人事のキャリア【第11回】
就職活動中の想いを、採用改善のヒントに(パルディア・佐藤紗璃さん)
2018.03.05

さまざまな会社の人事担当者に、仕事のやりがいや想いを聞く連載企画「人事のキャリア」。今回登場するのは、店頭広告キャンペーンの企画・制作事業を展開する株式会社パルディアの佐藤紗璃さんです。
パルディアでは2017年から、就活生とのコミュニケーションにLINE@を導入。きっかけは、佐藤さんが就職活動中に感じたある想いでした。さまざまなアイディアを凝らして採用活動の改善に取り組む佐藤さんに、仕事への想いと今後の目標を聞きました。(2017年12月取材:編集部、撮影:仲村介架)
負けず嫌いな自分が、新卒1年目で人事に
―パルディアで人事として働き始めるまでの経緯を教えてください。
昨年までは日本女子体育大学の体育学部で、健康スポーツを専攻していました。もともと中学校の体育の先生になりたいと思っていたので、保健体育の教員免許も取得しています。3年生のころから他の仕事にも興味が湧き、いろいろな業界を知る中で広告の営業をやりたいと思うようになりました。
広告に魅力を感じたのは、人に影響を与えることができ、かつさまざまな業界の人と仕事ができるから。クライアントの業界が決まっていないので、例えばスポーツメーカーと仕事したいと思えば、自分でスポーツメーカーに営業をかけて、仕事を作ることができます。この仕事なら、自分がやりたいことにチャレンジできると考えました。
大変だったのは、就職活動中の5月に教育実習があったこと。この時期はまったく就活ができないので、4月までの期間でいろいろな企業の人事の方に会うようにしていました。「教育実習があるので選考を待ってもらえませんか」と頼み、断られたこともあります。そんな中でもパルディアは、説明会の段階で「1カ月待つから教育実習が終わったら連絡してほしい」と言ってくれました。
―営業ではなく人事に決まったときは、どう思いましたか?
入社式で教えられたときは、「自分には向いていない」と思いました。私は負けず嫌いで、自分が一番になりたいという気持ちが強い性格です。一方で、人事の先輩のモットーは「周りの人を幸せにしたい」。これを聞いて、私には無理だと思いました。
そこで社長や先輩に言われたのが、「採用活動も一種の営業である」ということ。一緒に働きたいと思った学生を採りに行く仕事は、営業の仕事と同じです。人事に選ばれた理由を説明してもらえたので、自分でも納得ができました。
とはいえ人事の知識はまったくありあませんでした。人事向けのサイトを見つけてブックマークしたり、先輩に薦められた「@人事」を読んだりして、勉強していきました。
学生時代の「もっとこうすれば良いのに」をカタチにする
―人事の仕事で面白いのはどんなところですか?
自分が「もっとこうしたい」と思ったことを実践すると、必ず結果が返ってくることです。つい最近まで就活生や内定者の立場だったので、「もっとこうすれば良いのに」という思いを覚えていて、それを実現できるのが面白いです。
たとえば内定式のとき、手書きの手紙を5枚ずつ書いて、それぞれの内定者の両親に渡してもらったんです。内定者の中には、「労働環境の問題もあるし、広告業界はこれから大丈夫なのか」と心配な人もいるはず。そうした不安を少しでも取り除けたらと思ったのが理由です。
内定者研修も改善しました。自分のときは市販の研修教材を使っていたのですが、期日を守るだけの受け身の姿勢になってしまっていました。より主体性のある研修を行うため、2017年からは月1回のディベート研修を実施。社内SNSへの投稿と、社員に向けた自己紹介動画の作成をやってもらっています。自主性を持って取り組んでもらえるよう、動画の内容はすべて内定者に任せています。
―就活生に向けたイベントでは、どんなことを行っていますか?
