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採用・人事に活用できる新たな指標「nEQ」


nEQ(感情知能指数)とは? ~人事とメンタルヘルスケア~

2018.07.19

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採用や人事、メンタルヘルスケアなどにも活用できる新たな指標として、「nEQ」(感情知能指数)という能力アセスメントが、今、多くの企業から注目を集めている。

nEQを活用し、企業の人材育成やメンタルヘルスのサポートを行っている有限会社マイルストーン代表取締役の八矢浩さんに、人事でのnEQの活用方法について聞いた。

目次
  1. 日本人向けに開発された能力アセスメント「nEQ」
  2. プロファイリング=人物像を描き出す
  3. 人事に使える「nEQ」—その1:採用や人事面接
  4. 人事に使える「nEQ」—その2:メンタルヘルスケア

日本人向けに開発された能力アセスメント「nEQ」

IQ(Intelligence Quotient=知能指数)が高い人材であっても、ビジネスで成功するとは限らない。

「ビジネス社会で成功した人は、ほぼ例外なく対人関係能力に優れている」という調査研究結果に基づき、アメリカのピーター・サロべイ、ジョン・メイヤー両博士が提唱したのが、「感情をうまく管理し利用できることは、ひとつの能力である」というEQ(Emotional Intelligence Quotient)理論だ。

有限会社マイルストーン代表取締役の八矢浩さん⓵EQ理論やその能力測定は、人材育成を必要とする多くの企業などで既に取り入れられているが、それをさらに日本人向けに開発したものが、「nEQ」という能力アセスメントだ。

「EQという理論は1990年にアメリカで発表されましたが、他者との関係性を大事にしたいという考えやその能力自体は、もともと日本人の方が得意とするものなんですよ」と語る八矢さん。

従来のEQテストは、主に感情面に重点が置かれていたが、そこに、社会性、精神性といった側面を新たに付け加え、より日本人のためにわかりやすく、使いやすくなったアセスメントプログラムが「nEQ」。それは、「人間力」「感情知能指数」「心の知能指数」などとも呼ばれている。

プロファイリング=人物像を描き出す

nEQテストを受検すれば、そのデータ結果をもとに自己理解・他者理解を深めることが可能だ。質問は全部で50項目あり、下記の4つの領域に能力が分類されている。

自己対応能力(自己を活かす能力)
他者対応能力(他者との関係の中で相互によりよく生きる能力)
社会性(組織や社会の一員として広い視野に立って生きる能力)
精神性(人間としての生き方を深く考えより豊かに生きる能力)

大企業が新入社員研修や管理職研修で「nEQ」を行った場合には、結果報告書をもとに自分の強みや弱みを各自取り上げて、今後の働き方についての考え方を指南するセミナーを行ったりするのが一般的だというが、八矢さんの場合には、受検者ひとりひとりと個人面談をして「プロファイリング」を行っている。

「nEQの結果をもとに、その人の感情の動きであったり、行動であったり、強みや弱みというものを見出していくんです。あなたはこんな感じの方ですよね?こういうことが得意でこういうことが苦手ですよね?こういうことで困っていませんか?でもこういうところで重宝されていますよね?というようなことを聞いて、その人の人物像を描き出してあげて、その人の持つ力の活かし方などをアドバイスします」と八矢さんは話す。

人事に使える「nEQ」—その1:採用や人事面接

その人が自分たちの会社の理念に合った人物なのかどうか、欲しい人材なのかどうか、会社のどの部署であれば活躍できそうなのか、nEQの受検結果とプロファイリングを参考にすることによって、企業の人事担当者は志願者をより深く理解することができ、採用・不採用という判断にも利用されている

「基本的には、企業にもひとりひとりのことを理解していただき、適材適所の配置であるなど、そういう場面で活かしてもらいたい。社員同士においても、お互いを理解することで、得意なものをできるだけやってもらうようにしたり、不得意分野のサポートにはこの人を投入しようかなど、組織の作り方や仕事の組み立て方などに繋げていただくというのが、実はこのnEQを活用していただきたいことでもあります」と八矢さん。

ある中小企業では、「nEQ」の結果をお互いに見せ合い、社内ミーティングで活かしている。そういう取り組みをしていくと、それまでは何を考えているのかわからなかったという『不思議ちゃん』だった子が、『不思議ちゃん』ではなくなったという。雇用者と従業員間、また従業員同士のお互いの理解が深まっていったのではないかと八矢さんは話す。

人事に使える「nEQ」—その2:メンタルヘルスケア

有限会社マイルストーン代表取締役の八矢浩さん②「nEQ」を活用する一番のメリットは、「自己理解・他者理解が深まること、すなわち、感情面と行動面の特長がわかること」だと言う八矢さん。それは、メンタルヘルスケアにも大いに活かされている。

「その人の状況がどうなっているのか、人としての力が高まっているのか弱まっているのか、弱まっているとしたら、どうサポートしていけばいいのか、ということも、実際にnEQを使って対応しています。その人の特性がわかっていれば、すぐに対処の仕方がわかりますから」と語る八矢さんは、自身の役割を「レジリエンストレーナー」とも呼んでいる。

「レジリエンスは『強い心・折れない心を作る』とも言われていますが、『しなやかな心を作る』ことが大事だと思っています。竹のようになかなか折れないしなやかさ。弾き返しながら、折れ曲がりそうになりながらも、また戻っていける…そんなしなやかな心を作るお手伝いをしています」

メンタル不調になった人に「nEQ」を受検してもらうと、やはりどの項目についても力がなく、全体のスケールが下がっているという。「メンタルの面で不調感が出てくるというのは、どこかで負荷がかかっているんです。その根本原因を取り除くのが難しい場合の方が多いので、そのことの捉え方であったり、ストレスが出てきた場合にどう対処するかとか、その逃げ方が、まさにレジリエンスの考え方なんです

会社内に相談窓口がなく、悩みを抱えていても誰にも相談できずに、苦しんで、倒れてしまうという人が圧倒的に多いという。八矢さんは、そういった従業員の方からの相談に応じることも少なくない。

「nEQはあくまできっかけのひとつであって、最終的には、みなさんが職場で、健康でいきいきと働いてもらうということが一番だと思っています」

※この記事は合同会社イーストタイムズと協力して作成しています。@人事ONLINEでの公開後、同社が運営する「TOHOKU360」に記事が転載されます。

執筆者紹介

渡邊真子(わたなべ・まさこ) 合同会社イーストタイムズ/TOHOKU360編集部 コンテンツデザイン担当。TOHOKU360の通信員として、地元宮城のローカルニュースも執筆。重度知的障害を抱える一児の母。

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