特集

副業新時代~株式会社DeNA担当者インタビューvol.2


副業解禁が本業の成果につながる? DeNAが進める、新たな人事戦略

2018.02.15

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2017年10月2日より、社員の副業を解禁した株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)。前回記事では、マーケティング分野で副業を実践する事業戦略室シニアマネージャー、今西陽介氏のお話をお聞きしました。

DeNAは全社として、どのような目的で副業を解禁するに至ったのでしょうか? ヒューマンリソース本部ブランディンググループで、マネージャーを務める野崎耕司氏にお聞きしました。

野崎耕司(のざき・こうじ)氏

株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 ブランディンググループマネジャーの野崎耕司氏①株式会社ディー・エヌ・エー
ヒューマンリソース本部 
ブランディンググループ
マネジャー

2015年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。
入社後は、新規事業のマーケティング、メディア事業のブランディング業務に携わり、2017年10月より現職。現在は人事制度の企画設計から対社内外へのコミュニケーションまでを一貫して行うHR領域のブランディング業務を担っている。

今西陽介(いまにし・ようすけ)氏

株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部事業戦略室 シニアマネージャーの今西陽介氏

株式会社ディー・エヌ・エー
ゲーム・エンターテインメント事業本部事業戦略室
シニアマネージャー

2004年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。入社後は、Mobage、ポケットアフィリエイト、モバオク、モバコレなどモバイルサービスの複数の立ち上げに従事。現在はゲーム事業のマーケティング業務を担当している。

目次
  1. 社員のやりたいことが社外にあるなら、それも応援する
  2. 「自分のやりたいことをやれている」状況が、成果へとつながる
  3. 本業への支障、本人の体調管理が副業解禁の懸念だった
  4. 自分自身のキャリアを考える機会としての副業

社員のやりたいことが社外にあるなら、それも応援する

──なぜDeNAが副業を解禁するに至ったのか、その理由を教えてください。
野崎氏:
簡潔に結論を言えば、個人の自己実現の促進と、その結果としての本業への寄与を期待しているということですね。

背景の話をさせていただくと、「社員がパッション(強い情熱)とやる気を持って仕事に取り組むことが大切だ」という考えが前提としてありまして、会社としても、これまで熱意を持って働ける環境づくりを実践してきました。

その上で「やりたいことをやれる」ということは、熱意を持って働く上でとても大事なファクターで、その「やりたいこと」が仮に社外にあった場合は、それも応援しようという考え方がベースにあります。

「自分のやりたいことをやれている」状況が、成果へとつながる

野崎氏:
今西の話にもあったように、副業を行うことで、知識的・スキル的な刺激を受けることもあります。また、「自分のやりたいことをやれている」という状況自体が、本業でも「やりがい」として跳ね返ってきて、熱意を持って仕事に取り組むことができる。その結果として成果が出る、ということもあると思いますので、その好循環を期待しています。

今西氏:
従業員の観点でひとつ加えると、DeNAでもあるのですが、起業するために会社を辞めて、その後に出戻りをするケースは少なからずあると思います。

転職することや、仕事を辞めることなく他のやりたい仕事が出来るというのは、従業員にとってはメリットが大きいのかなとは思っています。この会社にいながら、リスクを負うことなく他の仕事が出来るというのは、個人的には素晴らしいことだなと思っています。

本業への支障、本人の体調管理が副業解禁の懸念だった

──企業として副業容認という方針を打ち出す上で、懸念材料などはありましたか。
野崎氏:
本業に支障をきたさないか、会社に対して何か迷惑がかかるようなことがないか、本人が体調を崩してしまったらどうするかといった懸念材料はありましたね。

株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 ブランディンググループマネジャーの野崎耕司氏②

──そうした懸念材料を払拭した、具体的な方法があれば教えてください。

野崎氏:

  1. 本業に支障を出さない
  2. 会社に迷惑をかけない
  3. 健康管理時間を遵守する

この3原則を、上長および副業運営事務局が確認したうえで承認しています。このような基準とステップを踏むことによってそういった懸念は払拭をしていると理解しています。

自分自身のキャリアを考える機会としての副業

──最後に、今西さんから副業を行おうか悩んでいる会社員の方へ、アドバイスがあれば教えて下さい。
今西氏:
日本には「ひとつの会社で定年まで長いこと働く」という考え方がかなり長い間ありましたし、実際そうあって欲しいのですが、このモデルはもう、崩壊してしまっています。だから、キャリアは自分自身で考えないといけない時代なのかなと思っていて、そのためには、副業は本当に良い機会だと思っています。

会社で仕事をすることは、生きていく上で必要なことだと思います。その中でも、日本のサラリーマンは大きく2つに分かれると思っております。

それが「楽しんで仕事をしている人」と「嫌々やっている人」で、嫌々やっている仕事って、やっぱり、成果が出ないと思うのですね。楽しまないと成果にはつながらない。だから、もし嫌な仕事を今やっている人がいれば、もっと楽しい仕事を、会社の内外関係なく探したほうがいいというのが、私の意見です。

【2018年1月、ディー・エヌ・エー本社オフィスにて取材:聞き手、撮影 @人事編集部】

企業プロフィール

社名 株式会社ディー・エヌ・エー(英文名 DeNA Co., Ltd.)
設立 1999年3月4日
主要事業 ゲーム、エンターテインメント、Eコマース、オートモーティブ、ヘルスケア、スポーツ
従業員数 連結:2,400名(単体:1,049名) (2017年3月末時点)
URL http://dena.com/jp/

【編集部より】
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