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「ワーク・ルールズ!」トークセッション


クリエイティブな働き方とは?~日本版「ワーク・ルールズ」を探る

2016.01.07

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東洋経済新報社が今年7月末に発売し発行累計5万部を突破した(2015年12月現在)、『ワーク・ルールズ!』を題材にしたトークセッション「~ワークスタイル変革で始まる【クリエイティブな働き方】~」が2015年12月1日、東京・六本木の株式会社フリークアウト本社ヒルズガレージで開催された(写真)。人事担当者や人材業界関係者300名以上が集まるなか、企業が競争を勝ち抜き、持続的成長を得るための新たな「働き方」や「採用の仕方」について議論を交わしたほか、参加者が交流を深めた。

「リモートワーク」という働き方

トークセッションには角川素久氏(Sansan株式会社CWO[Chief Workstyle Officer]/人事部長)、佐々木大輔氏(freee株式会社代表取締役)、田中弦氏(Fringe81株式会社代表取締役)、池見幸浩氏(株式会社grooves代表取締役)が登壇者として参加し、東洋経済オンライン編集長の山田俊浩氏(TOP写真左)がモデレーターを務めた。

Sansan角川氏

freee佐々木氏

クリエイティビティを生み出すための仕事や組織のあり方として、これからの新しい働き方、採用、文化形成などについて考えていくにあたり、はじめに、各社が成功している人事制度と失敗したことで変えた人事制度をテーマにセッションがスタート。

角川氏は、メディアでも紹介されることが多い「サテライトオフィス」について紹介した。
「徳島県の神山町に古民家を1軒構えて、そこで社員に働いてもらっています。エンジニアが2人常駐しており、さらに東京のエンジニアが1カ月ぐらいそこに滞在して仕事を仕上げ、帰ってきたらまた次の人が行く、という活用法を5年ほど続けています」

最近の流行である「リモートワーク」という働き方。Sansanでは実施する上でコミュニケーションが欠かせないとオンラインやテレビ会議を導入したが、課題が生まれたという。

「Face to Faceのコミュニケーションであれば、直接その場で自分の意図が正確に相手に伝わったかどうかを確認できますが、オンラインやテレビ会議でのやりとりになるとその確認ができない。意外と伝わっていないことがあり、それが積み重なっていくと、不信感が生まれてしまうということがありました。リモートワークをする場合、オフラインでの人間関係のベースがないと実施が難しいと感じました」

同社では神山町にいるメンバーと東京にいるメンバーの関係がこじれてしまった場合、神山町から一度東京に戻ってきてもらい、直接対峙するオフラインの飲み会によって人間関係を構築し、その後で神山町に戻ってもらう、ということを試行錯誤しながら続けているという。

一方でfreeeの佐々木氏は、職種によって在宅やリモートワークの働き方が導入できるかどうかが違う点を指摘した。
「何人かそういう働き方をしているメンバーはいますが、コミュニケーションが大事で、その場にいるほうが“生産性が高い仕事”というのも、やはりたくさんあります。クリエイティブの仕事の場合、『ふと、すれ違ったとき』の会話から良いアイディアが生まれることもありますよね。『ワーク・ルールズ!』のなかでも指摘されていますが、そういうことは大事だなと思っています」

freeeでは、社員に出社できる場合はなるくべ出社を要請しつつ、子供が病気になった際や、事情がある際は在宅を認めるようにしており、例外としてリモートワークができるようにしているという。また、例外であってもリモートワークを実施するための環境は十分に整えている。
「当社はクラウドサービスの会社なので、自分たちがクラウドを使いこなして自己矛盾しないように工夫をもちろんしています。社内ツールがすべてクラウドになっているので、どこででも仕事ができる環境があります」

環境を変えることの大切さ

grooves池見氏

Fringe81田中氏

クリエイティブを生み出す新しい働き方のひとつとして、いかにコミュニケーションを維持しながら、離れた場所で「チームとして機能」し、組織を発展させていけるのかが問われる。

groovesの池見氏は、エンジニアが求める働き方について言及した上で、リモートワークの可能性について次のように示唆した。
「私たちが運営している『Forkwell Jobs』のサイトで、いま検索されている一番のキーワードが『リモートワーク』です。転職を考えているエンジニアにとって、非常にニーズが高い。『リモートワーク可』を条件に入れて求人を出すと、通常では応募をしないような優秀なエンジニアからの応募が来る、ということもあります。

アメリカでは地理的な問題から、オフィスに集まるということ自体がナンセンスなので、リモートワークが流行っている。これからは、ボーダレスであり、時差や地理的課題に左右されずに働くため、特に開発環境の部分でリモートワークは必須になってくるでしょう」

アメリカは1970年代からテレワークが導入されており、離れた場所で働くことも当たり前という環境がある。日本はまだ「集まって働くのが当たり前」という意識が根強い。リモートワークを積極的に導入していけるかどうかは検討の余地があるだろう。
「僕はリモートワークは嫌いです。平面的なコミュニケーションであれば心が離れていき、実施する意味がない。確かに日本の企業は柔軟性がなさすぎる点に課題はありますが、弊社のようなベンチャーで、コミュニケーションが重要なタイミングがたくさんあるようなフェーズで、『リモートワークOK』にしてしまうと、たぶん難しいと感じています」(Fringe81田中氏)

サテライトオフィスを推進している角川氏はリモートワークの注意点を踏まえた上で、別のメリットをあげた。
「矛盾してしまいますが、基本的には同じオフィスにいたほうが絶対良いと思います。生産性の観点からも、クリエイティビティの観点からも、一緒にいることによる価値がより身に染みてわかります。ただ、神山町のような、都会とはまったく違う環境に身を置いて働いてみると、新しい発想が生まれたり、気分が一新されたりということはある。行ったり来たりする刺激は重要だなとも思っています。それから、採用の観点でいうと、神山町の経験があったからこそ社内のリモートワークのリテラシーが上がってきて、東京への転勤がないかたちで地方の人を採用できるようになりました」

環境を変えることの重要さについては田中氏も次のように指摘する。
「最近、かっこいいオフィスにいると右脳の能力がどんどん下がるなって思っています。そこで、サテライトオフィスではありませんが、8人ぐらい働けるようなローテーションオフィスを鎌倉につくってみました。そうすると、みんなハードに働く一方で、リフレッシュして東京に戻ってきます。理由はまだわかっていませんが、そのぐらいやらないと、右脳を刺激して新しいアイディアを考えようというのは無理だと思っています」

リモートワークやサテライトオフィスはクリエイティブを生み出すための働き方としてだけでなく、リフレッシュや離職しないための「インセンティブ」という側面もある。しかし、リモートワークやサテライトオフィスそのものは、全ての職種、全ての社員に有効的な働き方(制度)ではない。クリエイティブが求められる職種において、いかにクリエイティビティを高めていくためのエンジンになりうるか、人事担当者はその点に主眼を置いて制度設計や体制・環境を整えていく必要があるだろう。(後編に続く)

この記事は株式会社grooves、株式会社東洋経済新報社より提供された情報および写真をもとに構成しています。

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