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SmartHR・ChatWork・Fringe81合同セミナーレポート


急成長中・上場前後の企業3社が語る「成長する企業の組織づくり」

2018.06.07

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急成長を続ける企業・上場前後の企業では、成長スピードや社員のモチベーションを維持するために、組織作りの仕組みが重要になってきます。

今回のセミナーでは、急成長期を迎えるSmartHR、上場を目指しているChatWork、上場を果たしたFringe81の3社が合同で、企業成長に向けた組織の運営方法について語りました。

「情報の共通化」と「価値観の明文化」で社員の自律性を促す(株式会社SmartHR)

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初めに、株式会社SmartHRのCFO・玉木諒さんが登壇。

SmartHRは毎月1,000社以上の勢いで登録企業が増え、2018年2月には導入社数が累計1万社を超えるなど、急成長を遂げています。玉木氏は「急成長の裏側にある、組織運営の仕組み」について明かしました。

同社では、仮に100個の経営課題があった場合、「経営層やCEOが1人で100個の課題を解く」のではなく、「社員50人が2個ずつ解く」という経営を目指しているそうです。玉木氏は、この組織運営を実行していく上で、大切なポイントが2つあると言います。

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1.「情報の共通化」
経営層・それ以外のメンバーで分け隔てなく、全員が持っている情報を同じレベルに引き上げる。良いことも悪いことも含めて公開する。これにより、認識のずれや反発を生むことなく、各人の意思決定の内容が揃っていく。また、情報共有と共に、各メンバーが持っているノウハウ共有も行っている。

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2.「価値観の明文化」
社員の価値観を明文化することを重視。価値観の明文化にあたっては、日常的な使いやすさを大事にしており、接する機会を増やす形で取り組んでいる。また、人事評価を年2回行い、価値観が体現できているかどうかや「自分が何をしたら会社に評価されるか」に気づかせる仕組みを取り入れている。

情報共有を徹底するため、同社にある3つの会議室には原則「扉は開けておく」というルールがあるとのこと。玉木氏は「この2つ(情報の共通化と価値観の明文化)が揃うことで、社員は自律的に専門性を活かして動いてくれ、会社としてより良い意思決定に導いてくれる。その結果、経営課題を早めに発見して、対処するスピードが保たれているのかなと思います」と語りました。

「ビジョンの明文化」と「文化を支える制度」で意思統一を図る(ChatWork株式会社)

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続いて、ChatWork株式会社CFOの井上直樹さんが登壇。

同社が提供するビジネスチャットは、2018年3月の段階で約17万社で導入されており、国内外で利用されています。井上氏は、「ビジョンの明文化」「文化を支える制度」という2つのアジェンダから、「組織拡大の中で、いかに経営陣と現場の意思統一を図るか」について講演しました。

井上氏は、ビジョンを社員の心に届けるためには、経営陣がビジョンを明確化し、ビジョンに沿った社内の文化を支えていくことが大切だと言います。具体的には、同社のコアバリュー「自然体(ストレスフリー)で成果を出す」というバリューを実現するため、年に3回10連休を取ることができる「長期休暇制度」や、1カ月の在宅勤務を認める「出産立ち合い制度」などを用意。充実した福利厚生制度によって、文化を支えるというメッセージを出しています。

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また、井上氏は、経営陣や現場の双方とのコミュニケーションが増えることで、相互関係が進むことを指摘。チャットの大きなメリットは「メールなどに比べ、気軽なコミュニケーションが可能」であることで、「常務取締役の『差し入れ置いとくので食べてください』というコメントに、入社社員の社員が『ありがとうございます!』といった気軽な会話ができることが、とても良いところだと思います」と語りました。

ChatWorkが設立した働き方経営研究所では、「何を変えるためにツールを導入するのか、という順番で物事を考え事を進めること」を重視しているそうです。

上場成功の鍵は「管理部と現場の一体化」(Fringe81株式会社)

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続いて、Fringe81で代表取締役CEOを務める、田中弦さんが登壇。

上場の前後では、勤怠管理をはじめさまざまな注意が必要となってきます。今回の講演では、2017年6月に上場を果たした経験を踏まえ、「上場準備をする上で大切なこと」を語りました。

田中氏は自身の経験から、上場準備で勤怠管理が厳しくなると「自由な雰囲気を求めてベンチャー企業に来たのに……」と不満の声が上がることを紹介。締切までに勤怠を社員に提出させるために重要なのは、「心理的安全性」だと指摘しました。

心理的安全性が保たれている状態とは、他の社員の反応に怯えたり恥ずかしさを感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気を指します。田中氏は、社内に4つのチームを作り、チーム内のメンバーが全員締切までに勤怠届を提出すると、報酬がある(CFOと美味しいディナーを食べる)仕組みを作りました。チームは組織を横断したメンバーで組まれ、毎月シャッフルされるため「連続で負けて恥ずかしい」といった感覚はない状態に。コミュニケーションも自然に発生し、社員が自主的に締切を守る努力をした結果、6カ月連続で締切までに100%勤怠届が提出されているそうです。

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上場前後で気をつけるべき点は「『上場のために』をNGワードにし上場が目的化しないようにすること」と「社内の協力にみんなの前で惜しみない感謝を送ること」だと言います。これらを実践しないと、組織文化が壊れ、会社全体が崩れる要因となります。田中氏は「上場審査機関では管理部と現場が一体化し、双方でコミュニケーションを取り合うことが上場成功の鍵となる」と語りました。

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パネルディスカッション

最後に、今回登壇した講演者と参加者で「急成長中の企業がすべきこと」について、理解を更に深め合いました。

組織が拡大していくことに伴い、部門間の連携や業務効率化は、今まで以上に必要不可欠となってきます。この部分を怠ると、社員のモチベーションや急成長を維持することができず、組織の崩壊につながります。したがって、急成長を続ける企業が成長し続けるためには、従来の制度を見直し、会社が一体となっていく必要があります。そのために、制度の面からも、雰囲気の面からも、社内を改善していくことが大切になってくる、ということが語られました。

今回のSmartHR、ChatWork、Fringe81の3社の講演・パネルディスカッションを通して、それぞれ独自の制度をとりいれることで急成長に欠かせない組織マネジメントと向き合っていることが分かりました。

イベントData

セミナー名:上場前後、組織の成長の勢いを止めないためにやっておきたい3つのこと
日時:2018年3月13日(火)
会場:Fringe81株式会社Zero
住所:〒東京都港区六本木六本木ヒルズ森タワー8F
主催:Fringe81株式会社、株式会社SmartHR、ChatWork株式会社

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執筆者紹介

桑山裕佳(くわやま・ゆうか) ライター。北欧における福祉・税制度などの領域に関心を持つ。津田塾大学学芸学部国際関係学科に在籍。

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