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コラム

林修三先生のなるほど人事講座


内定辞退を防止するために、最終面接で実施したい3つの小技

2018.06.21

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目次
  1. 1.学生来訪時は、名乗られる前にこちらから名前を呼び掛ける
  2. 2.学生が自社で働いている状況をイメージするような質問をする
  3. 3.内定通知を出す際に、評価理由を細かに伝える

6月1日が過ぎました。といっても、某就職情報会社の調査では、5月末時点での内定率が60%超という状況で、もはや6月1日内定解禁というものが完全に形骸化していることが、誰の目にも明らかになっています。

ただ、形骸化がどうあろうと、現実問題として採用担当の方々は人員の確保が至上命題なわけでして、内定者の確保やその後の内定辞退防止に頭を悩ませていることと思います。

そこで今回は、特に最終面接に的を絞り、内定辞退を抑えていくための小技を3つご紹介してまいります。

1.学生来訪時は、名乗られる前にこちらから名前を呼び掛ける

最終面接を受けるために学生が自社に来訪した際は、受付で大学名・氏名を名乗ってもらい、採用担当に取り次ぐというのが一般的なケースだと思われます。この際、採用担当者が受付場所で待機し、学生が名乗る前に自分から「○○くん(さん)、こんにちは!」とあいさつするようにしてみてください

昨今の学生気質として、「その他大勢の一人として十把一絡げに扱われることを嫌う」というものがあります。逆に言えば、その良し悪しは別として、「応募者のうちの一人」ではなく「○○くん(さん)」として対応されることを好むというものでもあります。だからこそ来社時に、多数の応募者のうちの一人(名乗られるまで固有名詞がわからない)として扱うのではなく、こちらから名前を呼び掛ける(明確に固有名詞として把握していることを示す)ことで、その学生の心を少しでも引き寄せることが可能になります。

ただし、これを実行するためには、採用担当者の頭の中で応募学生の顔と名前が一致していなければいけません。事前に履歴書等をよく確認し、顔と名前が一致するようにしましょう。また、受付場所で待ち構えるためには、その後の段取りについて準備を万端に整えておく必要があります。事前の努力が重要なカギです。

ちなみに筆者が採用担当をしていた際は、説明会の時点で参加者の顔を覚え、一次選考の段階から名前で呼びかけるようにしていました。大企業では難しいことかもしれませんが、逆に中小企業であればこそできる小技になります。

2.学生が自社で働いている状況をイメージするような質問をする

例えばですが、「もしあなたが仕事上で○○○な状況になった場合、どういう対応を取ろうと思いますか?すでに弊社の○○職として働いている状態であると仮定して教えてください。」というような質問を面接中に挟んでみてください。

これは2つの生理・心理の特性を応用させた問いかけです。1つは、「人間の脳は現実と想像とを明確には区別できない」というもの。もう1つは「人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫性を保っていこうとする=「一貫性の法則」というものです。この2つを組み合わせ、「自社社員として行動している状況をリアルに想像させることで、自社で働くことへのベクトル強化につなげる」という効果を狙います。

ポイントは、“自社社員として行動する状況をリアルに想像させる”という部分です。「こういう状態になったらどうする?」という一般論的な質問では自社社員としての行動するという想像がなされにくいため、設定する状況をなるべく自社ならではの具体的なものにできれば、より効果が増すでしょう。

3.内定通知を出す際に、評価理由を細かに伝える

最終面接を経て首尾良く内定を出すに至った学生に対して、内定通知を送るだけで終わらせていませんか?後々の内定辞退を抑えていくためには、内定を伝える際にも一工夫が必要です。ぜひ行って頂きたいのは、「『内定』を出した理由を丁寧に伝える」ということです。

昨今の学生気質の一つに、「良きにつけ悪しきにつけ、根拠を求める」というものがあります。内定を出してもらえるというのは彼らにとってはもちろん嬉しいことですが、「なぜこの会社は自分に内定を出したのか?」がわからないままに内定という結果だけを伝えられても、イマイチ腑に落ちない気持ちになってしまいます。特に人手不足という採用環境を踏まえると、「単に頭数を揃えるために内定を出した」と誤解されることも十分あり得る状況です。

そうならないよう、最終面接で、あるいはそれまでの全選考過程を通じ、どういう点をプラス評価(マイナス評価)し、どういう判断・期待のもとに内定を出したのか?という評価の内訳と合わせて内定の連絡をしてあげてみてください。これにより、彼らの中で自社を選ぶ理由が一つ増えることになり、内定辞退を防いでいく効果が出ることになります。

ちなみにこの対応は、先に述べた「その他大勢の一人として十把一絡げに扱われることを嫌う」という気質に対応する意味合いも含まれます。テンプレートに沿った内定連絡ではなく、自分という固有名詞に対する連絡をしてくれたという感覚が、自社へのモチベーションアップに繋がります

小技を組み合わせて、わずかでも内定辞退確率を下げる

本来内定辞退を防ぐには自社の事業や職務、待遇など、会社そのものの魅力を高めることが第一ですが、時期が時期でもありますので、今回は「小技」をご紹介しました。

一つ一つの小技には、内定辞退確率をほんのわずかだけ下げる効果しか見込めないというのが正直なところですが、それらを複数組み合わせて使うことで、少しでもみなさまの採用活動にプラスの効果が出れば幸いです。

執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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