最新人事用語解説
新時代の評価制度「ノーレイティング」のメリットとデメリット
2018.04.16

企業の人事評価における「ノーレイティング」という考え方が注目を集めている。もともとは欧米企業で生まれた制度だが、近年は日本マイクロソフトやP&G Japan、アドビシステムズなど、国内の企業でも導入が進んでいる。ノーレイティングが生まれた背景と、メリット・デメリットを解説する。
ノーレイティングとは?
ノーレイティングとは、人事評価における従業員のランク付けを廃止することである。これまでは多くの企業が、「S、A、B…」などの記号や数字を用いたランク評価を行ってきた。目標管理制度(MBO)と合わせて導入されることが多く、「年度初めに目標を設定→中間評価で調整→年度末に年次評価を決定」という流れで査定が行われてきた。こうしたランクによる評価を廃止しようというのが、ノーレイティングの発想だ。
ただし、企業の人事評価そのものをやめてしまうわけではない。ノーレイティングの基礎となるのは、「頻繁なフィードバックと対話を通して、リアルタイムに仕事を評価し、互いに納得したうえで社員を評価する」という考え方だ。
この発想を実現するには、従来の評価への取り組みを大きく変える必要がある。上司は頻繁に部下とミーティングを行い、フィードバックを与えていかなければならない。
ノーレイティングが生まれた背景
なぜこのような考え方が登場したのか。主な要因は2点挙げられる。
要因1:ビジネス環境の変化の加速
グローバル化やテクノロジーの発展は、ビジネス環境を大きく変化させている。こうした動きにリアルタイムに対応しなければならない環境では、年次目標を設定する制度は使い勝手が悪い。過去の成果を振り返って「あの時はこうすべきだった」というアドバイスを待つのではなく、「今どうするべきか」「これからどうしたらよいか」といった現状・未来志向のフィードバックを受け取ることで、社員はビジネスをより加速させることができる。
要因2:人手不足
少子高齢化の進む社会では、優秀な人材の確保・育成が難しい。1対1の話し合いを通し、個人と丁寧に向き合う姿勢が、企業にとって戦力となる人材の育成につながると考えられている。
ノーレイティングのメリット
ノーレイティングの考え方で評価を行うことには、さまざまなメリットがある。先にも述べたように、ノーレイティングは、ビジネス環境の変化への迅速な対応を可能にする。また、人材の確保や育成を促す側面も持っている。
ノーレイティングの最大のメリットは、社員のモチベーションを高めやすいことだ。多くの企業で行われる相対評価は、上位層と下位層を除いた中間層にとっては、むしろモチベーションの低下につながりやすい。「評価に傷がつかないようにしよう」という消極的な姿勢が、前向きな発想を押しとどめてしまうこともある。納得のいかない評価への諦めは、仕事への意欲を削ぐことにつながりかねない。
ノーレイティングを導入すれば、上司と部下が、お互いに納得して評価を決めることができる。話し合ったうえでの評価は、その内容をモチベーションにつなげやすい。競争的な考え方をやめ、協働的な考え方に改めることが大切だ。
ノーレイティングのデメリット
一方、ノーレイティングにはデメリットもある。それぞれの社員とのミーティングを定期的に行う必要があるため、管理職の負担は大きく増える。管理職にマネジメント能力がない場合、むしろ部下からの信頼が失われるケースもある。従業員の昇給や昇格について、管理職が公平に判断を下せるような制度を設計しなければならない。
ノーレイティングの導入にあたっては、上司と部下の信頼関係がもっとも重要になる。管理職に負担が偏らないよう、人事部が丁寧なサポートを行うべきだろう。
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