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セミナー「急成長SaaS企業5社が登壇!バックオフィスから始める働き方改革」レポート(後編)


おもしろい制度からコミュニケーション方法まで、働き方改革に向けた施策を考える

2018.08.22

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この記事は2018年6月21日に開催された「急成長SaaS企業5社が登壇!バックオフィスから始める働き方改革」のレポートの後編となります。前編では「働き方改革の5つの課題」について、ChatWork株式会社・田口光さん、Unipos株式会社・斉藤知明さん、株式会社アトラエ・湊健二さん、株式会社iCARE・中野雄介さん、株式会社カオナビ・矢野雅大さんら5社の講演内容を紹介しました。後編では、隠れた離職原因No.1ともいわれている人間関係や日頃のコミュニケーションについて、講演者が参加者の抱える働き方への悩み相談も行いつつ議論をした、第2部パネルディスカッションの一部をご紹介します。

レポート前編はこちら→「事業成長を加速させる、管理部門リーダーの5つの役割とは」

バックオフィスの貢献が評価されるにはどうすればよいのか?

Unipos株式会社 斉藤さん

会社に貢献が評価されない=誰も貢献を見ていない、というわけではないと思います。頑張りを見ている人は必ずいる。部署内で褒め合うことがあるように、横のつながりはあるはずです。それを第三者にも見える形でアピールしてあげることが大事だと思います。自身がエンジニア出身というのもあるのですが、仕事の評価が減点方式の職種だと自分から貢献をアピールするのは難しいと感じます。そういった方でも、きちんと他者から評価される制度や組織を作るという意識をすることが大事なのではないでしょうか。

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株式会社アトラエ 湊さん

貢献の見える化ということで、弊社では機会提供を重要視しています。社員全員で意見を交わし、組織の未来を考える機会をよく設けているのですが、ツール上では事業成長に対してあまり適性がないと評価されている人が、そういった場で活躍するということがありました。事業成長への適性がなくてもその他の適性が開花するかもしれない、ということでリーダーに任命しました。これからどう成長するか楽しみです。

SES(客先常駐)で社員間のコミュニケーションが不足しているとき、何か施策はあるのか?

ChatWork株式会社 田口さん

オンラインでコミュニケーションを取ると良いと思います。弊社では今朝の朝食の話とかスポーツの話をする朝会(あさかい)という定例のビデオ会議を部署やチーム単位で行ったり、部活動のグループで雑談したりしています。気を抜きたい時のコミュニティを確保し、物理的に離れていてもオンラインでコミュニケーションを取ることで「あなたのコミュニティはこっちだよ」と伝えています。

株式会社iCARE 中野さん

常駐先で交流会を開かれているという話はよく聞きます。また、サードプレイスのコミュニティほど本音が出やすいということもあるので、あえて社外でコミュニケーションを取ってみても良いかもしれません。

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株式会社カオナビ 矢野さん

1人にさせないことが大事だと思います。上司と部下という縦のコミュニケーションだけでなく、それ以外の横のコミュニケーションを積極的に取ることで孤立させないというか。オンライン上で誕生月の人にお祝いコメントを送ったり、趣味の集まりのグループで雑談をしたり、そういうことをやられている企業は多いです。

Unipos株式会社 斉藤さん

オンライン上でのコミュニケーションですね。見るだけでも良いと思います。その時々の話題や本社の出来事など、見ているだけでもコミュニケーションを取っている感覚になれるのではないでしょうか。

株式会社アトラエ 湊さん

実は常駐先の環境がコミュニケーション不足の原因になっているケースもあります。何が原因となっているのかをしっかりと分析してから施策を講じると良いと思います。

おもしろい制度とその作り方は?

