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特集

面白法人カヤック・人事評価制度インタビュー vol.1


カヤック「社外」人事が考える、クリエイターと評価の関係

2018.03.22

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人事・総務領域の課題の中で、特に担当者が頭を悩ませるのが「人事評価制度」です。採用などの分野に比べ、人事評価の成功事例というのは公開されづらく、何を参考にすればよいのか難しい分野でもあります。 そこで今回、編集部では、クリエイティブ分野で活躍する面白法人カヤックの人事担当者に「人事評価」をテーマにインタビューにお答えいただきました。

面白法人カヤックの人事は、特に評価が難しいクリエイティブ分野において、「人材評価」と「モチベーション管理」をどうとらえているのか? 同社人事のみよしこういち氏と、同社「社外」人事の神谷俊氏にお話を伺いました。

みよしこういち氏

カヤック人事のみよしこういち氏みよしこういち/面白法人カヤック/Member

筑波大学大学院・数理物質科学研究科を修了後、就職せずボードゲームを作って生計を立てる。シナリオライターの学校やよしもとの学校を卒業後、面白法人カヤックの人事部に参加。 これまでに、バスで日本各地をまわる「旅する会社説明会」や検索ワードだけで応募できる「エゴサーチ採用」、ゲームの上手さで内定を出す「いちゲー採用」などの企画を手がける。

 

神谷俊(かみや・しゅん)氏

カヤック「社外」人事の神谷俊氏①神谷俊/面白法人カヤック/Member

経営学修士。面白法人カヤックの組織文化を俯瞰するため、「社外」から同社の人事業務に関わる特命人事。面白法人のタレントたちのキャラ特性や、面白さが生み出されるプロセスへ注目しながら、面白法人という生態系の維持発展に貢献している。また、その一方で多様な組織に在籍し、独自のキャリアを展開。株式会社エスノグラファー代表取締役、株式会社ビジネスリサーチラボ(採用学研究所)研究員など複数職を兼務。脱専門家をポリシーに据え、幅広い領域を無節操に越境する日々。

目次
  1. 人事評価が持っている2つの側面
  2. クリエイターの評価は「意識させないもの」であるべき
  3. 働き方改革の中で「仕事の個人化」が進んでいる
  4. 社内のハイパフォーマーが共通して持っているモノ
  5. 嫌なことには立ち向わない

人事評価が持っている2つの側面

──面白法人カヤックでは、クリエイティブな分野、特にデザイン、企画などの制作を評価するということについてどういった考えをお持ちでしょうか?

神谷氏:
まず、「評価自体がなぜ行われるのか」というところを整理しましょうか。社員を評価するということには、「従業員を高める」というパフォーマンス促進の側面と「従業員を把握・管理する」という側面があると思うんですよね。

「高める」という観点は、社内で社会的に評価したり、金銭的報酬を提供することによって、その人の行動を強化させていくという考え方ですよね。組織の期待する方向に頑張ってもらうために評価・報酬がある。

「把握・管理する」は、いわゆる人事管理ですね。パフォーマンス管理やタレントマネジメントのような内部労働市場の把握・改善につながる機能です。

今回のテーマは評価とモチベーションということですから、この前者の「高める」という観点において、クリエイターをどのように評価し、どのように高めていくべきかという眼差しでお話します。

社内で評価し、金銭的な報酬と結びつけることで従業員を高めるという考え方が「高める」の原則です。しかし、僕は「果たしてこの考え方はクリエイターに通用するのか」という疑問があるんですね。

つまり、「給料を上げたからといってクリエイティビティが引きあがるのか」か、「周りが褒めてくれるから、自らの美意識が研ぎ澄まされていくのか」というと、そこにあまり相関がないと思うんですよ。僕はクリエイターってもっとピュアな存在だと思っています。

クリエイターの評価は「意識させないもの」であるべき

じゃあ、クリエイターにとって「評価」がどういう存在であるべきなのかというと、僕は必要以上に「意識させない」ことが重要だと思うんです。

勿論、一定レベルは意識させないと、プロフェッショナリズムが薄まります。しかし、意識させ過ぎても駄目だと思う。評価というものにとらわれずにクリエイティビティを開放できる、そういう環境や文化を整備するということです。

これは芸術家と似ているなと。僕自身も芸術をかじった過去がありますが、何らかの創造性が自分の中で生まれるときに「条件」というのは「制約」でしかない。

カヤック「社外」人事の神谷俊氏②

「こういう絵を納品してくれたら、10万円あげる」「さらにこういう絵も描いてくれたら50万円あげる」と言われた場合、果たしてどうなのかということですね。

「制約がイノベーションを生む」という考え方もありますけど、制約に「利害」が滲むと良いアイディアは出にくいと思います。

「どうしたら社会が良くなるか?」「どうしたら会社がもうかるか?」そういう広い視野・高い視座の利害ならば創造性は発揮されるのかもしれない。

でも、「何をしたら自分の給料がどれくらい上がるのか?」というような狭い了見で自己評価を意識した瞬間にクリエイターのピュアネスは濁ると思っている。ニンジンぶら下げたら、ニンジンがあるところまでしか馬は走らない。そのうちに走る喜びは忘れていくでしょう。

