2018年度新入社員の就労意識調査
新入社員が「会社に望むこと」アンケート 「人間関係が良好」が約6割
2018.06.21
人材教育・研修コンサルティング会社の株式会社ヒップスターゲートは、6月20日、2018年度新入社員の就労意識調査結果を発表した。
「会社に対して望むこと」については約6割が「人間関係が良好」、「上司に対して望むこと」は3割以上が「親しみやすさ」と回答している。会社や上司先輩には親しみやすさや丁寧な指導を求めており、仕事のやりがいよりも本人のメンタルに関わる項目を重視していることが明らかになった。以下、リリースより。
調査概要
【調査名称】2018年度新入社員に関する意識調査
【調査方法】アンケート調査(選択式)
【設問内容】
1.会社に対して望むこと
2.上司に対して望むこと
3.昇格、出世について
4.働き方について
5.給与・賞与の使い方
6.社会人になって期待していること
【対象人数】1672名 ※ヒップスターゲートが提供する新入社員研修の受講者
【調査期間】2018年4月3日~5月15日
調査結果サマリー(2018年度新入社員の傾向)
・会社は、余暇・プライベートを充実させる手段として存在し、個人の生活とは明確に区別されている。
・会社や上司先輩には親しみやすさや丁寧な指導を求めていて、仕事自体のやりがいよりもその優先順位は高い。
・コミュニケーション力が高い一方で、思考の展開や深掘りを避ける傾向が強く、深淵な絆の構築は苦手である。
アンケート調査結果
設問1.「会社に対して望むこと」
1位:人間関係が良好<61.3%>
2位:希望の職種、勤務地(海外を含む)<20.8%>
3位:定期的な昇給・昇格<7.7%>
4位:残業が少ない、あるいは無い<5.0%>
5位:充実した教育、研修体系<3.7%>
6位:その他<1.5%>
会社に対して望むこととして、「人間関係が良好」と回答した新入社員が61.3%と過半数を占めた。「職種・勤務地」「定期昇給」といった実質的な“やりがい”、「就労時間」「教育体系」などの“業務そのもの” に関わる項目を、本人のメンタルにかかわる項目が大きく上回った。
設問2.「上司に対して望むこと」
1位:親しみやすさ<34.9%>
2位:丁寧な指導<23.8%>
3位:公平な評価、平等性<22.5%>
4位:部下の意見やアイデアを尊重<10.3%>
5位:リーダーシップ<7.8%>
6位:その他<0.7%>
「親しみやすさ」34.9%が1位。次いで「丁寧な指導」23.8%、「評価・平等性」22.5%といった結果となり、「意見の尊重」「リーダーシップ」といった主体性や厳しさが求められる項目には回答が集まらなかった。
設問3.「昇格、出世について」
1位:ある程度の出世はしたいが、とくにこだわりはない<51.9%>
2位:部長になり、部門戦略をたてマネジメントしたい<19.1%>
3位:役員・社長になり、企業経営に携わりたい<15.3%>
4位:課長になり、部下を指導・育成したい<10.5%>
5位:出世はしたくない<1.5%>
6位:その他<1.7%>
“出世”について聞く設問。「とくにこだわりはない」が51.9%と過半数。平社員でいたくはないが、出世をして組織に密接に関わっていくことには興味がないといった様子がわかる。現時点での正直な社会人意識の表れであり、組織での仕事を経験しない段階での限界ともいえる。
設問4.「働き方について」
1位:余暇やプライベートも充実させたい<50.3%>
2位:仕事に打ち込みキャリアアップを図りたい<18.8%>
3位:安定した環境でできるだけ長く勤めたい<12.5%>
4位:適性がないと感じたら無理せず、転職も考える<9.6%>
5位:副業、独立に興味関心がある<8.3%>
6位:その他<0.5%>
「余暇やプライベートも充実」が50.3%で約半数の回答となり、仕事への取組み姿勢を聞いた他の選択肢と大きく差が開いた。新入社員にとって、仕事をする意味は、より個人的であり、組織人の意識が醸成された受け入れ側との乖離が予想される。
設問5.「給与・賞与の使い方」
1位:趣味(旅行・レジャー・車・服飾など)<41.7%>
2位:生活費、貯蓄、返済(奨学金など)<41.3%>
3位:交際費<8.3%>
4位:投資、資産運用<4.5%>
5位:自己啓発(資格取得など)<3.8%>
6位:その他<0.4%>
給与・賞与の使い方を聞く設問。1位、2位が「趣味」「生活費」で、それぞれ41.7%、41.3%とほぼ同率。前設問で「余暇やプライベートを充実」と回答した、その内容がこれに当たるといってよい。新入社員が具体的に何を大切にしたいかがわかる。
設問6.「社会人になって期待していること」
1位:自己成長ができる<31.8%>
2位:様々な人との出会い<27.5%>
3位:経済的に自立できる<19.3%>
4位:会社や人の役に立てる<18.5%>
5位:特に期待することはない<1.4%>
5位:その他<1.5%>
1位「自己成長」31.8%、2位「出会い」27.5%、「経済的な自立」19.3%、「社会や他者貢献」18.5%と続く。学生でなくなり、実質的にはじめて大人として扱われることへの“解放感”と“覚悟”が伝わる。
