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特集

人事担当者が知っておくべきストレスチェック


「衛生委員会」を活用して、ストレスチェックの結果を職場改善につなげる方法

2015.11.09

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前回は、郡司社労士にストレスチェック本来の目的を達成するための考え方と、外部委託体制について伺った。今回は、環境改善のために会社全体を巻きこむ「仕組みづくり」の方法を教えていただいた。

目次
  1. ストレスチェックの結果をもとに、衛生委員会で職場改善を促す
  2. 社員から出たアイディアでストレスを削減した事例

ストレスチェックの結果をもとに、衛生委員会で職場改善を促す

私自身が人事だった経験から言うと、環境改善だとか、残業を減らそうとかいうことは、人事がいくら一生懸命言っても会社は動かないものです。そこで、全体の「参加意識」を高めるべく、衛生委員会を積極的に使っていくことが大切になってきます。衛生委員会は、衛生管理者と産業医、労働者の代表が衛生に関することを調査審議する場で、従業員が50人以上の事業場ごとに設置が義務付けられています。

便利なことに、衛生委員会は月に1回開催が義務になっています。そのため、よくあるプロジェクトのように、最初はやる気があるのにいつの間にかしぼんで無くなってしまうということがありません。しかも、議事録を開示しないといけない「ガラス張り」という面も効果につながります。

たとえば、ストレスチェックの集団分析で何かしらの改善点が見つかったとしたら、それを衛生委員会の議題に上げます。衛生委員会には、従業員側の各部署の代表が出てきますので、そこで問題を共有し、改善案を皆で考える。

そうすると、従業員は「自分たちで考えたことが会社の施策に反映されて嬉しい、関われている」というように「自分事」に感じます。そして、各部署に持ち帰ったときにも、自分たちが関わってきたことだからやりたくなりますよね。

「あそこのハンドソープがいつも切れている」というような小さなことでも、社員から出た意見をしっかり会社の施策に反映する。それが「きちんと受け止めてもらえる、また言ってみよう」という信頼関係をつくります。

このように、小さなことから関わりを持ってもらうことが、会社全体の参加意識を高める秘訣です。

社員から出たアイディアでストレスを削減した事例

以前に相談を受けた事例で、すごくオフィスが狭いせいで皆が精神的にストレスを抱えている、という職場がありました。しかし、物理的に部屋の広さは広げられないし、簡単に引っ越しすることもできない。

そこで、衛生委員会の場で議題に上げ、原因と対処方法を話し合ったところ、「ちょっと物が多すぎない?」という声がメンバーから上がりました。そうすると、「何が多いのか」、「どうやったら減らせるのか」ということを皆が考え始めます。

「書類が多いから、保管期限のルールを作ろう」という方向に話が進み、大掃除期間を設けてキャビネットをいくつか撤去することができました。ずいぶん風通しが良くなり、ストレスの軽減に成功したのです。

これを、もしも人事から「物を減らしなさい」と言っていたとしたら、誰も動かなかったでしょう。他部署間で情報を共有することによって、思いやり・コミュニケーション、横の関係が生まれ、全体を巻きこんで動かすことができるのです。

どうしてもリスクに目が行きがちなストレスチェックですが、皆で環境を改善する良いチャンスにすることができます。メンタル不調を予防し、職場の環境を改善するという本来の目的に通り、上手にストレスチェック実施することができれば、本人のメンタル状態を整え、従業員満足度も上がり、全体のモチベーション向上にまでつながるのです。

郡司果林さんの紹介

1974年、新潟県生まれ。社会保険労務士、第1種衛生管理者、office role代表。日本大学芸術学部卒業後にIT企業のSEとして働く中、過酷な労働環境に疑問を持ち、社会保険労務士の資格を取得する。合格後は外資系IT企業で人事担当になり、衛生管理者として社内の衛生委員会の構築運営やメンタルヘルスケア対応等を行ってきた。

10年余り人事を経験した後に独立。現在は、月に100件以上の労務相談を受け、就業規則作成、安全衛生体制構築サポート等に携わる。「会社も従業員も、本当は善き想いに向かって行動している」という信念のもと、人と人をつなぐ社内の仕組みつくりの提案に取り組んでいる。

執筆者紹介

高橋 久実(たかはし・くみ)(コンセプトジャパン事務所代表) ビジネスコピーライター。東北大学教育学部卒。中小企業の総務部で給与計算に加えてニュースレターやメルマガを担当した後、29歳でフリーランスのライターとして独立。主にセミナー等のセールスコピーを制作する。インタビューシリーズ「私が出会ったエッセンシャリスト」を連載中。

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