特集

育休復帰を考える


育休中だって仕事も気になる。ママ友ランチ会で休職中メンバーの不安解消

2018.03.20

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産休・育休の制度があっても、その実際の活用には課題を抱える企業も少なくない。現在メンバーの全てが女性である「福島インフォメーションリサーチ&マネジメント(福島県いわき市)」では、制度を形骸的なものにしないために、休職中のメンバーも交えて月に一回『ママ友ランチ会』を行い、休職中のメンバーの不安解消や情報共有に役立てている。この取組みによって社内にどのようなメリットが生まれているのか、話を聞いた。

目次
  1. 子ども優先だけど、休職中だって仕事も気になる
  2. メンバー同士が、仕事と家庭の垣根を超えた協力関係に
  3. 制度の活用は意識の変化から

子ども優先だけど、休職中だって仕事も気になる

同社のメンバーとして働く三浦のり子さん(37)は、現在2歳の男の子を子育て中のお母さん。以前の職場で育休制度を活用した。

一旦休職してしまうと、その間会社がどういう状況なのか気になっても、働いている人たちにこちらからお声がけしづら部分がありました。忙しい時に電話してもいけないとか、やっぱり遠慮してしまうので」

一旦休職すると、その間に仕事のシステムが変わっていることもある。休んでいる間に自分が置いてきぼりになっていないか、不安があったという。そうした育休中のメンバーの不安を解消することをひとつの目的として始まったのが、「ママ友ランチ会」だ。

「復職に対して不安に思っていることのヒアリングみたいなことも、堅苦しくなくできるのがいいですね」

日本では、働く女性の出産後の就業継続は約半数

厚生労働省の2015年度出生動向基本調査によると、2015年度には子どもを持つ予定の既婚女性の77.7%が仕事に就いているが、2010~2014年に第一子を出産した女性の場合、就業を継続したのは53.1%出産とその後の育児によって、女性が仕事を辞めるケースがまだまだ多い。

同社ではママ友ランチ会をはじめて一年。今年の7月に育休中のメンバーが復職予定だ。最低限の情報共有をすることで復職への心的ハードルが下がっているのかもしれない。

メンバー同士が、仕事と家庭の垣根を超えた協力関係に

ママ友ランチ会は月一回。産休・育休中のメンバーと現職のママメンバーが参加。参加者一人につき一万円までが会社から支払われる。

「私たちのときはこうだったよとか、どこの病院がどうだったよとか。話は仕事のことから子育てのことまで。井戸端会議の延長でやっています」と、三浦さん。現職のメンバーにとっても、ランチ会は休職中のメンバーの現状を知ることができる有意義な場だという。

「弊社は情報共有がとても密にできていると思うので、そういう意味では困っていたり、不安を感じているメンバーの手助けもしやすく、逆に助けられやすい環境でもある。働いていてありがたいです」

子どもが急に熱を出して職場に出れないという場合でも、遠慮なく休みを取れる雰囲気が社内にあるという同社。職場の仲間としてだけでなく、同じ悩みを共有できるママ友としてもメンバーが交流を深めることで、お互いの生活にまで気を回せる強いチームワークが社内に生まれているようだ。

制度の活用は意識の変化から

福島インフォメーションリサーチ&マネジメント代表取締役の橘あすかさん
遠慮してじゃなくて、心地よく制度を活用してほしい」。そう話すのは、代表取締役の橘あすかさん(37)。しかし、会社を立ち上げて初めてメンバーに子どもができた時は動揺し、メンバーの育休取得についても葛藤があったという。

「一年休みたいと言われても、3ヶ月くらいにしてくれないかなと最初は思ったんですけど、今は『全然いいよ、その代わり、大変な時は手伝いにきてね』みたいな感じで、柔軟に考えられるようになりました」

同社では、全てのメンバーが子育てに対して高い意識を共有できていると三浦さんは言う。「やはり意識が伴うことではじめて、柔軟な制度の活用ができるのだと思います」

※この記事は合同会社イーストタイムズと協力して作成しています。@人事ONLINEでの公開後、同社が運営する「TOHOKU360」に記事が転載されます。


人事総務業務の基本や注意点がわかる「業務ガイド」

執筆者紹介

相沢由介(あいざわ・ゆうすけ) 取材・編集を全て一人で行う宮城ローカルのドキュメンタリーマガジン「インフォーカス」を発行。 一人の小回りと柔軟性を活かして、他のメディアにはない切り口で、宮城のあり様や、そこで生きる人たちの営みを記録。有名な観光地よりも私たちの目の前の景色を、偉い人の確信に満ちた言葉よりも私たちと同じ目線にいる人たちの、迷いや葛藤をすくい取るのが目標。

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