jMatsuzakiの「自己啓発書評」
強みを生かし、成果を最大にする「ストレングス・ファインダー」とは
2015.12.21
弱みより強みを活かすストレングス・ファインダー
ストレングス・ファインダーの考え方は実にシンプルです。「弱み」を改善するより「強み」を活かすことで成果を最大化することです。
得てして人は逆をやりがちです。弱点や失敗を恐れるがあまり、弱みを改善することに力を注いでしまうのです。しかし、弱みを改善する方針は結果的に遠回りになるでしょう。本書ではこの罠に陥らないようにするために持つべき認識として以下の2つを挙げています。
- 人の才能は一人ひとり独自のものであり、永続的なものである。
- 成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野である。
P.12
本書に書かれているのは、強みを土台にして生きるということ、強みを土台にした企業を築く方法、その強みを知るためのテスト、人それぞれの強みに対応した分析結果などです。
ここからは、ストレングス・ファインダーの概要を紹介します。
強みは首尾一貫することができてはじめて真の強みになる
本書では強みの定義を「常に完璧に近い成果を生み出す能力」と定義しています。
強みはその人の持って生まれた才能に違いありませんが、加えて首尾一貫することができてはじめて真の強みになるということです。
一回だけ奇跡的な成果があげられる能力では強みとはいえません。常にうまくいき、満足感の得られるものこそ本当の強みと言えます。
強みとは才能と知識と技術の組み合わせ
強みを築くために必要となるのはなんでしょうか。本書によるとそれは3つあります。「才能」「知識」「技術」の3つです。
- 才能とは、無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターンである。才能となるさまざまな資質。それは<ストレングス・ファインダー>で見つけてほしい。
- 知識とは、学習と経験によって知り得た心理と教訓である。
- 技術とは、行動のための手段である。
P.34
天性の才能は強みの源泉となりますが、才能だけでは強みにならない点は注意が必要です。知識や技術といった後天的な要素も磨いてはじめて強みが形成されるのです。
強みを築くうえで最も重要なのは「才能」を特定すること
では、強みを築くためにはまずなにをすればいいのか?最も重要なのは先にあげた3つの要素のなかでも「才能」を特定することです。
才能を特定しようとせず、知識と技術を積み上げていっても、非効率どころか逆効果になる可能性もあります。才能を考慮せずに訓練を重ねると、進歩するどころか燃え尽きてしまうでしょう。
対して、知識と技術は才能にもとづいてあとから形成できるものです。ですから、知識や技術を積み重ねる前に、才能を特定することが最も重要になってくるのです。
才能は無意識の反応によって特定できる
では、どうやって才能を見つければいいのか。本書では才能を特定するには自分の無意識の反応を見ることだと書かれています。
才能を見つけるためにまず最初にやるべきことは、さまざまな状況下で自分は無意識にどのような反応をしているか、自分自身をよく観察することだ。反射的な反応は才能を見つける最も有力な手がかりだ。最強の脳内回路のある場所を教えてくれる。
P.78
続けて本書では、才能のありかを突き止めるために注目すべき無意識の反応として、「切望」「習得の速さ」「満足感」の3つをあげています。
日常において、これらの反応に神経を研ぎ澄ませておけば、自分の才能を知ることができるでしょう。
無意識の反応を誘発して強みを特定するストレングス・ファインダー
無意識の反応を自覚することで自分の才能を特定できるのは先ほど述べたとおりです。
ただ、これには2つ問題があります。時間がかかることと、客観的になるには自分という対象が近すぎることです。そこでストレングス・ファインダーの出番というわけです。
日々のあらゆる状況に対する無意識の反応が才能を知る有効な手がかりになるのは、すでに述べたとおりだが、かかる才能を正確に把握できるよう、<ストレングス・ファインダー>は被験者の無意識の反応を誘発するようにできている。被験者に刺激を与え、考えられる反応を選択肢として並べ、その反応を測定する。
P.89
この本の著者による長年のプロファイリング結果によれば、人の強みになりうるものは34の資質に分けられます。ストレングス・ファインダーの試験を受けると、この34の資質のなかで、あなたが優位を占める5つの才能がわかります。
ストレングス・ファインダーは、自分の強みを特定するときに最初で最大の難関となる才能の特定を手助けしてくれるのです。
強みを活かして効果的な人生を歩む
ちなみに私がストレングス・ファインダーの試験を受けた結果、上位5つの才能としてあがったのは次の通り。
- 未来志向
- 戦略性
- 目標志向
- 最上志向
- 責任感
このテスト結果は私の行動指針として、いまでも有効に機能してくれています。
働き方が多様化したいま、誰でもできることを効率的にやっているだけでは成果は上がらないでしょう。自分の才能にあった仕事で、効果的に成果をあげることが求められているといえます。
本書を読み、ストレングス・ファインダーを受ければ、これを強力に後押ししてくれるはずです。
貴下の従順なる下僕 松崎より
執筆者紹介
松崎純一(jMatsuzaki) IT系専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。 ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生の頃からの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。 2015年からはjMatsuzaki名義でバンド活動を開始。 ブログ:jMatsuzaki(http://jmatsuzaki.com/)
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