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インターンシップ最前線!


【前編】17卒採用では企業の3社に1社がインターンシップ実施へ

2015.11.25

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16年卒採用が終盤に差し掛かり、徐々に企業は17年卒採用に向けた活動へとシフトしている。就職・採用活動期間の長期化を懸念する声もある中、目標を絞った「短期決戦」を意識した学生や企業が注目しているのがインターンシップ制度だ。本稿ではその最前線を追った。

インターンシップを「選考の一環」とする企業が増加

マイナビの「2016年卒のインターンシップ実施状況」によると、16 年卒採用では従業員数1千人規模の企業で54.2%の企業がインターンを実施(グラフ1参照)。体験型リーダーシップの受け入れ企業についても、15年卒と16年卒を比較すると、上場企業・非上場企業問わず増加しているのがわかる(グラフ2参照)。主要情報就職サイトであるマイナビ・リクナビ・キャリタスナビ(旧日経ナビ)3社のインターンシップ情報掲載社数は、16年卒で3021社、17年卒では4665社と1.5倍以上の増加だ(※1)。

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では、実態としてインターンシップは企業・学生にとってどのような位置づけなのか。1997年に文部省(当時)などが発表したガイドラインで、インターンシップは「あくまでも就業体験の提供であり、就職・採用活動は行ってはならない」と基本方針を定めている。以後2014年に方針の見直しがされたものの、「積極的に大学の単位認定にする」などの項目が追加されてはいるが、その基本方針は変わっていない。

そうは言っても、それなりのコストと時間をかけて行うからには、採用活動に何かしら結び付けたいのが人事の本音だ。実際に16年採用に関するアイデムの調査(※2)では、インターンを「選考の一環」とすると答えた企業は前年比8.8ポイント上昇の42.5%に上昇している。

「面接だけでは相手がよく分からない」というのは、企業も学生も同じである。マイナビの調査によると、16年卒の学生が就職活動におけるインターンシップの重要度を「かなり高くなった」「やや高くなった」とした回答の合計が約70%に達している。実際に参加した学生の数も前年に対して、約2倍近くにまで増えている(グラフ3、4参照)。17年卒も同様の傾向が出ると見て、まず間違いないだろう。

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(※1)マイナビ提供
(※2)アイデム「2016年度新卒採用に関する企業調査(2015年6月状況)」(2015年7月29日発表)

インターンシッププログラムに、絶対必要な2つの要素とは?

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マイナビHRリサーチ部 栗田卓也氏

17年卒の夏季インターンシップはすでに終了しているが、秋冬季に実施を予定している企業も多い。中には、「とりあえず導入しなければ」とプログラムの内容は見様見真似で実施しているケースもあるようだ。

具体的に、どのようなプログラムを実施するのが効果的なのだろうか。インターンシップのプログラム導入サポートを行うマイナビHRリサーチ部の栗田卓也氏によると、「1.職業体験をさせること」「2.若手社員との交流をさせること」の2点は必要な最低条件だという。

「インターンシッププログラムの中で、最もNGなのは、ただの会社説明会になってしまうことです」と栗田氏は指摘する。学生は何かしら〝リアルな〞職業体験を求めて参加するため、一方的な説明のみに終始すると、かえって企業の印象を悪くしかねないという。

2016年卒マイナビ学生就職モニター調査のアンケートによれば、インターンシップ参加後の企業への印象が「良い方に変化し、その企業で働きたい」とする回答が最も多かったプログラムは、「若手社員との交流会」が64.4%、続いて「実際の仕事のシミュレーション体験」が62.4%となっている(グラフ5参照)。

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一方で、「仕事のシミュレーション体験」よりも「実際の現場での仕事体験」の方が、プラスへの印象変化が少なく、「その企業で働きたくない」割合も増えている。わずかな差ではあるが「業務のシミュレーション体験は面白くても、実際に働いてみると嫌になっている学生が一定数いる」ということだ。

「実際にリアルな就業体験を行い、事前に良い面も悪い面もすべて納得した上で、将来のエントリーにつながるのなら、この数値差はそれほど気にしなくて良いと思います」と栗田氏は話す。入社後に「こんなはずではなかった」と早期離職につながるのなら、早めに実態を見せておく方がよい。”リアリスティック・ジョブ・プレビュー”(本当の仕事情報を開示する)の考えだ。

「実際にリアルな就業体験をさせる場合には、特にフィードバックを行うことが重要です。学生の仕事ぶりに対して、良かったポイント、改善が必要なポイント、仕事そのものの意義などを都度フィードバックすることにより、学生はよりその企業で働くイメージを身に付けることができます」(栗田氏)。

働かせるだけ働かせて何のフィードバックもないと、学生からは「ブラックインターン」(アルバイトのような仕事をインターンと偽り無給、もしくは低賃金で働かせること)と言われてしまう危険性もあるほど。あらぬ噂を立てられないように、プログラムの目的と意義をしっかり再考し、実際の業務に従事させるときは、最低賃金以上の給料を支払うことも検討する必要がある。

本番の採用活動以上に、シビアな人気差

インターンシップでは、本番の採用活動以上に人気企業への応募が集中する。学生にとってよほどの参加するメリットがなければ、知名度の低い会社には応募が来ないと考えていい。「若手社員との交流」や「業務のシミュレーション体験」は、あくまでも必要条件であり、学生が参加するための十分条件ではないのだ。

「それでもインターンシップの時期は、学生もフラットな目線でさまざまな業界・企業研究をしたいと考えています。知名度がそれほどない企業のインターンシップでも、例えば『〇〇業界のすべてが分かる』など、学生から見ても参加するメリットが感じられれば、参加者を集めることができるでしょう」(栗田氏)

業界研究を深めるために、例えば鉄鋼専門商社であれば、業界の成り立ち、取引金額規模、自動車産業など他業界への貢献、世界的な流通経路など、自社の業務内容に限らず、業界理解を深めるようなプログラム内容は人気が高いという。学生に伝えたい(学生が知りたい)情報は基本的に会社説明会などを通じて伝えるものと大差はなくてよい。

しかし、インターンシップでは、それを一方的な説明会形式で実施するのはNG。ロールプレイングやゲーム形式などを交えて、できるだけ学生を主体的に参加させよう。若手社員を交えたグループワークで、業界問題について意見を言い合うような形式も学生からの人気は高い。

執筆者紹介

玉寄麻衣(たまよせ・まい) 1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。その後フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。

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