コラム

残業ゼロを目指して


モチベーションを持続する方法~やる気は「失わない」ことが大切

2018.03.16

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、タスク管理が持つさまざまな側面について解説しながら、「モチベーションを持続する方法」をご紹介します。

目次
  1. やる気は「出す」ことより「失わない」ことが重要
  2. 自分の仕事の成果を自分にフィードバックする
  3. 反省ばかりしないで、自分が達成したことに自信を持つ
  4. 1日に2度は「今日の成果」で自分を鼓舞する

やる気は「出す」ことより「失わない」ことが重要

よく誤解されていますが、仕事を長く続ける上で大事なのは、「やる気を出す」というよりも「やる気を失わない」ことです。

「やる気を出す」ことで、締め切りギリギリの仕事をやり抜くなど、一時的な効果は期待できますが、一度「やる気を失って」しまうと、仕事という行為そのものがいやになり、職場に行くのもつらくなります。

朝の満員電車に1時間耐えるのでさえ、ひと仕事です。仕事のやる気を失って、モチベーションがゼロになった状態では、家を出るだけでも難儀してしまいます。

したがってよく議論されるような「どうやってやる気を出すか」より大事なのは、数年、十数年と、仕事そのものへ向かうモチベーションを失わずに持続することです。そこで今回は「モチベーションを持続する方法」について、ご紹介していきます。

自分の仕事の成果を自分にフィードバックする

長くやる気を維持するためには、常日頃から、自分の情熱が「ムダになっていない」ことを確認しておくことです。そのためになんと言っても必要なのが、「仕事記録を自分の目で見返すこと」です。

経営者の間でベストセラーになったビジネス書「マネージャーの最も大切な仕事」著者で、ハーバード大学教授のテレサ・アマビール氏によれば、仕事へのモチベーションを維持する上でいちばん効果的なのは、「意義があると思える仕事をして、その進捗をキチンと自分で確認すること」だそうです。

私たちはこのうちの前段である「意義があると思える仕事」にはよく取り組むものの、その記録をしっかり確認するということについて、あまり無頓着な傾向にあります。

たとえば、タスク管理ツールやガントチャートには、今日「以後に」やるべきことが大量に書き出され、それにかかる日数なども徹底的にビジュアル化されている一方、「今日以前」に何をやってきたかは、少なくとも、一目瞭然になるようには作られていません。

ツールによっては完了タスクは、すぐに目に触れないように隠されてしまいます。

こうした状態では、「これからやることがこんなにある!」と思うことが増える一方で、「これまで自分は何をやってきたんだろう」と不安に感じてしまうことも時にはあるでしょう。

反省ばかりしないで、自分が達成したことに自信を持つ

 計画表を一望して「過去の進捗」を読むのは、多くの場合「反省材料にするため」という目的が一般的です。

過去の記録を見ては「反省」するのも、仕方がないことかもしれません。確かに計画というものは遅れがちになるからです。「本当は今日までに50%は終わっているべきだったのに、まだ33%しか終わっていない。だから納期に間に合わせるために、これまでの倍の速度で進めなければいけない」というような見方になりがちです。

しかし、記録をつぶさに残しておけば、「今日までに33%を進めるためにも、大変な努力をしてきた」ということだってすぐわかるはずです。そのためにほとんど毎日終電まで仕事をしていたとか、当初の計画にはない仕事を追加しているなどといったことです。

「納期に間に合わせるためには急がなくてはならない」のが事実だとしても、「今日まですでに33%もの仕事を完了させた」という事実を軽く見積もるのは良いことではありません。そうしたことをすると、心はくじけやすくなります。

1日に2度は「今日の成果」で自分を鼓舞する

脳は、エネルギーを費やしたけれどムダになった、という経験を好みません。そういう経験が多いとわかると、なるべくエネルギーを費やさず、温存しようとします。モチベーションとは、そのようにして低下してしまうのです。

そうした心理状態に陥らないためにも、毎日お昼前と、退社前の最低2回は、自分が1日、どれほどたくさんの仕事をしてきたか、目で見て自分自身にフィードバックするようにしましょう。大切なのは、「自分がやってきたこと」にしっかりと目を向けることです。これを10日続けるだけで、仕事へのモチベーションはだいぶちがってくるはずです。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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