人間は弱いから、弱さを刺激するようなことはしないほうがいいかなと。だから、僕はクリエイターについては評価の存在感をなるべく薄くすることが重要なのだと思います。

働き方改革の中で「仕事の個人化」が進んでいる

神谷氏:
もう1つ、クリエイターに対する評価で特に最近重要だなと思うところは、評価に関わることで組織全体を意識させることですね。評価結果や評価そのものを意識させるんじゃなくて、その先にある組織を意識させる。

先ほど、プロフェッショナリズムというキーワードを言いましたが、1人のプロフェッショナルとして組織に貢献する存在であることを意識してもらうことが重要かなと。

クリエイターに限らず、最近どこの企業も個人化が進んでいると思っています。

「働き方改革」だとか、「ワークライフバランス」だとか、そういった個人の重みを意識させる概念が世の中に出てきて、その中で「仕事の生産性を上げろ」ということが声高に言われています。脇目も振らずに、自らのTODOリストと向き合う。そういう人、増えている気がするんですよね。

そこで「自分の業務」というものが独立し過ぎている。「自分の仕事が終わったら終わり」といった風潮が出てきていて、業績の個人化、業務の個人化、ノウハウの個人化、経験の個人化が進んでいるなと。こうなると個人の生産性は上がっても、組織の生産性は上がらない。

カヤック「社外」人事の神谷俊氏③

個人化が進んでいくと、辞めやすくなったり、他者に対して有益な情報を提供しなくなったりだとか、組織に対してポジティブな行動を取らなくなってしまう。 常に組織という土壌の中で仕事をしていて、組織が今どういう状況になっていて、自分はどういうふうに振舞うと自分の強みをいかんなく発揮することが出来るか、といった、内部の労働市場を意識させることは重要だと思う。

カヤック内に「ぜんいん社長」という言葉がありますけど、このキーワードの重要ところは全員が経営視点に立って仕事をするということですね。

目標管理制度とかMBOみたいなことをやると、自分の目標設定と自分の業務だけで評価が完結しますよね。経営視点で見てみて、周りの人たちと比べて、クリエイターの自分というのはどれだけのパフォーマンスを果たしているんだという感覚ってすごく重要なのかと。

だから、評価をされる・評価をするという行為を通して、顔を上げさせる。自分が仕事をしている土壌全体を見渡し、自分が育てようとしている種の意味を考えさせる。そういうものが重要なんだと思っています。

社内のハイパフォーマーが共通して持っているモノ

──全体として、カヤックのクリエイター陣で高いパフォーマンスを上げる方々は、どのような傾向を持っているのでしょうか?

神谷氏:
カヤックの従業員は9割がクリエイターなのですが、その中でパフォーマンスの高い人たちにどういう傾向があるのか、という調査・分析を社内で大々的に行ったことがあります。

全体傾向としての特徴は、「アイディアを出すことが好き」「新しいことが好き」ということですね。これはカヤック内の従業員全体にも言えることです。

どんどんアイディアを出して、実践して、振り返ってもっと面白いことを見つける、そういう人たちが多いです。

その中でも興味深かったのは、パフォーマンスとジョブインボルブメント(仕事への没頭)が逆相関していたことです。仕事に没頭する傾向が弱いほど、パフォーマンスが高い。一般的なセオリーの真逆の傾向なのですが、そういう傾向が導き出された。戸惑いながら追加調査にて詳しく調べていくと、彼らは自分たちのやっていることをそもそも仕事と捉えていなかったことがわかりました。

みよしさんもそうですが、何かを思いついた時点で誰かに連絡したり、いろんなところにアンテナを張ってアイディアを見つけたりということを日常茶飯事的に行っている。仕事も趣味も関係なく「自分の好きなことをとことんやる」というスタンスが強いんです。

嫌なことには立ち向わない

同時に、ストレスがかかること、嫌なことがあれば、なるべく距離を取ってエネルギーを割かないようにする。一般企業では、嫌なモノや困難な問題に真正面から立ち向かってこそのハイパフォーマーなのでしょうが、ここでは反対なんです。それをするくらいなら、自分の好きなことを高めたり、自分が面白いと思えるやり方で向き合うようにする。

自分の好きなものにエネルギーを割けるように自分を守るというスタンスがパフォーマーの共通傾向にあります。

実際にある社員にインタビューした際に分かったのですが、彼は面白いアプリが出来ないか、といったことを仕事で考えながら、土日もゲームのアプリをプレイしながら「面白いアプリ」について考えていて、そこに線引きは無いんですね。

彼に「土日も仕事のことを考えて疲れませんか」と言うと「いや別に仕事とかしてないですよ、土日やっても非効率なんで」と当たり前のように返答されて、本人も気づかないうちに仕事と生活が同一化している。

ワークライフインテグレーション」という言葉がありますが、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)を対立軸で捉えていない。同次元で有機的につながっているんですよね。

そういう人たちに対して、「何をどこまでやったらどれくらいの評価をする」とかっていう条件付けをしたり、力んで評価システムを作り込んで、それに押し込めようとしても生態系が壊れるだけかなと僕は思っています。まぁ、ゆるくやっていく感じでいいんじゃないでしょうか(笑)。

カヤック「社外」人事の神谷俊氏④ 

【編集部より】
カヤックに「サイコロ給」がある理由に迫った、人事評価インタビューの続きはこちら。

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