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「働き方改革EXPO」株式会社ティファナ・ドットコム取材レポート


社内ヘルプデスクを人工知能のキャラクターが代行? 「AIさくらさん」

2018.08.08

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総務・人事向けのサービスが集まる商談会としては日本最大規模のイベント、「第13回総務・人事・経理ワールド」(主催:リード エグジビジョン ジャパン)が7月11日~13日にかけて東京ビッグサイトで開催され、61,286人が訪れた。(前回から約15,000人増)

今年の出展企業は、昨年より約100社増加の850社となり、人事労務・教育・採用に関するサービスを紹介する「HR EXPO」や、生産性向上・コスト削減につながるサービスが展示された「働き方改革EXPO」など、8つの専門展が同時開催された。

今回の記事では、「働き方改革EXPO」に登場し、話題を集めたAI(人工知能)による接客・窓口システム「AIさくらさん」についてご紹介する。

AI(人工知能)が音声会話で接客・社内窓口を担当

第5回働き方改革EXPOでは「テレワーク推進ゾーン」「会議ソリューションゾーン」「車両管理ゾーン」「AI・RPA(業務自動化)ゾーン」の4つの専用ゾーンが設けられた。「AI・RPA(業務自動化)ゾーン」で一際目を引いたのが、大画面でなめらかに動く「AI受付」の姿だ。

aisakurasan04「AIさくらさんは、接客・社内ヘルプデスクなどを人に代わって行うことができる人工知能です。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応しているので、インバウンドの接客も可能です」

そう語るのは、WEB制作会社「ティファナ・ドットコム」のAI戦略室課長・横山洋太さん。ブースには、海外からの参加者も足を止めている。さっそく操作を実演いただいた。

「音声入力が可能なので、こちらのマイクのアイコンに触れた後、そのままお話しいただければ大丈夫です。今回は、交通費の申請書のフォーマットを出してもらいますね。『交通費の申請書を出して』」
交通費申請書ですね。下記からダウンロードしてご利用いただけます

aisakurasan横山さんが依頼した数秒後、AIさくらさんは交通費申請のためのWordファイルを取り出した。

「今回はファイルを案内してくれましたが、『この辺りでお薦めのレストランは?』といった質問では、地図の画像付きで周辺で人気のあるレストランを案内できます」(横山さん)

AIに社内の情報・技術を継承し、属人化を防ぐ企業も

社内でディレクターや管理職を担う従業員が退職した際、技術や情報が属人化していると、情報がブラックボックス化してしまうことがある。「AIさくらさん」導入企業の中には、技術や情報の継承を行うために、AIさくらさんをマニュアル的に活用している企業があるという。

「まず、業務のために必要な情報をAIにインプットし、新入社員が入社した際には、教育マニュアルの1つとしてAIさくらさんを紹介します。新入社員は、分からないことがあったらまずAIさくらさんに尋ねるため、人手不足で新人教育のためのリソースが不足している企業でも役立つケースが増えています」

人手不足が進み「AIさくらさん」活用の機会は増える?

接客や社内ヘルプデスクをはじめ、さまざまな場面で活躍するAIさくらさん。今後はどういった場面での活用を想定しているのだろうか。

「AIさくらさんは、さまざまな業界で幅広い業務を人に代わって行うことができるため、活躍の場は無限にあると思います。ただ、そういった中でも、専門的な技術や知識の継承に課題がある製造業や、特に人手不足が深刻な福祉・介護の現場で活用いただきたいです」(横山さん)

近年の日本では、少子高齢化の影響で、人手不足の問題は年々深刻さを増している。

年齢3区分別人口(クリックで拡大)国立社会保障・人口問題研究所

年齢3区分別人口(クリックで拡大)
出典:国立社会保障・人口問題研究所

株式会社リクルートマネジメントソリューションズの研究開発部門「組織行動研究所」の調査によると、2010年時点では8000万人以上だった生産年齢人口(15~64歳の人口)は、2030年には6700万人となり、20年間で1300万人以上減少することが予測されている。

こうした予測をふまえると、現在は「AIに人間の仕事が奪われる」と恐れる声も一部にはあるが、人手不足が深刻化する将来の日本では、「AIが人間の仕事を行う」ことが、むしろ積極的に求められるのかもしれない。

参考:国内人口推移が、2030年の「働く」にどのような影響を及ぼすか(組織行動研究所)

語学力を生かし、2020年東京オリンピック・パラリンピックでも活躍?

また、大会運営のためにボランティアの活用が叫ばれる2020年東京オリンピック・パラリンピックについても、横山さんはAIさくらさんの活躍に期待しているという。

「AIさくらさんは日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語でも接客が可能ですので、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックで、外国人観光客相手に東京を案内するAIさくらさんの姿をぜひ見たいと思っています」

人事・総務が活用可能な「メンタルヘルス機能」を新たに搭載

「AIさくらさん」が、人事・総務の仕事を代行する未来は来るのだろうか? 横山さんによると、全ての仕事を代行することはできないものの、AIさくらさんには、人事・総務をサポートすることができる機能が搭載されているという。

「従業員がAIさくらさんに話しかけることで、出勤・退勤を把握することができ、そのデータを保存し、従業員の勤務状況を確認・管理することもできます。採用活動では、会社説明会で学生や求職者からの質問に答えることも可能です」

また、2018年7月9日からは、精神科医が職場のメンタルヘルスを支援する「みんなの健康管理室合同会社」と共同開発を行った「メンタルヘルス機能」を提供開始。従業員がAIさくらさんの質問に答えることで、従業員のストレス状態を把握、適切なアドバイスを行うことが可能だという。

「AIさくらさんを社内ヘルプとしてご活用いただく中で、社員の方が抱える悩みを自然と聞き出せるような形が作っていければと思います」

mhc 「AIさくらさん」メンタルヘルス機能の解説。産業医との連携も可能となっている。

人工知能が従業員の「よき理解者」になる時代に?

新たに提供が開始された「メンタルヘルス機能」では、AIさくらさんは業務以外の個別の悩みも従業員から聞き、精神状態を把握した上でサポートを行っていくという。業務についても私生活についても、最も適切なアドバイスを送ってくれる相手が「AI」になる未来も、そう遠くないのかもしれない。

(文:@人事編集部)

【編集部より】
人事・総務へのAIの活用について、この他の記事はこちら。

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