要素が明らかになりました。

・【2018年6月29日】
働き方関連法が成立する パートタイム労働法の改正により、有期契約労働者について、従来の「均衡待遇」の規制(労働契約法20条)に加え、一定の場合に「均等待遇」を実現しなければならない新たな規制が加わりました。また、非正規労働者と正規労働者で待遇の相違がある場合は、労働者の求めがあれば、その内容と理由についての説明義務も課されます。

以上2つのトピックを踏まえ、山畑弁護士は実務上の注意事項をアドバイス。特に、賃金項目ごと(基本給、住宅手当、通勤手当、家族手当など)に、その趣旨を踏まえて、「非正規労働者と正規労働者の間で相違を設けている理由を説明できる必要がある」という点を強調しました。

<第2部 事例紹介>福利厚生制度を活用して、採用・定着に成功する3社が取り組み内容を披露

非正規労働者の活用を考えるうえで重要となる施策のひとつが、福利厚生制度の拡充です。第2部では、採用と稼動・定着を狙って、非正規労働者向けの福利厚生制度を戦略的に拡充した事例が紹介されました。

【株式会社ドトールコーヒー】非正規従業員向けの退職金制度を導入。メリットの訴求で対象者の76%が加入。

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「福利厚生の拡充施策としての非正規従業員向け退職金制度」について、株式会社ドトールコーヒー 管理統括本部 人事部部長の平本智也氏が最初に登壇。同制度は「ベネフィット・ワン企業年金基金」の確定給付企業年金の制度を利用しており、毎月会社掛金と選択掛金が積み立てられ、退職時に受け取ることができます。受け取りには利息がつき、年間利率は銀行預金よりも高くなっています(2007年実績0.3%)。 この選択掛金は、所得控除の対象になるため、社会保険料の軽減効果が労使共に見込まれる点がポイントです。制度を利用する対象者は非正規社員のうち、平均して週30時間以上勤務する社会保険加入者です。

「非正規従業員はパートナー(同社は学生や主婦層のパート・アルバイトをそう呼称)の方々が中心であるため、個々人が税金面などを考慮し、年間収入を制限するため、働く時間を調整する必要がある。『長く(期間・1日の就業時間)働いてもらう』ことがなかなか難しい状況であるが、ただ単に税金を多く徴収されるから、働く時間を制限するのではなく、パートナーの方々自身で将来の生活設計を見据えた総合的な検討をしてもらうためにも、退職金制度の導入はよい機会になると考えた」(平本氏)。

運用のポイントは、「対象者へいかにメリットを訴求し、理解を得られるか」だと平本氏は強調。同社は、対象者へ所得税や住民税の軽減効果といった税制上のメリットを中心にアピール。特に、制度を利用できる従業員の多くを主婦層が占めることから、平本氏は「主婦が家族(夫)に説明しやすいような工夫が必要だった」と振り返りました。具体的な取り組みとして、税制メリットが一目でわかる「標準報酬月額計算シート」の作成や「制度を案内する動画」を利用することで、加入のハードルを下げた点について紹介。

このような取り組みの結果、対象者のうち76.1%が制度に加入し、そのうち、平均の選択掛金は7,500円になりました。同社の事例で成否を分けたのは、「対象者とその家族に制度のメリットについて理解を得る」ことにあったのです。

今後の展望として、平本氏は、同社グループ企業への展開も視野に、従業員の多様な価値観に合わせた柔軟な運用をしていく予定だと話しました。

【株式会社ジェイグループホールディングス】アルバイト・パートの活躍を評価・還元するポイントプログラム導入で平均勤続日数が55日上昇

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2社目の事例は、「パート・アルバイトのやる気の引き出し施策」です。株式会社ジェイグループホールディングス取締役管理本部長の赤工朝飛氏が取り組みを披露しました。

採用コストと人件費の上昇など、正社員雇用における課題が顕在化するなかで、パート・アルバイトスタッフの戦力化が急務となっていた同社。導入したのは、「jポイントプログラム」と呼ばれる、アルバイト・パート向けのインセンティブ・ポイント制度です。スタッフの活躍に応じてポイントが付与され、たまったポイントを使ってスタッフが好きな商品と交換できます。なお、同制度のインフラは、(株)ベネフィット・ワンが提供しています。

運用のカギとなったのは、アルバイト・パートスタッフのスキルや実績を評価し、ポイントに反映させる点。具体的には「スキルアップポイント(年2回のスキル評価に応じてポイント付与)」「達成賞ポイント(売上達成した店舗のアルバイトにポイントを付与)」などの項目を設けています。スタッフのモチベーションアップにつなげ、同社で積極的に働き続けるための動機付けとする狙いがありました。 さらに、会社側のメリットとして、時給を上げるだけではなく、ポイントによって活躍を評価することで、時給引き上げ競争を回避できます。ランニングコストは、パート・アルバイト1人当たり9,678円/年=807円/月。時給換算でわずか4~5円アップという計算です。

成果として、パート・アルバイトの勤続年数が上昇。導入前は平均1.4年程度で推移していたのが、2018年3月時点では1.59年となり、日数で換算すると約55日上昇しました。