2018年度新入社員の強みと弱み(※講師報告書より集計・分析)
強み
1位 コミュニケーション力があり、協調性に富んでいる<18%>
2位 学習意欲や向上心が強く、改善力がある<13%>
3位 論理的に考え、物事を理解・分析することができる<12%>
3位 主体性・積極性があり、責任感が強い<12%>
5位 素直さ<11%>
6位 挑戦意欲、目標達成意欲が高いため、粘り強く行動できる<9%>
2018年度の新入社員の強みは、コミュニケーション力、協調性、学習意欲、論理的思考、主体性である。学習意欲が高く物事をよく理解するため、受講者は最適を推量する力が高い。よって研修中のチーム活動は円滑に進み、意見の対立が殆ど見られなかった。また、真面目な一面も見られ、目標達成に向けて粘り強く取り組むことができる。
弱み
1位 主体性や当事者意識が低く、積極的に発信ができない<17%>
2位 言動に幼さが残り、緊張感に欠ける<15%>
3位 アサーティブ思考、人間関係構築力が弱い<9%>
3位 思考の深堀りをせず、高みを求める努力をしない<9%>
3位 チャレンジ精神に欠け、貢献意欲に乏しい<9%>
6位 集中力、注意力が弱く、正確性に課題がある<8%>
2018年度の新入社員の弱みは、低い当事者意識、幼さで、アサーティブ思考、思考の深掘りと最上志向と続く。
受講態度は真面目だが、集中力、注意力に欠けるため、単純な共有情報が正しく伝わらない。また、意見を展開させて深掘りすることを避け、表面的な結論・結果で折り合いをつける様子がしばしば見られた。これらを総合的に判断した「弱み」として、主体性・当事者意識や人間関係構築力の低さが挙げられている。
“ブラック企業”といわれる会社の存在が注目され、不名誉にも過労死が“karoshi”として英語圏でそのまま訳されるなど、私たちの働き方は見直しが迫られています。寝る間を惜しんで仕事をした旧時代の価値観は、2018年度の新入社員達には一切通用しません。いつの世の企業経営も、時代とともに変化する価値観との調和が要となります。激動の時代のなかでも「答えのない課題に恐れず挑戦できる人材」を創出するのが、私たちヒップスターゲートの使命と心得ます。最後に、当調査結果が皆様の人材育成の参考になれば幸いです。
株式会社ヒップスターゲート
2010年に代表取締役の渡邉良文が設立した人材教育・研修コンサルティング会社。主力商品である「Do★Do★Do」は、ゲーミフィケーション手法を取り入れた新しい研修メソッドで、「社員研修をもっと真面目に楽しむ」を提唱し、業界の注目を集めている。
名称 :株式会社ヒップスターゲート (英文名称:HIPSTERGATE INC.)
本社 :〒150‐0002東京都渋谷区渋谷2-9-11 インテリックス青山通ビル3F
役員 :代表取締役 渡邉良文
設立 :2010年5月28日
事業内容:
1.企業および官公庁・団体に対する人材教育・研修支援
2.ビジネスゲームのコンテンツ企画・開発
3.研修内製化を促進する教材・ツールの企画・開発
4.営業力強化および組織変革のコンサルティング
5.IT業界における新卒人材紹介
【プレスリリース「2018年度の新入社員は「ワークライフバランス」にコミット。ますます加速する会社と個人の明確な分離。彼らのモチベーションの源にある価値観を探る。」(PR TIMES)より|株式会社ヒップスターゲート・2018年6月20日】
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
名古屋鉄道株式会社
グループ内での公募による副業・異動を促進へ「キャリアチャレンジ制度」を新設
名古屋鉄道は11月13日、グループ内での公募による副業・異動を実現できる「キャリアチャレンジ制度」を新設したと発表した。従業員の自律的なキャリア形成による成長の促進や、適材適所の人...
2024.11.14
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社岡三証券グループ
初任給30万円への引き上げ、雇用上限年齢の撤廃、社内FA制度など人材確保へ向け人事制度を刷新
岡三証券グループおよび中核子会社の岡三証券は10月30日、働き方に対する価値観が多様化するなど人材市場が大きく変容していることを受けて、新たな人事制度を2025年4月に導入すると発...
2024.11.01
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社日立コンサルティング
「配偶者」に関わる記載項目を変更。性的マイノリティに配慮した人事規則へ改定
日立コンサルティング(東京・千代田)は10月29日、多様な人材の活躍支援を目的に、規則に記載されている「配偶者」に関わる記載項目を「配偶者または同性パートナー」とすることなどダイバ...
2024.11.01
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?