コラム

残業ゼロを目指して


「気付けば達人」を目指す~仕事は一定のペースでは進まない

2017.12.14

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は「ジャグリング」を題材に、仕事の進め方について考えます。

ジャグリングの世界記録保持者が、練習で使った意外なモノ

ジャグリング時間世界最長記録保持者のDavid Slickさんは、自身のYoutubeチャンネルで、ジャグリングの練習の始め方を紹介しています。


彼がはじめに投げているものは、意外なことに「スカーフ」です。彼はジャグリングをはじめる方に、ボールやリング、バトンでなく、スカーフを投げることからはじめることを勧めているのです。誰も最初からジャグリングの達人ではありません。今は松明を平気で何本も投げられる方も、最初はスカーフから練習するわけです。

仕事もジャグリングも、簡単なことの繰り返しで上達していく

私自身はジャグリングができるわけではないのですが、仕事を進めるイメージとして「ジャグリング」というのはなかなか良いモチーフだと思っています。

私たちは、同じことを繰り返しやっていくことによって、驚くほど上達を遂げることが可能です。最初は、これでいつかできるようになるんだろうか、というやり方で始めたことも、たちまち傍目には驚かれるくらいになることができます。最初はスカーフを放り投げていたのが、いつしか火の点いた松明を放り投げられるようなるわけです。

ジャグリングのように、確実に仕事のスキルを上達させていくためには、仕事の手順をめったやたらと変えないことが重要です。最初はたどたどしくても、同じ仕事を同じ順番で繰り返すうちに、確実に上達することができます。

技術の習得を重視する場合は「最初から無理をしすぎない」

以前ご紹介したように、仕事を早く終わらせるテクニックとして「いちばん大変そうな仕事から手をつける」という手法はありますが、技術の習得を重視する場合は「最初から無理をしすぎない」ということが大事です。最初は「スカーフ」でいいのですし、やたらと時間がかかってもいいのです。「根を詰めて練習しない」ことも、私は大事だと思っています。

運転免許証を取得している方は、「教習所で自動車に初めて乗ったとき」のことを思い出してください。最初から上手くいく人もなかにはいますが「これで本当に運転できるようになるんだろうか」と感じた人もいたはずです。それでも練習を繰り返し、実際に運転を重ねるうちに、いつしか高速道路で苦もなく車線変更できるようになるわけです。

研修時などに、自分の仕事のスピードが先輩よりもずっと遅くても、気にすることはないのです。内容の近い仕事を繰り返すことで、一つ一つのタスクは確実に速く終わらせられるようになります。

はじめから最後まで同じペースで仕事が進むことはない

最初はかなり時間がかかる仕事でも、途中から一気に加速できるタイミングがあります。

だからこそ、長期の予定を立てる場合は、「最初から最後まで同じペースで行く」という前提で計画するのはやめるべきです。そうしたやりかたですと、最初だけやたらと負担が大きくなって、途中からは仕事が少なすぎる状態になります。

最初は充分に余裕のあるペースで時間を配分しておいて、慣れてきたら一気に加速するという考え方で計画を立てておけば、精神的な負担も減ります。

そう考えていくと、「締め切り間際になって一気に全ての仕事を片づける」というスタイルは、技術的にも精神的にも最悪なのです。本来だったらスカーフで練習しなくてはいけない状態で、いきなり火の点いた松明を投げるような状況になってしまうからです。

同じ仕事を繰り返していくことで、確実に仕事のスキルは上達していきます。その前提を持った上で、時間に余裕を持って仕事を進めていきましょう。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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