コラム

社員に選ばれる会社の人事制度・人材開発


社員の健康と社内環境向上をサポートする、食事に関する4つの制度

2018.05.15

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「食事」をテーマにした4つの福利厚生制度を紹介

朝から夕方まで勤務する場合、必ず必要になるのが昼食の時間です。普段はあまり意識することが少ないかもしれませんが、午後も仕事をはかどらせるためには、昼食はとても重要な要素です。

近年、企業のWebサイトや勤務している方からの話をうかがっていると、費用的な面だけではなく、さまざまな形で社員の昼食などをサポートする手法が増えています。今回は、昼食を中心とした食に関する制度についてどのようなものがあるのかを実例を通してご紹介します。

社食

企業が社員の昼食に対して何らかのサポートをする場合、最も典型的なものが社食を事業所内に設けることでしょう。メニューが数種類用意されていてそこから選ぶケース、レストランのようにオーダーしてから提供するする形態や、複数店舗が同じフロアに入っていて好きなものを購入できるフードコート形式など、企業規模やニーズに応じたものがあります。たいていは、社食運営を外部会社に委託し、メニューに対する単価は通常よりも安くなっている、つまり会社がその分を負担しているケースが多いです。

社食で発生した費用は、現金や専用のプリペイドカードで精算することが主流でしたが、給与引き落としやPASMOなどのICカードによる支払によるキャッシュレスでの対応も増えています。また、ヤフー株式会社や農林水産省のような一部企業や官公庁では、社員以外の一般にも開放されていることもあります。

事業所周辺に店が少ない場合に社食を設置するケースもあります。私が以前勤務していた事業会社では、支社事業所がまさにそういう環境だったために、事業所設立時に社食がつくられました。そこでは通常のメニューのほかに、対象となる定食を購入すると1食につき開発途上国に1食がおくられる「table for two」プログラムが導入されており、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の役割も果たしていました。

シャッフルランチ

lunch0510mm

IT系スタートアップ企業で導入していることが多いのが、シャッフルランチです。これは、日常業務で接点がない社員どうしでグループをつくって外で昼食をとりに行き、その費用の全部(あるいは一部)を会社が負担する制度です。会社の規模が大きくなってくると、「顔は見たことがあるけど、どんな人なのか知らない」「チームが違うから話したことがない」といったケースが増えてきます。オフタイムに食事をしながらコミュニケーションをとることで、今後の業務においての連携もとりやすくなり、社員同士の結びつきの強い組織になるという、企業側の期待のこもった制度です。

昼食ではなく、金曜日の夕方にビールなどのアルコールを飲みながら社内で小規模なパーティーをする、というのも同じ主旨と言えます。以前、企業内のコミュニケーションについて3つの分類をご紹介しました。シャッフルランチは横のコミュニケーション(部門内外の同僚間)だけではなく、縦のコミュニケーション(経営層と社員間)も強化しつつ、最終的には面のコミュニケーション(部門を超えた組織/全社レベル)にもつながるものでしょう。

バウチャー

社員数はそれほど多くないうえ、外で勤務している社員が多いので、社内の設備を充実させたとしても使用頻度が少ないという環境の企業もあると思います。そういった企業の場合、全国のいろいろな店で使用できるバウチャー(食事補助券)を社員に配布することがあります。以下の条件をみたすと、福利厚生費に計上できるという経理上のメリットもあります。

  • 利用目的を食事に限定している
  • 上記の証明ができる
  • 食事費の最大半額を補助する(=半額以上は社員が負担する)

こういったサービスは、例えば株式会社エデンレッドジャパン の「チケットレストラン」などが該当します。使用できる店にレストラン以外にもコンビニエンスストアも含まれており、また、利用できる店が導入企業のリクエストも考慮して少しずつ増えているので、実用性・利用頻度が高い福利厚生制度となるケースが多いようです。

食生活支援

写真:オフィスおかんの使用例

写真:サービス「オフィスおかん」の使用例

上記3つは、昼食をメインとした食事そのものに対するサポートですが、「食生活支援」という形式をとっている制度もあります。「OFFICE DE YASAI」「オフィスおかん」のように、オフィスに配達された一品料理・サラダ・フルーツなどを自由に選んで食べることができるものです。これは、社食を設置するほどの費用・スペースが無い、あるいは、社員数がそれほど多くないというケースや、利用できる時間帯を昼だけに限定せずに社員が好きな時に食べられるようにするといった場合に適しているでしょう。

食事そのもののサポートを目的としている一方、健康経営の一助となるように想定している企業も多いようです。また、こういったツールをフリースペースに置いておき、そこで食べられるようなテーブルなどを置いておくことで、社員が自然と集まり社内のコミュニケーションが生まれることを想定しています。

毎日の食事で、社員の健康やコミュニケーションをサポートする

食事をテーマにした福利厚生制度は、企業の規模・ロケーション・環境によってさまざまな選択肢があります。こういったものを一つ、場合によっては複数を組み合わせて導入し、健康や社内コミュニケーションの側面からサポートすることで、業務上の成果が発揮しやすくなる環境づくりに役立ててみるのはいかがでしょうか。

執筆者紹介

永見昌彦(ながみ・まさひこ) アルドーニ株式会社代表取締役。外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

あわせて読みたい

あわせて読みたい


資料請求リストに追加しました