「パル談会」という、就活生に向けた座談会を行っています。内定者、新人、中堅の各世代が登場し、学生の質問を受けるというもの。こうした座談会は珍しくありませんが、就活生も気を遣うので、「働きがいは何ですか」「なぜこの会社を選んだのですか」といったありきたりの質問しかできないことがほとんどです。パルディアには納得したうえで入社してもらいたいので、「給料は気にならない?」「残業は知りたくない?」とこちらから質問を振るようにしています。質問にどう答えるかは、すべて社員任せ。「給料を教えてください」と言われて給料明細を見せた人もいましたし、「辞めたいと思ったことがある」と話していた人もいました。
1泊2日の合宿型インターンも行っています。参加者は各回20人ほど。まず代表が、新規事業の立ち上げに必要な市場調査の方法を解説します。代表が起業家向けのセミナーで教えている内容を、学生向けに噛み砕いて伝えるもの。この講義を受けて、学生が実際に考えた内容を代表にプレゼンします。
人事では毎回、改善点を話し合いながらプログラムを組み立てています。インターンでは時間制限を設けていなかったのですが、参加者が明け方まで頑張るため、かえってグダグダになってしまうことに気づきました。そこでインターン当日は時間制限を設け、事前にできることは課題として取り組んできてもらうことにしました。
LINEを使い、人事と就活生のコミュニケーションを気軽に
―LINEを活用した取り組みについて教えてください。
2017年の6月からは、新卒採用のLINE@アカウントを運用しています。自分が就活生だったとき、企業からの連絡にスマホで返信をするのがとても大変だったんです。「家に帰ってから返信しよう」と思って、後回しにしてしまうこともありました。
人事として学生とやりとりして気づいたのが、思った以上に学生から返事が来ないことが多いということ。同じような気持ちで後回しにされているのが分かったので、LINEならスマホで気軽にコミュニケーション取れるだろうと考えました。
―メッセージのやりとりで注意していることはありますか?
「身近な人事」になることを意識しています。顔文字やビックリマークも使って、学生が距離を感じないようにしています。学生からの文章も初めは堅苦しい雰囲気だったのが、慣れると顔文字を使ったり、気軽に質問してくれたりするようになりました。
説明会で会った学生には、「嫌でなければLINEでやり取りしよう」と声をかけています。ただプロフィール画像を見られたくなかったり、LINEが苦手な学生もいるので、強制はしていません。とはいえ「メールでもLINEでも良いよ」と言うと、ほとんどの学生はLINEで連絡を取ることになりますね。
学生からのメッセージも多く来ます。「面接のコツを教えてください」といったものから、「社員旅行ってなんで長崎になったんですか?」というものまで。ハリーポッターが好きな内定者を紹介したときは、「ハリーポッターのどこが好きなんですか?」という質問も来ました。「身近な人事」になるという目的は達成できていると思います。
―ナビサイトは使っていないのでしょうか?
はい。今年からはやめて、スカウト型のサービスに切り替えています。人事の先輩は、居酒屋で会った学生に名刺を渡したりもしています。自分たちから行動していく、攻めの採用をしていきたいですね。
目指すのは、環境に縛られずに活躍できる人材
―これから挑戦したいことを教えてください。
誰もやったことがないような採用をやりたいです。アソブロック株式会社の「コンビ採用」のようにユニークな採用を行うと、取材もあり注目されますよね。パルディアはBtoBの企業なので、学生の認知度は低い。その分、採用力を上げて、就活生が「パルディアって面白そう」と思ってくれるようなブランドを確立したいです。
より長い視野で考えると、「どこにいても活躍できる人材になりたい」という思いがあります。結婚や出産のことを考えると、もしかするとこの会社にいられなくなるかもしれない。仕事と育児の両立をしながら、どこの会社でも働ける人材になりたいです。
実は、株式会社プログレスで人事部長を務める、宮本久美子さんに憧れています。面識はなくただのファンなのですが、ブログもすべて読みました。子育てをしながら人事部長をしていて、どの写真を見ても笑顔がステキなんです。ブログなどで垣間見える、社員や学生と真摯に向き合う姿に引かれています。私もこんなふうになりたいですね。
企業プロフィール
会社名:株式会社パルディア
所在地:東京都港区新橋3-4-5 新橋フロンティアビルディング5F
設立年:1996年4月
従業員数:39名(2018年3月1日時点)
事業内容:店頭広告キャンペーンの企画・制作・運営ワンストップサービス
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