コラム

林修三先生のなるほど人事講座


会社説明会で話す内容は?学生を掴む説明会術

2015.12.25

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いよいよ3月1日から2017年卒向けの採用広報活動が解禁になるということで、会社説明会の準備を始めている採用担当の方々が多くいらっしゃるかと思います。

みなさまご存知の通り、新シーズンにおいては広報活動解禁日が昨シーズンと同じく3月であるのに対して、選考活動解禁が8月から6月に前倒しになることから、極めて短期間かつ他社とのバッティングが激しい中での広報活動でいかに学生の心を掴んでいけるかが採用成否の生命線となります。

そこで今回は、広報活動の中でも最も重要な「会社説明会」で、どのように学生を掴んでいくかという方法論についてご紹介します。

目次
  1. 1.学生が知りたがっていることこそ伝える
  2. 2.採用担当者のプレゼン力を高める
  3. 3.全ては熱意と誠実さがベース

1.学生が知りたがっていることこそ伝える

私見ですが、今の学生が就職先選びに関して最も知りたがっていることは(その会社・職業に就いたとして)、

(1)何が得られるか?=メリット
(2)やっていけるか?=不安の解消
(3)その根拠は?=納得

という3点だと考えています。

今の学生は、良くも悪くも目の前のわかりやすいメリットを重視する傾向があります。そのため、会社概要をどれだけ話しても学生に対してはあまり意味がありません。必ず聞き手である学生にとってのメリットを示しながら説明をしてあげてください。

メリットを伝える際は、「やりがい」や「成長」といった大局的・自己実現的なものだけではなく、「社食が充実している」や「駅から近い」などのミクロで即物的なものまで、できる限り多くの視点や大きさで示してあげると効果的です(筆者が採用担当を務めていた頃は、「独身寮で金曜夜に出てくるカレーがめっちゃうまい!」というアピールをしていました)。

また、自分は本当にその仕事をやっていけるか?という不安を強く持つのも今の学生の特徴です。
この不安を解消させてあげない限り、仮に内定を出したとしても辞退者予備軍になってしまいますので、「研修の充実度」や「職場の人間関係の良さ」など、入社後も無事に勤めていけると思ってもらえる説明を加えていきましょう。

最後に、話の各内容について、必ずしっかりとした根拠を説明してください。
(例:「なぜ○○分野に進出しようとしているのか」、「なぜ学部学科不問で募集しているのか」、「なぜ人間関係が良好に保たれているのか」、など)

最近では大学内で行われる就職ガイダンスでも「ブラック企業の見分け方」などが盛り込まれていて、学生側は企業が語る一見うまい話に簡単には食い付きません。納得できる根拠とセットで語ることで、はじめて内容を受け入れてもらえるようになります。

2.採用担当者のプレゼン力を高める

話の中身がどれだけ良いものでも、それが学生に響くかどうかは、やはり採用担当者個人のプレゼン力に依存してしまいます。

筆者の考えでは、プレゼン能力とは以下の方程式で表されます。

プレゼン力=表情×アイコンタクト×動き×声量×メリハリ

表情:
普段よりも少しだけ目を大きく開き、合わせて口角を少しだけ上げた表情を、ベースの表情とします。この表情が、好感度を高めます(プレゼンテーションの世界ではこれを「オープンフェイス」と言います)。
アイコンタクト:
会場にいる学生一人一人と目を合わせながら話をします。会場の左奥を始点にしてZ字を描くように順番に見ていくと、聞き手に安心感を与えられます。スクリーンや手元資料を見ながら話し続けるのは絶対に避けてください。
動き:
学生の注意を引きつけるために、必ず動きを取り入れてください。スクリーンをポインターではなく手先で指し示すように動いたり、比較や流れを説明する際には両手や体全体を使ったりして表現してください。
声量:
基本的には、大きければ大きいほど良いです。
メリハリ:
表情、動き、声量、話のスピードなどを、話す中身の重要度に応じて変化をつけてください。終始一定のペースでプレゼンをしてしまうと説明会終了後の学生の頭の中には何も残らない、と戒めるくらいでちょうどいいです。

学生にとっては「採用担当者への印象≒企業への印象」ですので、これらの技術でプレゼン力を高めることで、学生の志望度を高めていくことができます。

3.全ては熱意と誠実さがベース

Q.合説で良いと思った会社・悪いと思った会社について、どのような点でそう思いましたか?
A.(良い
・大変なことをリアルに伝えてくれたから。
・自分の体験や感想を交えての説明があった。
・キラキラと会社の説明をして下さった会社は良い印象を受けました。
A.(悪い)
・パワポの内容だけを淡々と述べていて、本当に新卒を採用したいようには思えなかった。
・若手社員がすでに活き活きしているような感じがしなかった。
・会社の自慢や他社との良くない比較を行っていて嫌な感じがしたから。

(「内定自由自在ラボ」受講生アンケートより抜粋)

採用活動とは、結局のところ人間対人間の活動ですので、熱意や誠実さを見せるということが全てのベースになります。採用担当者自身が、自社事業や自らの職務について誇りや使命感を持ち、学生一人一人に誠実に向き合う。これに勝るものはありません。

筆者が主宰している就職セミナーでのアンケート結果も、このことを如実に表しています。
採用担当という業務は大変な仕事ではありますが、常に初心に戻りつつ、学生から「仕事している人ってすげえな」と思ってもらえるような対応をしていくことが、実は成果への近道かもしれません。

【編集部より】
新卒採用における、学生を集客するノウハウに関する記事はこちら。

執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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