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コラム

残業ゼロを目指して


仕事に集中できないのは「孤独感」が原因?

2018.01.18

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目次
  1. 集中力、判断力、そして体力を奪う「孤独感」
  2. 「不幸」よりも「孤独感」の方が集中力を乱す
  3. 学友と馴染めている状況下の方が、勉強にも精が出る
  4. 集団に適応することは、心身にとっては良いこと

集中力、判断力、そして体力を奪う「孤独感」

私たち人間は、孤独感から強いストレスを受けます。これは数多くの社会心理学者や、最近では進化心理学者、生理心理学者までが指摘するところです。

社会神経科学者であるジョン・T・カシオポは、著書「孤独の科学—人はなぜ寂しくなるのか」の中で、人は孤独を感じると、集中力や判断力が低下し、睡眠の質も悪化するため、疲労感が増すことを指摘しています。

「不幸」よりも「孤独感」の方が集中力を乱す

また、心理学者でライターとしても人気があるコーデリア・ファインは、著書「脳は意外とおバカである」の中で、こんな心理学の実験を紹介しています。

実験では、まず2つのグループの被験者に簡単な「人格調査テスト」を実施してもらい、1つのグループには「あなたは孤独になりやすく、結婚生活でも破綻するタイプだ」などと告げます。もう1つのグループの被験者には、孤独とは違ったタイプの不幸に見舞われることを告げます。例えば、「あなたは非常に事故にあいやすく、手足をよく折ったり、何度も車に轢かれたりするだろう」といったことです。なんだか不幸の手紙のようですが、もっともらしくこういったことを伝えるわけです。

今回の記事では、将来孤独になると告げられた被験者のグループを「孤独グループ」、将来不幸になると告げられた被験者のグループを「不幸グループ」と呼びましょう。

テスト内容の詳細は省略しますが、実験では「ヘッドフォンを使った聞き取りテスト」を行い、2つのグループの注意力を計測しました。結果には、非常に明白な差異がありました。「不幸グループ」の方は注意力が維持されていたのに対して、「孤独グループ」の方のテスト結果は散々で、明らかに注意力が失われていたのです。

学友と馴染めている状況下の方が、勉強にも精が出る

上記の実験結果からわかることは、孤立感を深めると、仕事や勉強に集中できなくなる、ということです。このことには身に覚えがある人も、少なくないのではないでしょうか。私自身にも、そうした経験があります。

私は心理学の勉強のため5年間アメリカの在学に在籍していましたが、学友と馴染めなかった時期と馴染めた後の時期では、集中力に明確な変化がありました。どちらの方が勉強が進められたかといえば、明らかに後者でした。強烈な孤独感の中、コツコツと勉強に精を出すというのは、簡単ではないのです。

集団に適応することは、心身にとっては良いこと

「どんな集団にでも適応すべきなのか?」という疑問を持つ人もあるでしょう。

「集団に適応する」ことは、常に正しいことばかりでは言えません。ただ、集団へ適応し、孤独を感じなくなることは「正しいこと」ではないかもしれませんが、「心と体にとって良いこと」ではあります。

幸いにもいまの時代、自分が所属できる組織や集団は常に1つではなく、選ぶことが可能になっています。ネット上のコミュニティなども含めれば、さらにたくさんの参加できるコミュニティが現代社会には存在します。

太古の社会とちがって、一時的に属する集団から離脱しても、すぐに死ぬわけではなく、新しい集団に属するための有効な手段を講じることができます。どうしても適応したくない集団に無理に合わせる必要はありません。合わないコミュニティからは距離を置き、別のコミュニティで孤独を解消すると考えるのもいいでしょう。

孤独感を解消するコツは「相手を満たす」こと

なかには、孤立が好きなわけではないが、そもそも集団生活や人間関係が苦手で、仕方なく孤立してしまうのだという人もあるかも知れません。

これはこれで難しい問題ですが、そういったときは考え方を変えてみましょう。
前述のジョン・T・カシオポが勧める、孤独感を解消するコツは「相手を満たす」ことだそうです。

カシオポによれば、人は孤独になると他人に対して批判的になり、自分の殻に閉じこもりやすくなります。そうした状況でも、社会とのつながりを保ち、「相手が求めていることは何か」を考え、つながりを自分から育てていくことが、孤独を解消するきっかけとなるそうです。もし、仕事でどうしても集中できないとき、孤独を感じるときは、このことを思い出してみてください。

【編集部より】
仕事に集中するためのノウハウに関する記事はこちら。


職場の人間関係の改善に役立つ記事はこちら。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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