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中途採用新時代


西村創一朗が教える 働き方改革時代にこそ有効な「リファラル採用」のススメ

2018.01.04

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この1、2年で一気に注目度が増している「リファラル採用」。日本で注目される以前から、この採用に注力し、数々の企業の支援を成功させてきたHARES代表の西村創一朗氏は、働き方改革時代のいまだからこそ、「リファラル採用」が有効だと説く。

リファラル採用は採用コストをかけずに優秀な人材を獲得することができるだけでなく、入社した人材の定着率も高い。ただし、リファラル採用を成功させるためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があるという。
【写真:2017年8月の人事の学び舎Vol.6での講演の様子。撮影:@人事編集部】

リファラル採用への取り組みは生産性向上につながる

私は「働き方改革」が叫ばれる今だからこそ、それを追い風にして採用を成功に導くことができると考えています。

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まず、 働き方改革の本質ですが、私はシンプルに「会社で働く従業員のエンゲージメント」だと思います。この仕事を通じて誰かの役に立ちたい、この仕事を通じて価値を発揮したい、という気持ちを持つことをエンゲージメントと表現しますが、働き方改革はこのエンゲージメントを最大化するための方法論なのです。

エンゲージメントが高い従業員は、高くない従業員に比べると生産性が10%高まる、あるいは、貢献しようとか価値発揮しようということに対して努力する度合いが1.5倍も高まるというデータがあります。そして、定着率はエンゲージメントが高くない社員に比べて約2倍になります。ここが大きなポイントです。

そうすると何が起きるのか。ひとつはサービスを提供しているクライアントあるいはユーザーが満足してロイヤリティがあがる。自分の友人や知り合いに勧めたいと思うので必然的に売上も上がっ てくる(図1)。 欧米のデータでは、従業員満足度が上がると6カ月スパンくらいで顧客ロイヤリティが上がり、そこからさらに6カ月スパンくらいでビジネスパフォーマンスが上がるということが実証実験で報告されています。

つまり、 従業員のエンゲージメントを高めることを経営の中心に据えることが結果的に高いパフォーマンスが生み出せるのです。この点を踏まえた採用戦略を立てるべきです。従業員のエンゲージメントを高めるための研究は進んでいて、「エンネイブルメント」「エンカレッジメント」「エンパワーメント」「エナジー」という4つの「エン」を高めることが、エンゲージメントの向上につながると言われています(図2)si_nishimura_2_180104

転職マーケットには現れない優秀な人材とも会える

リファラル採用は社員の紹介による採用です。「自社で活躍している人の周りには優秀な人がいるはずだ」というネットワーク論に注目をして採用をする手法です。

日本では、転職エージェントや求人サイト、ハローワークの利用が多いですが、海外ではリファラル採用が圧倒的にナンバーワンの採用チャネルになっています。なぜこれほど重用されているのかというと、理由は非常にシンプルで、他の手法では採用できないような質の高い人材を、圧倒的な低コストで採用できるからです。

転職活動をしている人は、もちろん優秀な方がたくさんいらっしゃいますけど、 一般的にはなかなか自分の能力をうまく発揮できていないという、どこかネガティブなところから始めている人が多い。とても優秀で活躍している人は、常に満足度が高いため、あまり転職市場に出てこない。ところが、リファラルであれば〇〇さんが紹介してくれるのなら一度会ってみよう、ということでアプローチができます。

非常に質の高い、転職マーケットに出てこないような人材を採用できることもあり、紹介から入社に至った場合には、会社が紹介した社員に何十万円を支払うというインセンティブを用意しているケースも多いです。それでも通常の転職支援サービスを使うよりは何分の1、下手をすると10分の1くらいの金額で済みます。リファラル採用の良い点は、紹介される人のエンゲージメントも高いことです。

だから入社したあとも辞めない。知り合いがすでに会社にいるということで、入社したあとも何か相談できる安心感もありますが、定着性が高い傾向にありますね。

リファラル採用を始める前にチェックしたい「SVOC」

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多くの企業がリファラル採用に取り組み始めています。しかし、うまくいっている会社はまだ少ないと思っています。社員のエンゲージメントが低いがためにリファラル採用が機能しない、もしくは、しにくいという状況はあるのですが、私は「リファラル採用ができない」という会社はないと考えています。