赤工氏は、「今後はjポイントプログラムを他のさまざまな施策と組み合わせながら、アルバイト・パートの戦力化を進め、活躍の場を広げていきたい」と述べました。

【株式会社ベネフィット・ワン】選択制企業年金、カフェテリアプランなど、従業員の多様なニーズに対応可能な福利厚生制度を整備

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最後に、「ベネフィット・ワンにおける非正規社員等の待遇改善施策事例」として、 株式会社ベネフィット・ワン ヒューマンキャピタル研究所所長の可児俊信氏が、非正規社員も利用している3つの福利厚生制度について紹介しました。

選択制企業年金「ベネ★チョイス」

非正規社員のうち、社会保険に加入している契約社員が対象。給与の一部に月額5万円の選択枠を設け、手当として受け取るか、企業年金の掛金に充当するかを社員が選べる制度です。制度には柔軟性があり、例えば毎月3万円を掛金とし、2万円を手当として受け取るなど、2つの方法の“良いとこどり“をすることも可能。

「ベネフィット・ステーション」とカフェテリアプラン

「ベネフィット・ステーション」は、非正規社員を含むすべての従業員が対象の福利厚生施設・サービス利用制度です。メリットとして、福利厚生関連業務をアウトソーシングできる点や、福利厚生費が従業員数比例の変動費となることでコストとして抑制しやすい点が挙げられます。

カフェテリアプランは、付与されたポイントを社員が福利厚生用に自由に使える制度。非正規社員の場合、契約社員および嘱託社員が対象で、同社では正社員・非正規社員に関わらず、年間一律300,000ポイントを付与しています。

インセンティブ・ポイント「BIPO」

先述の「jポイントプログラム」と同様の制度です。同社では非正規社員も含めた、全従業員がポイント付与の対象となっている項目を多く設置しており、「BIPO」では非正規社員1人当たり年間平均5,000ポイントを獲得しています。

「今後も社内で最新の福利厚生制度を運用しながら、自社の提供する福利厚生サービスに磨きをかけていきたい」(可児氏)

コストが抑えられつつ多様な選択ができる制度の導入・運営がカギに

3社の事例を見ると、掛金を柔軟に選べる企業年金や、付与ポイントを自由に使えるインセンティブ・ポイントなど、使う側の選択の幅が広い制度が目立ちます。また、企業側の視点ででも、給与を上げるよりコストを抑えて導入・運営できるメリットを追求している点が重要だといえるでしょう。

福利厚生制度の導入が採用、雇用の課題解決の一手となる

労働力人口が減少するなかでカギとなる非正規労働者の活用。非正規労働者の稼働率・定着率を上げ、戦力化するためには、非正規労働者への企業の魅力付けが必要となります。 今回のセミナーから、そのひとつの方法として、非正規労働者向けの福利厚生制度の拡充が有効だということが見て取れました。「同一労働同一賃金」が法的に規定されたことで、非正規労働者の待遇改善は社会的要請にもなっています。 近年では、ベネフィット・ワンが提供するサービスのように、低コストで導入でき、高い効果を上げられる福利厚生のサービスも登場してきています。企業の労働力不足、採用難はまったなしの課題です。今後は、こうしたサービスの活用も視野に入れながら、対応を検討していく必要があるでしょう。

関連サービス情報

~働き方改革・健康経営をトータルサポート~9,555社が選んだ福利厚生サービス!
ベネフィット・ステーション

「ベネフィット・ステーション」は、9,500社以上の企業が利用する福利厚生の代行(アウトソーシング)サービスです。自社内で福利厚生制度を整備、運用するための人件費やコストを削減し、従業員に充実した福利厚生制度を低コストで提供。従業員満足度の向上だけでなく、内定辞退・離職防止などの人材に関する課題解決にも貢献します。

サービスの詳細および資料請求はこちら
@人事サービスガイド「ベネフィット・ステーション」

イベント概要

「同一労働同一賃金」に向けた非正規社員の待遇改善事例
~法改正と最高裁判決の実務への影響を踏まえて~最高裁判決の実務への影響を踏まえて~

開催日時:2018年9月20日(木)15:00-17:00
場所:ベルサール東京日本橋
主催:株式会社ベネフィット・ワン
プログラム:
第1部 基調講演 「同一労働同一賃金の法改正と判例動向」/第一協同法律事務所 山畑 茂之 弁護士
第2部 事例紹介
 「ドトールコーヒーにおける待遇改善」 /
  株式会社ドトールコーヒー 管理統括本部 人事部長 平本 智也氏
 「パート・アルバイトのやる気の引き出し施策」/
  株式会社ジェイグループホールディングス 取締役 管理本部長 赤工朝飛氏
 「ベネフィット・ワンにおける非正規社員等の待遇改善施策事例」/
  株式会社ベネフィット・ワン ヒューマンキャピタル研究所所長 可児 俊信氏
参加者:226名

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【制作:@人事編集部広告制作部】

執筆者紹介

西東 美智子(さいとう・みちこ) 一橋大学社会学部卒業。国立大学事務職員(企画担当)、出版社編集部を経て、フリーライターとして独立。人事経営、人材育成、採用など、人事に関する幅広い分野を得意とし、さまざまなメディアでの掲載経験を持つ。

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