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コラム

山根一城の「今日からできる採用実践講座」Vol.4


求職者から内定承諾を得る「オファー面談(条件面談)」のポイント

2017.12.14

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オファー面談は間違いなく口説きの場。条件説明をして「いかがですか?」と求職者様に判断を委ね過ぎてしまうのはよくないですね。 条件説明をした上で、 「何を軸にしているのか?」「その軸に対して自社のどんな話をしたら良いのか?」 というフローで話を進めないとスムーズに内定ご承諾をいただくことはできません。今日は「オファー面談」についてお話をさせていただければと思っております。

目次
  1. オファー面談とは?
  2. オファー面談を成功させるために必要な準備と実施のタイミング
  3. オファー面談でありがちなミス。自社都合の話ばかりをしない。成功のポイントは求職者の転職活動の軸に沿って話をする
  4. 求職者の本音を聞き出す質問

オファー面談とは?

まず「オファー面談」という言葉に馴染みがある方、ない方がいらっしゃるかと思うので、オファー面談の説明からしたいと思います。

オファー面談=条件面談

です。つまり内定提示後に、求職者様に
 ・年収提示
 ・選考の評価ポイント
 ・今回お任せしたいポジション
を伝え、あわせて「それを踏まえた質問を受ける」という場になります。

1次面接、2次(最終)面接と、面接官とお話をする場はあるかと思うのですが、求職者様からすると、良い印象を与えて内定を勝ち取るために、「選考」の場では本音の質問をすることができないことも多いです。そのため、内定後のオファー面談では本当に聞きたかった質問をされる方もいらっしゃいます。

また、オファー面談をする最も大きな目的は、「その求職者様に自社への入社を決断してもらう」ことです。
ですので、オファー面談の一番の成功は「御社に入社したいです」というお言葉を頂戴し、面談の場で握手をすることです。
各求職者様によって自社への志望度、他社選考状況など様々ですので、その場で入社承諾をいただくことは難しいかもしれませんが、少しでも確度を上げられるように事前に準備をすることが本当に大事です。
しかし、この準備を怠る企業様が多いイメージがあります。

オファー面談を成功させるために必要な準備と実施のタイミング

オファー面談を成功させるためには、求職者様の情報が必要です。下記の情報さえ収集できれば、良い流れでオファー面談に臨むことができます。

・志望順位
・他社選考状況
・転職理由の軸
・自社に対してポジティブなポイント、ネガティブなポイント
・現年収、希望年収、最低希望年収

求職者様にとって、自社は第一志望なのか、第二志望なのか。
また、他社の選考状況の進捗があるのか、ないのか。
提示年収が本人の希望年収を満たしているのか、満たなかったのか。

こうした情報をもとに、オファー面談時に「何を話せば良いのか」が変わってきます。
また、「何を話せば良いか」と同時に、オファー面談を「実施するタイミング」も変化します。

例えば、

・第一志望が自社で希望年収も提示できそうな場合
⇒今日、明日にでもオファー面談を実施して、面談の場で内定承諾をいただきましょう。
この設定が遅れてしまうと、他社への1次面接/書類選考が通過し始めて、「他社様も同時に検討したいです」と言われかねません。

・他社のオファー面談が来週月曜日にあり、他社のほうが志望度が高い場合
⇒他社のオファー面談で即決をしないように握りつつ、来週火曜日にオファー面談の実施を設定しましょう。この場合は、すぐにオファー面談を実施しても、「志望度が高い他社様のオファー面談に行ってから
決断します」と言われてしまいます。

・他社選考の1次面接が来週、再来週以降に入っている場合
⇒今日、明日にでもオファー面談を実施しましょう。1次面接の企業とスピードを合わせる必要はありません。

といったところでしょうか。
上の3つの事例を見てわかるように、内定承諾が取れそうな場合はすぐにでも実施したほうが良いです。
逆に、最終面接前後の選考フェーズにある企業が多々存在する場合は、最後にオファー面談日時を設定する必要があります。このあたりは場合に寄りけりですが、

・志望順位
・他社選考が日程
・希望通りの年収を提示することができるか

この3点の状況によってオファー面談実施のタイミングは見極めるべきだと思います。

オファー面談でありがちなミス。自社都合の話ばかりをしない。成功のポイントは求職者の転職活動の軸に沿って話をする

そして、いよいよ今回の本題であるオファー面談のポイントについて解説していきます。まず、よくやってしまいがちなミスを知っておきましょう。よくありがちなのが、「採用企業側が話したいことのみを話してしまう」というパターンです。