ChatWork株式会社 田口さん

弊社にはいろいろな制度があるのですが、「ランチトーク制度」は良いなと思っています。幹部や上司と1対1でランチをすると2人で1,400円補助されるという制度で、最近元気がない人や変化が起こった人を誘うことで話をするきっかけになるので。実際に会って話すことで得られる情報はオンラインよりはるかに多く、オフラインのコミュニケーションの重要性を感じます。あとは「ゴーグローバル制度」という海外旅行費用に14,000円を支給する制度があります。世界のプロダクトとも戦っていかなければいけないので、世界を知ってこいっていう感じですね。年1回しか利用できない制度なのですが、大半の社員は利用しています。

Unipos株式会社 斉藤さん

最近、「社員食堂」を導入しました。社員同士のコミュニケーション活性化を目的として導入した制度なので、席で食べないというルールを設けています。仲が良い社員同士だけではなく、部署が異なる普段コミュニケーションを取る機会がない社員とも一緒に食事を取るというコミュニケーションを自然にとれるので効果絶大です。個人的には今までの制度の中でも、特に導入して良かったと感じています。

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株式会社アトラエ 湊さん

弊社では10月から「サバティカルスリー」という制度が始まります。これは3年働いたら1カ月休暇がとれるというシステムで、自己実現を目的としています。海外旅行に行くでも他社で働くでも、とにかくいろいろ経験してみろという制度です。これから始まるものなので感想は言えないのですが、楽しみです。

株式会社iCARE 中野さん

制度ではありませんが、健康経営銘柄のミニ版、「健康経営優良法人」の取得を目指す一体感が良かったという声を聞いたことがあります。取り組んでいくうちに「健康経営」が社内のキーワードとなり、ジャンクフードを食べる社員がいなくなったとか、仕事の合間にヨガマットをひいてヨガをするようになったとか。そういった盛り上がりが社内の明るい雰囲気につながって良かったと言っていました。

株式会社カオナビ 矢野さん

弊社には「またぎ飲み」という制度があります。部署がたくさんあるため横のつながりを強めるという目的で、グループをまたいで飲みに行くと飲食代が支給されます。「2グループで2,000円、3グループで3,000円、4グループ以上で4,000円」なので実質無料になります。毎月利用できる制度なのもうれしいです。

株式会社iCARE中野さん

制度を作っても続かないことが多いのですが、コツはありますか?

ChatWork株式会社 田口さん

弊社では制度作りのための座談会を設けています。ただ座談会と言っても人は来ないので、お弁当を配っています。困っていることがないか、もっと働きやすい環境にするためにはどうすれば良いのか、社員の話をこちらもしっかり聞いて、時には発案してもらうことも。社員に任せると好き放題やられるのではと心配になる方もいると思いますが、意外と「これは会社のためにならない」ときちんと考えてくれます。ニーズに応えるのが制度ですから、上から降ってきた制度では浸透させるのは難しいと思います。

個のための組織作り

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1時間半に及ぶパネルディスカッションでは各企業が実践する多種多様な取り組みが紹介されました。どの企業もいかに社員が気持ちよく働けるかということを真剣に考えられる風土が整っており、これからの「個」を尊重した社会に向けた大きな一歩を実感できるセミナーとなりました。一方で、バックオフィスの限られたマンパワーをどう振り分けるかが喫緊の課題となっています。ツールの導入にかじを切る企業は今後ますます増えていきそうです。

DATA

「急成長SaaS企業5社が登壇!バックオフィスから始める働き方改革」
日時:2018年6月21日 (木) 14:00~17:30
場所:日本橋ライフサイエンスハブ(E会議室)
参加:113人
主催:スマートキャンプ株式会社(メディア名:BOXIL/Beyond)
共催:ChatWork株式会社、Unipos株式会社、株式会社アトラエ
株式会社iCARE、株式会社カオナビ
登壇者:田口光(ChatWork株式会社 働き方経営研究所 所長)
斉藤 知明(Unipos株式会社 代表取締役)
湊 健二(株式会社アトラエ wevoxチーム)
中野 雄介(株式会社iCARE Vice President of Carely健康経営アドバイザー)
矢野 雅大(株式会社カオナビ コマーシャルセールスグループマネージャー)
※敬称略・順不同

執筆者紹介

河野理沙(こうの・りさ)(株式会社スキマタイズ) 東京都出身。主に「食」「健康」「ジェンダー」の三本柱で執筆をしている。常識に囚われないんだねは褒め言葉。犬猫より鳥派。

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