リファラル採用を成功させるためのチェック項目は次の4つがあります

【1】ストーリー

従業員が自社で働くとこんなメリットがある、もしくはそう感じるようなストーリーを語れるかが重要です。従業員がストーリーを語るためには、経営者や人事がストーリーを語れることが大前提として必要になります。それがないと、「うちの会社で働くよりもよそで働く方がいいよね」 というようになります。

【2】ビジュアライズ

2つ目が実は一番大事です。ほとんどの会社でできていないことですが、従業員のエンゲージメントを可視化すること。たとえば従業員が100人いるのであれば、そのうち具体的に誰がどの程度のエンゲージメントを持っているのかを把握しておくこと。これが特定できるだけで、人事から従業員に対しての働きかけがすごくシャープになります。

【3】オーガナイズ

3つ目は、社内にリファラル採用のプロジェクトチームを組織できているかです。エンゲージメントが高い社員を中心に、リファラル採用のプロジェクトチームを作っておくといいでしょう。 あらかじめキックオフをして、トップや人事からメンバーに対して、なぜそもそも今回リファラル採用をするのか、このポジションで働くことにはどんなメリットがあるのかというようなことを伝える。

同時に、社員側から、うちの組織ではこんな課題や、問題を抱えているので紹介しにくいという懸念点をだしてもらい、こういうふうに解決していきますという方針を示したり、ディスカッションをしたりしながらスタートするのも良いでしょう。

メンバーが、「みんな頑張って紹介しよう」という共通の認識を持てるようになります。

【4】コミュニケーション

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最後に大事なのは、リファラル採用の紹介フローを確立しておくことです。エンゲージメントが高い社員がいて、かつ紹介したいという気持ちがあるにもかかわらず、全然紹介されないケースの多くは、紹介したい人を紹介するときに、「誰にどのように紹介して良いのかが分からない」 ことが原因です。

社員側に通知されていなかったり、フローはあるものの複雑であるという場合もこうしたことが起きやすくなります。社員としても日々の業務で忙しい中で紹介しようと協力してくれるので、コミュニケーションフローを親身にしてあげることがとても大事になります。

以上のSVOC(ストーリー、ビジュアライズ、オーガナイズ、コミュニケーション)をチェックをしていくことが、リファラル採用を成功させるための第一歩になります

外部とのネットワークづくりの支援も大事

この準備がしっかりとできていれば、あとはすごく簡単な計算でリファラル採用で採用可能な人数が見えてきます。

たとえば、社員数が300人で協力する人が10%だとすると、1人あたり2人を紹介してもらえたら60人の候補者が生まれます。だいだい1人あたりの面談採用率は30%と言われているため、60人の紹介からは18人が採用できる。こんなことが理論上、成り立つわけです。

ただ、エンゲージメントを高めなければ社員協力率が上がらないわけですし、一方でエンゲージメントは高いものの、会社と家の往復ばかりで外部とのつながりがないために紹介できないという人もいます。そのため、外部とのネットワークづくりを支援することも肝要です

この記事は2017年8月31日に開催された「人事の学び舎Vol.6」の講演録をまとめたものです。西村氏の講演の詳細(動画)は「@人事デジタルライブラリー」で視聴することができます。
【動画】「働き方改革時代の即戦力採用と採用手法の考え方」-西村創一朗氏(2017.8.31収録)

執筆者紹介

西村創一朗(にしむら・そういちろう) HRイノベーター/複業研究家。1988年、神奈川県生まれ。首都大学東京法学系を卒業後、2011年に新卒で株式会社リクルートキャリアに入社し、法人営業、新規事業企画、人事採用を歴任。本業の傍ら「二兎を追って二兎を得れる世の中をつくる」をビジョンに掲げ、2015年に株式会社HARESを創業。2016年末にリクルートキャリアを退職し、独立。 プライベートでは三児のパパ。NPO法人ファザーリングジャパン理事。週末は地域の少年サッカークラブのコーチも務める。2017年9月より「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(経産省)の委員を務める。

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