整理整頓のプロに聞く
ズボラでもできる!仕事が効率化するデスクの整理整頓術
2017.11.28

仕事中、今やっている作業には関係のない資料がデスクの上にあって目に止まり、つい気になって目を通してしまった。そのせいで、今進めるべき仕事が遅れてしまった。このように、デスクが整理できていないと仕事の効率が落ちることも。では、仕事を効率化させるデスクを実現するにはどうしたらいいのでしょうか? 収納コンサルティングを手がける大沼恵子さんに話をうかがいました。
大沼 恵子(おおぬま・けいこ)
ハウスメーカーにて新築注文住宅の施工管理・アフターメンテナンスに携わった経験から、「ママ、おうち帰ろう」の家づくりをコンセプトに、家族みんなが帰りたくなる心地よい家づくりをサポートしている。 実際にお片づけを一緒に行う、「オーガナイズサポート」に加えて、家族みんなにちょうどいい収納計画のアドバイスを行う「収納コンサルティング」なども実施している。
片付けやすさのコツは、動線をシンプルにすること
大沼さんは、仕事の効率化のポイントは、デスク周りのものを使用する際の「動線」を短くすることだと言います。
「パソコンや電話やファイルなど、デスクやその周りに置くもののレイアウトは、それを手にするまでの動作ができるだけ小さく、少なくなるように配置を考えることが大切です。例えば、電話に出る際にその手前に資料が重ねてあったら、手をぶつけて資料が崩れてしまうかもしれません。そうなれば、余計な仕事を増やしてしまうことにもなります。無駄な仕事を増やさないためにも、ものの位置を決める前に、実際にそれを使う動作をシミュレーションすると良いでしょう」
大沼さんによれば、「選択の分母を減らすこと」も大事だそうです。
「『迷う・探す』を減らすことが大事です。文字を書く手はひとつなので、極端に言えばボールペンは手元にひとつあれば十分ですよね。選択肢を減らすことで、使うたびに複数からひとつを選ぶというステップが無くなり、乱雑に感じるビジュアルからのストレスも少なくなります。ひとつの役割を果たす道具を、自分にとって大切なものだけに絞るということを心がけてみてください」
部屋が散らかってしまうのは、戻しにくい仕組だから
情報の認識の仕方には人それぞれ特性があり、整理整頓の際には、その特性も考慮する必要があります。
「文字で情報を整理するのが苦手な方もいるので、そういう方はファイルを作るときに文字情報を使わず、ファイルの色分けで感覚的に管理しましょう。ファイルを共有するのであれば、ラベルの文字を色分けするなど、誰か一人の使いやすさに合わせるのではなく、共有する全ての人の使いやすさを考慮し、お互いにとってちょうど良い形となるように仕組みをすり合わせていくことが大切です」
また、ものの収納方法を考える際には、出しやすさよりも戻しやすさを重視すると良いそうです。
「ものが滞留するのは、戻しにくいからです。戻しやすい仕組みをつくってやることで整理整頓の習慣が定着しやすくなります」
片付けが苦手な方は、「分ける」ことが苦手
デスク周りに物が溢れて、何から手を付けていいかわからないという人もいるのではないでしょうか。そんな場合の片付けについても、ポイントをうかがいました。
「片付けの基本は『出す』『分ける』『戻す』の3つです。まずはあるものを全て出す、出したものを『要る』『要らない』に分ける、残ったものを収納する、このステップを引き出しのひとつからでも始めてみましょう」
大沼さんによると、片付けが苦手な方は、「分ける」のステップを不得意としている方が多いとのこと。
「自分にとって必要かどうかを判断する、判断基準をはっきりさせれば、分ける作業はスムーズに進みます。例えば、仕事を効率化するデスクにしたいのであれば『使⽤頻度』でものを分ける。ビジュアル重視であれば『気に⼊っている』という感情の強弱で分ける。『要る』『要らない』の2択で分けられない場合には、使⽤頻度なら『毎⽇使⽤』、『2.3⽇に⼀度使⽤』、『週に⼀度使⽤』、『半年以上に⼀度』など、グラデーションを付けて4つに分けるといった方法があります。分けたものは、使⽤頻度が多い順に手元に近いスペースに配置していくと、仕事の効率化が⾒込めます」
ラクしてキレイが保てる仕組みをつくる
「整理整頓が苦手という方も、だからといって自分を責める必要はありません。整理整頓が苦手なのが悪いのではなくて、整理整頓を習慣化できる仕組みがないことが良くないだけなんです」
整理整頓のプロフェッショナルである大沼さん自身、「面倒くさがりのズボラー」を自称するように、整理整頓に必要なのは、マインドを変えることではなく仕組みを変えることです。ポイントを抑えて、気持ちよくスムーズに仕事がこなせるデスクを目指しましょう。
執筆者紹介

相沢由介(あいざわ・ゆうすけ) 取材・編集を全て一人で行う宮城ローカルのドキュメンタリーマガジン「インフォーカス」を発行。 一人の小回りと柔軟性を活かして、他のメディアにはない切り口で、宮城のあり様や、そこで生きる人たちの営みを記録。有名な観光地よりも私たちの目の前の景色を、偉い人の確信に満ちた言葉よりも私たちと同じ目線にいる人たちの、迷いや葛藤をすくい取るのが目標。
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