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セミナー「急成長SaaS企業5社が登壇! バックオフィスから始める働き方改革」レポート(前編)


事業成長を加速させる、管理部門リーダーの5つの役割とは

2018.08.16

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ChatWork、Unipos、アトラエ、iCARE、カオナビといった急成長SaaS企業のキーパーソンが集まり、「バックオフィスから始める働き方改革」をメインテーマにしたセミナーが2018年6月21日、日本橋ライフサイエンスハブにて開催されました(主催:スマートキャンプ株式会社)。総務、人事担当者ら113人が駆け付ける中、第1部は各社の代表者が「コミュニケーション/情報共有」「モチベーション向上」「社員エンゲージメント向上」「健康経営/メンタルヘルス」「人材活用」という5つの課題(テーマ)について、実践的な取り組みや考え方を披露する講演が行われました。続いて第2部のパネルディスカッションは、隠れた離職原因No.1とも言われている人間関係や日頃のコミュニケーションについて、講演者が参加者の抱える働き方への悩み相談も行いつつ議論をしました。前編は1部の講演の概要を紹介します。

DATA

「急成長SaaS企業5社が登壇!バックオフィスから始める働き方改革」
日時:2018年6月21日 (木) 14:00~17:30
場所:日本橋ライフサイエンスハブ(E会議室)
参加:113人
主催:スマートキャンプ株式会社(メディア名:BOXIL/Beyond)
共催:ChatWork株式会社、Unipos株式会社、株式会社アトラエ
株式会社iCARE、株式会社カオナビ
登壇者:田口光(ChatWork株式会社 働き方経営研究所 所長)
斉藤 知明(Unipos株式会社 代表取締役)
湊 健二(株式会社アトラエ wevoxチーム)
中野 雄介(株式会社iCARE Vice President of Carely健康経営アドバイザー)
矢野 雅大(株式会社カオナビ コマーシャルセールスグループマネージャー)
※敬称略・順不同

コミュニケーションはオフラインだけではいけないし、オンラインだけでもいけない

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はじめに「社員満足度No.1企業が実践するコミュニケーション改革とは~社内コミュニケーションを円滑に士気を上げる方法~」と題して登壇したのはChatWork株式会社の田口さん。コミュニケーションを「双方向の意思疎通と行動変容」と定義し、社内コミュニケーションを3つのタイプに分けて紹介しました。

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1つ目は、トップダウンとも呼ばれる上意下達式のネットワーク。情報の正確性こそ優れるものの、このタイプのコミュニケーションだけでは即時性や柔軟性が求められるこれからの社会では適応できなくなると言います。
2つ目は、1対1のコミュニケーションに基づいたネットワーク。「迅速さ」「正確性」「リーダーの存在感」の3点が他のタイプよりも優れているのですが、チームとしてのコミュニケーションがとれていないためやはりこれだけでは不十分。
3つ目が、全経路型のコミュニケーションに基づいたネットワーク。「『速さ』と(チームメンバーとしての)『満足感』が高く、特に満足感に関しては他のタイプよりも得られやすいことがポイント」と田口さんは指摘しました。
しかし、「リーダーの存在感がない」「正確性に欠ける」「オフラインでは難しい」というデメリットも同時に存在するため、3つのタイプをオンライン・オフライン含めバランスよく使い分けることでより生産的なコミュニケーションがとれるようになるとまとめました。

また、社内コミュニケーションに関連して会社全体のモチベーションやパフォーマンスについても言及。バックオフィスができることとして、会社の価値観やビジョンといった日頃薄れがちな意識を、フロントオフィスを巻きこんで定期的に意識付けることで、仕事や会社の全体像の理解につながり、パフォーマンスの向上にもつながると言います。とはいえ、働き方改革に乗り遅れないようにやらなければならない仕事は増える一方で、「人はそう簡単に増えないのも事実。そういう時にこそ仲間やツールを頼ってほしい」と田口さんは強調しました。

信頼感がモチベーションに

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次に登壇したのはUnipos株式会社の斉藤さん。「自主的にお互いを称賛し勝手に信頼し合える文化づくりとは?」というテーマでモチベーション向上の方法を紹介しました。

はじめに、斉藤さんは自らのモチベーションの源泉を「信頼感」であるとし、モチベーションの向上=信頼感の向上であると説明しました。斉藤さんは会社の規模が大きくなる過程で、従業員数が増えるとその分、よく知らない人が増えてしまい、働く上で悪く作用してしまう要素が増えることが不安だったと語りました。実際にUniposでは、「お互いを知らない」「縁の下の貢献が見えづらくなった」「一人ひとりの貢献が見えづらくなった」という3点が課題になりました。この課題を解決するために立てた仮説が「互いの成果を発見し、互いの貢献を称え合えたら組織が元気になるのでは」というものでした。

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この仮説を基に考えられたのが月1回の他薦MVP制度「発見大賞」の取り組みです。
「客観的な貢献具合が伝わる」「部署を超えて貢献が認知される」「普段目立たない人でもスポットが当たる」というメリットがあったと言います。しかし、「月1回では人数に限度がある」「人事に負荷がかかる」「忘れてしまう」などの課題も見つかりました。これらの課題を解決するために作られたのがピアボーナスシステムのUniposです。
「低負荷」「リアルタイム」を実現したことで、より気軽に他人を賞賛することが実現できるようになりました。「これからの組織には、会社にいることが良い体験となること、一緒に働く相手を信頼できることが必要」と斉藤さんは語りました。

