コラム

残業ゼロを目指して


大きな仕事は「リフティング式」で進める

2017.11.23

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、サッカーの「リフティング」のように仕事を進めていくタスク術をご紹介します。

仕事という「ボール」をリフティングしていく

スポーツに得意なもの、苦手なものがあるように、仕事にも人によって得手不得手があるものです。プレゼン資料作成なんか簡単だという人もいれば、とにかくそれだけはやりたくない、という人もいるでしょう。そんな苦手で面倒な仕事をなんとかするために、「リフティング方式」を試してみて欲しいのです。

ご存知の方がほとんどかと思いますが、リフティングとは、サッカー用語で「手以外の体の部分を使って、ボールを地上に落とさず打ち上げ続けること」です。リフティング式タスク管理法では、仕事を「ボール」に見立てます。ここからは具体的な方法を解説しましょう。

「スケジュール化」で、仕事が自分に戻ってくるようにする

まず、片付けなくてはいけない仕事を、「単発タスク」としてスケジュールの2時間後に設定します。

次に、スケジュールでその時間にぶつかったら、可能な場合は「仕事を即座に取り掛かる」、難しい場合は、「はじめに取りかかるべきこと」をメモして、また2時間先にスケジュール設定します。そのスケジュールにぶつかったら、できる場合はすぐ実行、難しい場合は、「次やること」をメモ書きとして加え、また2時間先にスケジュール設定します。

この作業を繰り返していくのが「リフティング式タスク管理術」です。

仕事が放置されるのは、取りかかるきっかけを作らないから

なぜ仕事が片付かず、放置された状況になってしまうかといえば、仕事というボールをずっと地面に置いたままにしてしまうからです。「スケジュール化」という形で、ボールが必ず自分のところに戻ってくるようにすることで、仕事は確実に片付いていきます。

上記の例では二度先送りにした場合をご紹介しましたが、たいていの方は、一度先送りにした時点で「次まわってきたら必ず手をつけよう」という気持ちになるのではないでしょうか? 少なくとも私の場合、この「リフティング」が2周するころまでには、仕事が片付くケースが非常に多くなっています。

時間がかかる作業を進めるために重宝する「リフティング式」

仕事でなくても、たとえばやりたいことが「分厚い技術書を読むこと」だとしたら、はじめに特定の時間(休日であれば午前11時くらいがいいかもしれません)にアラームをセットして、時間が来たら1ページでもいいから、その時できるだけ本を読むわけです。何をしていてもかまわずに、です。

もちろん、どうしてもできないということもあります。たとえば接客中だったり、あるいは運転中だったり。まさか運転中に読書をはじめるわけにはいきません。しかし少なくとも、「読書をするんだった」ということを思い出せます。運転の例でいえば、目的地に着いた後は無為に過ごす時間が減り、「さて読書をしよう」という気持ちが湧いてくるわけです。

取り組んでいない間は「忘れてしまうこと」も重要

ここで重要なのは、やるときはそのことだけに集中し、やめたらすぐに忘れてしまうことです。あくまで「リフティング」のように、ワンタッチ(スケジュール化)してしばらく放っておけるところまで蹴り上げておいて、また戻ってきたら取り組めばよいのです。

なお、もしもタスクリストなどを使っているなら、リフティングの対象をリストに「挟んで」おいて、実行したときに、次にやることを1行メモしておくのが非常に有効です。部屋の片付けであれば、とりあえず散らかったものをまとめるだけまとめて、次は2時間後に部屋の片付けを再開することに決めて、「次やることは、まとめたものの仕分け」などとメモに記入しておくわけです。

こうしてリフティングを繰り返していくうちに、作業が溜まることなく片づいていくというわけです。

終わらないのは、やらないから

リフティング式のいいところは「頻繁にやるようになる」点です。当然のことではありますが、仕事というのは、やらなければ進みません。進まなければ、終わらないのです。

見るからに大仕事で気が重くなると、「まったく手がけない」ということになりがちです。それを、ちょっとでもさけるのです。気が乗らないのは仕方ないとして、ワンタッチくらいならできるはずです。

もうひとつ、必ず「リフティング」でやって欲しいのが「記録を残すこと」です。残すのはワンタッチということで、1行メモでかまいません。しかしそれがどんどん溜まっていき、仕事が進むにつれ、ちょっとしたノートのようになっていきます。この記録が、モチベーションを必ず高めてくれます。気がつけば見通しが立つようになって、一気に仕事が加速するでしょう。リフティングをしていくことで、仕事を進める技術・環境を整えていきましょう。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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