元外資系コンサルが教える、人手の足りない会社のためのチーム仕事術
残業ゼロで成果を出すには、過剰品質から最適品質へシフトせよ
2018.06.29
仕事量に対して人手が足りない。育児や介護でフルタイムで働けない。そんな状況でも成果を出していくには、バリューのある仕事に集中できるよう、業務や会議の無駄を徹底的に減らす必要があります。
10年前から「働き方改革」を実践してきた株式会社AND CREATEの清水久三子氏に、残業をせずに最大の成果を上げるチーム仕事術を聞きました。
清水 久三子(しみず・くみこ)氏
株式会社AND CREATE
代表取締役
1998年、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。2013年に独立した後は、執筆・講演を中心に活動している。
業務の棚卸しで、過剰品質を最適品質へ
―外資系コンサル企業で業務効率化に取り組まれていたそうですね。
はい。人材開発部門で働いていたとき、産休と育休を取って復職したのですが、ちょうどリーマンショックで業績が下がったタイミングで、40人くらいいた部下が10人以下に削られてしまったんです。私も子供がいて残業ができないし、他のメンバーもさまざまな事情でフルタイムで働くことができない。それなのに仕事は減っていませんでした。
同じ働き方を続けていたらメンバーが倒れてしまう。今でいう「働き方改革」を本気でやらないと、部門が取り潰されてしまう状況に置かれたんです。そのため、業務の効率化や生産性向上に取り組まざるを得ませんでした。
―残業を減らしたいが、仕事は増えている。この状況を打開するにはどうすればよいのでしょうか?
大前提として、業務量が増えたり人が減ったりした場合、同じ品質で仕事をすべてこなすことはできません。気合いで乗り切ろうという考えではなく、無駄な仕事をどう減らすかを考える必要があります。
初めにやることは、メンバーの業務の棚卸しです。全員に以下の内容を、時間単位ですべて記録してもらいます。
・誰に頼まれたか
・どれくらい時間がかかったか
・どんなアウトプットを出したか
・アウトプットは何に使われたか
ホワイトカラー職種の場合、ストップウォッチを使って時間を正確に記録する必要はありません。自己申告で良いので、自分がどんな仕事をしているのかをすべて報告させます。嫌がる人もいますが、1回やると楽になるので、絶対にやるべきです。私の職場では、年に2~4回、メンバーの業務を棚卸しする機会を設けていました。
棚卸しができたら、全員で業務を確認します。するといろいろなことが分かってくる。お互いに相手の仕事を見るのは初めてなので、「その作業にそんなに時間がかかるの?」「どうやったらそんなに早く終わるの?」という疑問が出てきます。同じ資料を作っていても、ある人は30分で完成しているのに、別の人は3時間かかっていたりするんです。
同じ業務でも、人によって時間に差が出る2つの理由
―どうして同じ業務なのに差が生じるのでしょうか?
原因は2つあります。1つ目は、過剰品質で仕事をしていること。資料作成であれば、アニメーションを付けたり、グラフを使ったり、色を変えてみたり。仕事熱心な人ほど、良かれと思って過剰な仕事をしてしまうんです。社外向けのプレゼン資料ならともかく、社内資料に贅沢な装飾は要りません。過剰品質ではなく最適品質で仕事をするよう、全員でレベルを揃えることが大切です。同じ仕事を30分でやっている人からやり方を教わって、全員が30分で仕事を終えられるようにしましょう。
原因の2つ目は、
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