エンゲージメントの向上に必要なのは上司のアクション

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続いて、「働き方改革の第1歩! 社員のエンゲージメントを用いた組織状態把握と改善」というテーマで登壇したのは株式会社アトラエの湊さん。働き方改革について、「指標がない」「ゴールがない」「理想がない」ことが課題になっていると指摘します。

そこで、新たに働き方改革の指標として注目されているのが社員の「エンゲージメント」。エンゲージメントとは組織や仕事に対して主体的に取り組んでいる状態を指し、エンゲージメントが高まれば離職防止だけでなく生産性の向上にもつながるそうです。では、社員のエンゲージメントを高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。湊さんはエンゲージメントの評価項目として「人間関係」「支援行動」「承認・期待」「健康」「理念・戦略・事業」「自己成長」「職務」「会社環境」「組織風土」の9つを挙げました。

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これらの項目を

①現状把握→②改善策の検討③改善策の実施→④定点での観測

というサイクルで行うことでエンゲージメントを高めることができると言います。それぞれのフェーズにおけるポイントを次のように紹介しました。

①:要素を分解してエンゲージメントを測る・“今”が分かる集計方法を
②:人事任せにせず、管理職を巻きこんだミーティング・施策の実施を
③:同上
④:「やって終わり」ではなく、効果を見極めて次に生かす

特に②・③の改善策の検討・実施は「企業のウィークポイントを知り、独自のノウハウを残すという点で非常に重要であるため、ぜひ時間をかけて取り組んでほしい」と湊さん。また、エンゲージメントの評価項目の半数以上が上司の行動変容によってしか向上しないと言います。働き方改革は経営者やバックオフィスだけでなく、社員全員で取り組んでほしいと湊さんは訴えました。

健康管理ツールの活用で人事の負担をなくす

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続く登壇者は株式会社iCAREの中野さん。テーマは「社員のメンタル不調が未然にわかる!働き⽅改⾰時代のメンタルヘルス施策」です。昨今、メンタルヘルスの重要性は広く認知されているものの、その予防のための施策はうまくいっていない企業が多いといいます。そもそも、働き方改革で企業に求められている健康管理とはどのようなものなのでしょうか。中野さんは次の5つを挙げました。

▽健康で働きやすい職場環境の整備
▽在宅勤務時の健康管理
▽企業・従業員・病院が連携した支援体制
▽外国人やLGBTなど、ダイバーシティへの対応
▽女性のライフサポート

加えて、これらの施策は画一的なものではいけないと言います。働く人一人ひとりに合わせた対応が求められているのです。しかし、そうなると気になるのは人事の負担。実際、中野さんは「健康管理まで手が回らない」「メンタル不調者休職者対応方法が分からず困っている」といった人事の声をよく聞くそうです。これらの声から導き出されたのは健康管理へのマンパワー不⾜という現状でした。

では、人事の負担なく社員の健康管理を取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか。

中野さんは「健康管理のツールやサービスを利用してほしい」と訴えます。健康管理にはどうしても相応の知識や知見が必須であるため、企業内で全て取り組むのは難しいと言います。しかし、最近では医療従事者が従業員の健康管理を全て引き受けてくれるサービスが登場するなど、労力がかからず、かつあらゆる人に対応できる健康支援サービスが登場しています。外部ツールを活用し、できるだけ人的コストを抑えて効率的な働き方改革を推進してほしいと中野さんは話しました。

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情報の一元化から始まる人材活用

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最後は株式会社カオナビの矢野さんが登壇しました。テーマは「導⼊企業1000社からみた、働き⽅改⾰の実践術!〜成⻑企業が取り組む⼈材活⽤の秘訣とは〜」。働き方改革で欠かせないのが「個」を意識した人材活用ですが、その背景には「人口減による売り手市場」と「サービス業の増加」があるそうです。そのため、これからの日本社会で企業が成長するためには「『個』を把握する施策・仕組みをつくり、『個』の才能が開花する働きやすい環境を用意することが重要である」と矢野さん。

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『個』を生かすためにはまず人材情報の一元化をすべきだと訴えます。

これまで、人材情報はパソコンに保存されて資料作成時に人事が利用する程度、もしくは履歴書に書かれたままということがほとんどでした。スキル・給料・キャリアプランなどの情報は紙・基幹システム・上司の頭の中とバラバラに存在しており、人材情報の活用には程遠いもの。これらの情報を一元化し、気軽にアクセスできるようにすることで適材適所の人材活用をスムーズに行えるようになるそうです。一方で、人材情報を人事内だけで管理したいという声があることも事実。しかし、よりスピードが求められるこれからの社会では現場主導のマネジメントが欠かせないと矢野さんは指摘しました。

1部の講演では参加者の笑いを誘う場面もあり、和やかな雰囲気で幕を閉じました。続く2部では、各社で実施されているその他の取り組みや「おもしろい制度」など、生の情報が飛び交うパネルディスカッションとなりました。

後編の第2部パネルディスカッションの様子はこちら
「おもしろい制度からコミュニケーション方法まで、働き方改革に向けた施策を考える」

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