コラム

林修三先生のなるほど人事講座


採用担当の努力をムダにしないために! 社内にすべき4つの注意喚起

2018.03.12

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とうとう3月に入りました。

採用担当の方々は今が一年で最もエネルギーと時間を費やしていくお忙しい時期かと思います。私もこの時期になると、過去に自身が各大学をほうぼう駆け巡って会社説明会をこなしていた時期のことを思い出します。

さて今回は、そのお忙しい中での採用担当者の必死の努力が水の泡となってしまわないようにするための、4つのポイントをご紹介します。

現代の採用活動は、もはや採用担当者の努力だけではどうにもならない総力戦の様相を呈していますので、他部署の方々にどのようなお願いや注意喚起をするかがキーポイントです。1つでも2つでもご参考になれば幸いです。

目次
  1. 【注意事項その1】社外でのランチで社内の話をさせない
  2. 【注意事項その2】オフィススペースから漏れる声に気をつける
  3. 【注意事項その3】説明会に協力する若手社員に、事前に釘を刺す
  4. 【注意事項その4】面接の場も、企業プレゼンの場だと認識させる

【注意事項その1】社外でのランチで社内の話をさせない

私事ですが、筆者は先日某資格試験を受験しました。比較的基礎的なレベルの資格試験であったため、会場には大学生と思しき方々が多数いたのですが、昼休み中に彼らの話に聞き耳を立てていたところ、どうも就活生だったようで、次のような会話がなされていました。

男性A「Bは○○○(注:筆者の居住地方ではかなり有名で、就職先としても人気の企業)は受けるの?」

女性B「いや、○○○はパス。私あそこの近くの定食屋さんでバイトしてるんだけど、○○○の人達がランチによく来るのね。で、話が聞こえてくるんだけど、社内の雰囲気最悪っぽいの。だから志望するのやめたんだよね

男性A「マジで?やっべ。俺も考え直してみるわ」

これを聞いた時、○○○社の採用担当の方には同情を禁じ得ませんでした。

採用担当者がどれだけ個人として努力していても、他部署の社員が何の自覚も悪気も無く自社の評判を落としてくれていたら、もうどうしようもありません。 定食屋さんに限らず、会社員が普段集団で立ち寄るお店の従業員が学生バイトかどうかは、客の側には判断がつきませんので、たとえランチタイムであろうと、社外で社内の話をうかつにはしないよう、全社的に注意喚起をしておいたほうが無難です。

【注意事項その2】オフィススペースから漏れる声に気をつける

以前に、とある企業の人事担当者の方をお訪ねした際のことです。

オフィススペースから壁一枚で隔てられている打ち合わせ室にお通し頂きまして、人事担当者の方と色々と話し込んでいたのですが、唐突に怒声が聞こえてきました。

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内容から察するに、どこかの部署で部下の方がちょっとポカをしたらしく、それを上司が叱っているという状況のようでしたが、隣の部屋にいる私のところにもハッキリ聞こえてしまうレベルで、もし自分が面接を受けに来た学生だとしたらビビって一気に志望度が下がるだろうなあと感じました。

たとえ怒声まで行かなくても、社員同士が普段業務中に交わしているコミュニケーションが粗野だったり乱暴だったりすると就活生は確実に志望意欲を減退させます。

仮にそのような社風であったとしても、少なくとも学生対応をしている間は穏やかな言動を取るよう依頼する、もしできれば、これを機に社内のコミュニケーションを改めるよう提案してみるのが良いでしょう。

【注意事項その3】説明会に協力する若手社員に、事前に釘を刺す

現在の新卒向け会社説明会では、入社2,3年程度の若手社員を借り出してきて、自社で働いている中での率直な(ということになっている)思いを語ってもらうことがほぼ必須になっています。

このような場に協力をしてくれる若手社員というのは、多かれ少なかれ後輩たちのためになりたいという気持ちを持って取り組んでくれるものですが、その部分への比重があまりに大きくなりすぎると、リップサービスが高じて自社のネガティブキャンペーンとでも言うべき語りをしてしまうことがあります。
例えばこんなパターンです。

この仕事は、正直体もキツいし、精神的にもしんどいことが多いし、ぶっちゃけ給料が高いわけでもないけど、でも、○○○で~

この場合、最後の「でも、○○○で~」という部分で会社の魅力を熱く語ることになるのですが、たいていの就活生は序盤のネガティブ部分にとらわれてしまい、後半部分の話は右から左になってしまいます。 あくまでも社員としての立場で前に出る以上、本人のモラルに丸投げするのではなく、言っていいことといけないこととのラインを事前にレクチャーしておくことが大切です。

【注意事項その4】面接の場も、企業プレゼンの場だと認識させる

よく学生から聞かされる話の一つに、面接官、それも経営者クラスの方の面接時の振る舞いで、志望度が大きく上がった(下がった)というものがあります。

採用担当者が説明会の場で役者になりきり、必死に働きやすさや風通しの良さをアピールしたとしても、面接の際に役員が採用担当者にマウンティングするような言動をとったり、逆に採用担当者が役員に対して腫れものに触るような態度を取ってしまうと、就活生はそこから真実を読み取ります。

就活生に無用な悪印象を与えないためにも、採用担当者は日頃から役員クラスの方々と良好な関係を築いていくとともに、面接前には意図的に風通しの良さを表現する言動を取ってもらえるよう注意を伝えておくのが得策です。

ちなみに私が採用担当をしていた頃には、カウンセラー資格のある筆者よりもさらに傾聴スキルに長けた役員の方がいらっしゃいまして、面接の場で、私の話も、そしてもちろん就活生の話も本当にじっくりと「聴いて」いました。

その方が最終面接を担当して内定~入社にこぎ着けた就活生の多くが、後のヒアリングでは面接時の対応が最終的な決め手になり、他社ではなく自社を選んでくれていたようです。

努力が水の泡にならないよう、しっかり注意を

差し当たり以上4点のご紹介をさせて頂きましたが、些細なことのようでいて、いずれも採用担当者個人の努力を水の泡にしてしまいかねないポイントになりますので、本番の説明会や面接等に向けて、ぜひ押さえて頂ければ幸いです。

執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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