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特集

HLC定例会「サイバーエージェント曽山哲人氏×クルーズ対馬慶祐氏」


業績を伸ばし続けるためには? ポイントは”変化”に強い組織づくり

2018.06.15

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会員制の人事勉強会コミュニティHLC(主宰:曽山哲人氏)は、2018年5月24日にサイバーエージェントセミナールームで定例会を開催した。この日は、「10年、20年業績が伸び続けた”変化”に強い組織づくりのポイント」をテーマに、クルーズ株式会社取締役最高人事責任者の対馬慶祐氏をゲストに招待。市場の変化をいち早く察知し、業績を伸ばし続ける組織づくりについて曽山氏と対馬氏が議論を交わした。今回はその様子の一部を紹介する。
【写真:定例会で議論を交わした曽山哲人氏(写真左)と対馬氏】

会員制人事コミュニティHLC

サイバーエージェントグループ子会社の株式会社CyCAST(代表:曽山哲人氏)が運営する、経営者・事業部長・人事部長・採用担当者などを対象とした勉強会コミュニティ。主な活動は、月2回、人事業界内外からゲストを招き、曽山氏と対談や参加者との質疑応答などを行う定例会を開催している。会員数は500名を越え、200社以上の人事担当者が参加している(2018年6月15日現在)。

クルーズ株式会社

2001年のモバイルコンテンツ受託開発事業から現在のコマース事業に至るまで、時代の変化に対応するため、創業から5回メイン事業を変えながらも売上を伸ばし続けている。(イベント告知文より https://goo.gl/NxtSNU

目次
  1. そもそも人は変化したくない生き物である
  2. 業績が伸びているうちに次の事業を開始する
  3. トップが動けば現場も変わる
  4. 企業カルチャーは踏み絵である

そもそも人は変化したくない生き物である

対馬氏:
一般的に人は「得をしたい気持ちよりも、損したくない気持ちが強い」という心理学の理論があるそうです。つまり変化を好む人よりも、変化を嫌う人の方が多い。だから日々の企業活動の中で「変化に慣れる仕組み」を取り入れて、変化できる準備を整えておくことが大切だと考えています。

例えば当社では全ての事業を子会社化して各社の代表に権限を委譲し、柔軟に変化させられる仕組みにしたり、「金脈会議」という会議で大きな成果を出すための大胆なプロセスチェンジ案を現場から提案できる機会を作っています。また、約300項目の経営リスクを徹底的に洗い出して排除する役員合宿を半期毎に実施し、いつ大きな変化が起きてもリスク回避できる準備をしています。

仕組化以前に、会社で定めるミッションやビジョンは、やはりあった方がいいと思います。ミッションやビジョンといった大きな目印があると、「私達は最終的にここを目指している」という共通意識が生まれ、例え変化が多くても振り回されている感が減り「目先の小さな話し」として受け入れやすくなる、という傾向があります。クルーズ株式会社の対馬氏⓵曽山氏:
なるほど。サイバーエージェントでも、変化に強い組織をつくるポイントが3つあります。

まずは変化の習慣をつけること。変化をすることをルーティーンにしてマインドを作っていくんです。次に、経営の率先垂範。大きな構造改革こそ、経営陣に率先垂範をお願いしています。最後に、セカンドチャンスの事例。失敗者がどれだけ生き残っているかですね。失敗した後にセカンドチャンスをもらって復活した人がいればいるほど、新しい事業に手を挙げる人も増えます。株式会社CyCAST代表の曽山哲人氏⓵

業績が伸びているうちに次の事業を開始する

対馬氏:
それはいいやり方ですね。当社でも業績が伸びているうちに、経営の率先垂範で次の新規事業(チーム)を少人数で開始し、柱となる事業を複数持つようにしています。そして撤退ラインを予め握ったうえで新規事業にチャレンジし、ダメだった場合は即撤退して、経営資源を最大化することで変化してきました。