 ・自社のPRポイントを話したい。
 ・いつもこのような話をして求職者を惹きつけられている。
 ・自分が熱意をもって話をすれば求職者は興味を持ってもらえるはずだ。

この考えは危険です。
イメージしてください。
誰しも1度は不動産会社から賃貸物件をご紹介いただいたことはあるかと思うのですが、その会社の営業マンから、

 「この物件、駅から近くて便利」
 「ここは本当に景色が良いんです」
 「この家賃で風呂とトイレは分かれているんです」

など必死でお話をいただくかと思うのですが、何かピンとこないな、と感じることはありませんか?
それは、「賃貸会社が話したいことを話してしまっている」ためです。

こちらがどのようなマンション/アパートに住みたいか、という「軸」を、不動産会社が把握していない場合は、的外れな提案に聞こえてしまうのです。
これは、不動産会社にあらかじめ「軸」を伝えていなかったから起きたという事情もありますが、不動産会社側も物件を紹介する前に「軸」を把握しようとしていなかったことも原因だと言えます。

そして、人生の一大イベントである「転職」においては、会社選びの「軸」はぼんやり決まっている方が多いです。にも関わらず、採用企業は、

 「うちはね風通しが本当に良くてね」
 「裁量権が大きくて何事にもチャレンジできるよ」
 「新規事業もスタートするんです」

などと、企業側が話をしたいことを永遠に話してしまうケースがよくあるのです。自社をたくさんPRすることができるのは良いことだと思うのですが、これでは心底御社のことを魅力的だと思っていただけないケースが多いです。

では、どうすれば良いのか?
それは、「求職者様の転職活動の軸に沿った、自社のPRポイントをまとめる」これが大事です。

例えば、
・事業内容が軸の方
⇒自社の事業内容の成り立ち、競合他社との違い(強み)を重点的にお話する。

・働いている人材(社員)が軸の方
⇒社長、役員の方のみならず、会社の広告塔となる人材を準備し、話をしてもらう。

・給与が軸の方
⇒単純な支給予定額の提示というよりは、今後の給与の上がり方や、最近ご入社された方の給与アップのモデルケースを提示する。

・職務内容が軸の方
⇒同じ職務を経験してきた社員の方に出てきてもらい、1日の流れや職務の魅力を伝える。

・理念、ビジョンが軸の方
⇒社長に出ていただき、なぜその理念なのか、ビジョン完成までの軌跡をお話していただく。

など、何が軸かによって話をする内容を変えるのはもちろんのこと、誰に面談を担当もしくは登場していただくのかというところまでを、事前にいくつかパターンを想定していただいたほうが良いかと思います。

求職者の本音を聞き出す質問

求職者様の転職活動の軸を把握するには、遅くとも最終面接前のフェーズまでとし、聞き方はメールでも問題ありません。軸を把握したら、最終面接の場であらためて確認してみるようにしましょう。

ただ、「転職活動の軸って何でしょうか?」と言うとストレート過ぎて聞きづらいという方もいるかと思います。そういう場合は、下記のような聞き方で質問をしてみると、求職者様の本音(転職活動の軸)も見えてくるかと思います。

「もし転職活動中に同じ業界の企業で2社の内定をいただいた場合、その企業の何を見て判断されますか?」
「自分がこの企業に入社したいなと思う企業を思い浮かべてください。その企業名を言う必要はありません。その企業が良いと思う理由を教えてください」
「もし今、大学在学時の就職活動中だったら、貴方はどの企業に入社したいと思いますか? 社名でなくても構いません(業界や規模だけなど)。また、その理由も教えてください」
「私が仮にキャリアカウンセラーだったとして(今は面接官ですが)、一言で希望条件を伝えるとすると、どんな会社と回答しますか?」

ちなみに、求職者様の転職活動の軸は主に4つに分類されます。

(1)理念・ビジョン
(2)事業内容・職務内容
(3)社風・人(社員)
(4)福利厚生・待遇

すでに上記のどの軸かによって、どんな話をするのか、誰が担当するのか、という部分を決めている組織はやはり採用力は高いな、と感じます。
ただ、忘れていけないこととして、最後は「熱意」ではないでしょうか。

「僕(面談担当)はぜひあなたと一緒に事業を大きくしたいと思っている」
「今、あなたが当社にジョインしていただければ、事業の成長スピードは2倍になる(くらい評価している)」
「面接官全員、あなたと仕事をしたいと思っており、僕もぜひ一緒に働きたい」

などという言葉は忘れないように伝えてください。

【編集部より】
採用面接のノウハウに関する記事はこちら。


内定承諾率を上げるために役立つ記事はこちら。

執筆者紹介

山根一城(やまね・かずき)(株式会社Potentialight(ポテンシャライト) 代表取締役) 株式会社ネオキャリアに入社後、キャリアカウンセラー 兼 営業として4年従事。その後、IT/インターネット/ゲーム業界に特化した人材紹介会社の立ち上げに参画。2014年、同社取締役に就任。2017年4月に株式会社Potentialight創業。 これまで担当してきた企業実績700社以上。キャリアカウンセリング実績4,000名以上。転職先支援実績600名以上。転職決定率:同業カウンセラーの4倍程度。リクナビNEXT主催のキャリアカウンセラーランキングでは1位を獲得(3,000名中)。

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