コラム

残業ゼロを目指して


仕事を先送りにする人の3つのタイプと、先送り癖をなくすための対策

2018.07.03

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、ピアーズ・スティール氏による著書『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の一節から、仕事を先延ばしにしてしまう原因とその対策について解説していきます。

人口の95%が「仕事を先延ばしする」傾向がある

面倒な仕事を先送りしたいというのは、どうやら万国共通の現象のようです。

『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の著者であるピアーズ・スティール氏によれば、過去40年間の世界中のさまざまな人々に対するアンケートを分析したところ、全体人口の95%が自分を「ギリギリまで仕事を先延ばしする傾向がある」とみなしているとのことです。

スティール氏によれば、先延ばしには以下の3つのタイプがあります。

(1)どうせ失敗する(期待できない)と決めつけて先延ばしするタイプ
(2)その対象が退屈(価値がない)と感じ先延ばしするタイプ
(3)目の前の楽しい事(時間)を優先し、その他の事を先延ばしするタイプ

どのタイプにも、共感できてしまうところがあるのではないでしょうか? 今回は、この3つのタイプのうち、1つ目のタイプについて詳しく考えてみようと思います。

「どうせ失敗する」と思ってしまう原因は?

「どうせ失敗する」と思い、タスクを先延ばしにしてしまうとき、何が「どうせ……」という気持ちを起こさせてしまうのでしょうか? 大きく分けると、以下の3つの状況が失敗を思い起こさせ、仕事を先延ばしにする元凶と言えます。

・時間に追われている
・疲れている
・必要な情報(資料)がない

この辺りが心理学者も指摘する主要な「先送りする理由」ですが、これらの理由は必ずしも「悪い理由」には思えず、むしろ、先延ばしするにはまっとうな理由のように見えます。しかし、このような理由で仕事を先送りにしても、いいことは決しておこりません。

「衝動的」な思いつきが仕事を先延ばしにする

仕事を先送りする際には、「将来の自分は、今よりマシな状態である」という希望が根底にあります。未来は調子がいい。未来には時間がある。

もちろん、今より疲れがとれている時、もっと時間に余裕がある時はあるでしょう。しかし問題は、そのように先送りするとき私たちはあまり「いつなら疲れていないだろう?」「いつなら時間の余裕があるだろう?」とは考えていないということです。

つまり先送りにする時というのは

・今は疲れている
・後でやればきっとうまくいく
・いまできることは、なにもない

と「衝動的」に思いついてそのまま仕事をせずに済ませてしまうのです。

何かの根拠をもとに行動しているわけではありませんから、現実はその「後」になっても、ほとんどのケースでは、時間もなければ調子もよくなっていないことがほとんどなのです。

小さなタスクの積み重ねで「成功の螺旋階段」を登っていく

「どうせ失敗する(期待できない)と決めつけて先延ばしするタイプ」の方が、先延ばしを克服するために有効とされるのが、「成功の螺旋階段」を作るという方法です。

これはどういうことかと言えば非常にシンプルで、「達成可能な目標を順々に設定していく」ということです。1時間かかるタスクしかない状態なら、まずはそのタスクを分解し、10分で達成できる目標を設定します。総計で1時間かかる仕事であっても、10分だけでも仕事を進めておくと、後々必ず楽になれます。

とはいえ、あまりに疲れているのに休憩も取らず、「なんとしても前に進める」という仕事のやり方をしていては、燃え尽きてしまいます。では、どういった基準で考えれば良いでしょうか。

未来の予定を埋めることで、「衝動的」な先延ばしを避ける

ここで、簡単な判断基準があります。未来の予定を、わかっている分だけでもぎっしりと埋めてみて、それでも先送りすべきかどうかを、考えてみるのです。

先送りする心理というのは「未来に期待する」ことです。未来なら時間がある、調子もいい。そういった「想像」が事実であるかどうかを分かるように、予定を立てるのです。未来のどこに、時間があるのか。もしも未来にまったく時間がなければ、「今」やるしかないと腹をくくることができるでしょう。

少なくとも「先送りする先」がないのに、それでも先送りしてみたところで、仕事が進むはずがないのです。

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たとえば上の週間カレンダーは、私自身のものです。これを見れば「3日後に原稿を書くことを先に送」ってみたところで、十分な時間などとれないことが一目瞭然です。しかもこのカレンダーには「100%やるはずのこと」しか書き出されないのです。

だからこれを見ると、いま書くしかないという気持ちになれます。

しかし、あまりに疲れていると、たとえ未来に時間がなくても、それでもなんとか未来にねじ込みたいと思うはずです。

このようにしてみて初めて、「今本当に仕事ができないほど、疲れているのか?」それとも、ただ未来の時間は空いているという幻想を頼りにしているだけで、今でもやろうと思えばやれるのか、を判断できるようになります。

最終的には「やらなかったこと」を後悔する

最後に、改めて冒頭で紹介したピアーズ・スティール氏の言葉を引用しましょう。


私たちは、短期的にはやったことを後悔するが、長い目で見れば「やらなかったこと」を後悔する。

ピアーズ・スティール著『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

今やることがつらく、やったことを後悔するようなタスクでも、長い目で見えれば「やってよかった」と思えるようになります。どうしても仕事を先送りしたくなったときには、この言葉を思い出してみてください。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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