また、新卒中途限らず、カルチャーマッチしている社員は変化に強い。特に新卒社員はビジョンやカルチャーの浸透度が早く、変化にも柔軟に対応できるケースが多いので、中途採用だけでなく、新卒採用も全社員の10%を目安に採用するようにしています。新卒採用はコストを覚悟のうえで、ある程度のボリュームを取らないと新卒のバリューが発揮されないと思います。

曽山氏:
サイバーエージェントでも毎年100人くらい新卒を採用しているんですが、毎年継続して採用し続けることで企業のカルチャーが地層のように根付いていくんですよ。入社前のフォローも行っていて、月1回は内定者勉強会を開催します。事業部長や役員が講師を務めているんですが、非常に評判が良いですね。新卒の教育はどのように行っていますか?

対馬氏:
入社前の内定段階から既存社員がメンターとして内定者をフォローし、チャットを通じたライトなコミュニケーションを週次で継続的にとりながら、月1回程度集合研修などを行っています。入社後はいきなり本配属ではなく、半年間は複数部署を経験し、業務の内容を変えるなどローテーション配属を行って環境変化に慣れてもらい、半年後に本配属としています。

トップが動けば現場も変わる

株式会社CyCAST代表の曽山哲人氏②

曽山氏:
環境変化に適応できる組織にするためには、経営陣が全社員に語りかけることも重要ですよね。「このままだとこんなピンチに陥ってしまうから、こう変える」と説明すれば、現場の社員も変化が必要だと認識できる。

対馬氏:
当社でも、半期に一度全社員が集まる全体会議の場でトップの言葉を届け、全員でビジョンを共有しています。仰ったとおり、変化を受け入れる組織にするためには「こんな明るい未来が待っているよ」という楽観的な話しだけをするのではなく、「このままだとこんなマイナスの未来が訪れてしまう」というネガティブな面も包み隠さずストレートに伝えるべきだと思います。

曽山氏:
異動などによって社員が減った部署のメンテナンスも大事で、しわ寄せがいかないように仕事の量を減らすべき。当社でも過去、営業部門の人材を大量に部署異動させたときは、お取引先に仕事をお断りしなければならず、その時は決して現場の社員にやらせず、営業のトップがお客様に出向いてご説明しました。

また、面談などで社員ひとりひとりと向き合って、気持ちの変化がないかしっかりチェック。その結果、残った社員がやる気を出して、人数が減ったにもかかわらず売り上げ利益がグンと伸びたんです。その後、結局、一気に採用数を増やしたという大成功事例になりました。

企業カルチャーは踏み絵である

株式会社CyCAST代表の曽山哲人氏③とクルーズ株式会社の対馬氏②

対馬氏:
それはすごいですね。当社でも、大きな事業転換等をする際に、退職者が出ないよう最大限努力しますが、それでも一定数の社員が辞めてしまうような大きな変化の際には、過去に、いわゆる「修羅場」を経験している社員が残る割合が高いかもしれません。

曽山氏:
やっぱりカルチャーにマッチしているからでしょうか。御社は強いカルチャーを大事にしていますよね。

対馬氏:
そうですね。当社に限らず、強いカルチャーはある意味“踏み絵”になり得ると思います。誰にでもいい会社ではないけど、刺さる人には刺さる。採用面接の段階でスキルマッチだけでなく、「AとBあなたはどちらのカルチャーに共感しますか?」という具体的な設問を出してカルチャーマッチも確認すると、ミスマッチが防げますし、当社を含め、その会社のカルチャーやビジョンにマッチしている社員は変化にも強いと思います。

【編集部より】

  • HLC定例会に関する記事の一覧はこちら
  • 「日本の人事を強くする」ことを目的とした会員制の人事コミュニティ「HLC」公式Webはこちら

執筆者紹介

萩原かおり(はぎわら・かおり) フリーランスのライター・編集者。美容と心理が専門で、婚活パーティーの取材人数は200人を超える。三度の飯と執筆が同じくらい好き。求人・化粧品・社史制作を経て独立。現在は執筆業を中心に、取材記事から広告・LP・メルマガ作成まで幅広く活動中。休日はエステとジムに通い詰める美容オタク。 https://note.mu/hagitaro1010

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