コラム

残業ゼロを目指して


入力しやすさが仕事スピードを上げる! かんたん「辞書登録」のススメ

2017.11.16

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、ベストセラー作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、1969年初版の書籍「知的生産の技術」の内容をご紹介しながら、仕事をスムーズに進める「辞書登録」について解説します。

今読むとまた面白い、梅棹忠夫著「知的生産の技術」

私がライフハックに関する仕事をする中で、現在も参考にしている名著が、梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」(岩波新書)です。まずはじめに、同書の中から一節をご紹介します。


近代日本語は、いろいろな点で、ひじょうに変化のはげしい言語であるが、それはとくに、「かきことば」において、いちじるしい。じっさい、かかれたものをくらべてみると、一世紀前の文章と今日の文章とでは、これが同一の言語のものであるとは、とうてい信じがたいほど、ちがったものになってしまっている。しかも、その変化は、戦後において、とくにはなはだしい。そして、現在もなお進行ちゅうである。

梅棹 忠夫著『知的生産の技術』

これは紙の本に書かれているのですが、ウェブで見ると、どうでしょう? 奇妙な感じがしつつ、読みやすいのではないでしょうか?

奇妙な感じがするのは、非常に「、」が多くて文章が区切られている上に、ひらがなが多いためです。「進行ちゅう」などはたいていの人は「進行中」と書くでしょう。

この本にも述べられているとおり、梅棹さんはこの「ひらがな多用」を意識的に行っています。理由は「七、ペンからタイプライターへ」の章で詳細に説明されるのですが、非常に簡単に言えば、タイプライターを使用して文章を書く上で「漢字」がネックになるからです。

情報発信のしやすさのために「文字表記」のしかたを変える

「情報発信のしやすさ」は大変重要で、漢字を使うのがネックになるなら、ローマ字・かな文字を積極的に用いるべきだ、ということを梅棹忠夫さんは述べています。

同書が執筆された1969年頃に普及していたタイプライターでは、漢字を打ち込む術がそもそもありませんでしたので、「漢字がネック」という感覚は今とは全く違ったものではあるのですが、現代においてもたしかに、漢字がネックになるケースは存在します。

たとえば、ひらがなで打ち込んだ文字を変換しようとして、目的の漢字や単語が全く出てこず、困ったことがある方は多いのではないでしょうか? そうしたことを考えていくと、漢字を使うことがネックになるという問題は、「現在もなお進行ちゅう」なのです。

仕事のスピードを確実に上げる「辞書登録」

現代において、格段に情報発信をしやすくしてくれるのが「辞書登録」です。

改めて簡単に説明すると、辞書登録とは「める」と入力すると自分のメールアドレスに変換される、あるいは「ごさ」と入力すると「ご査収のほどよろしくお願いします。」と変換されるように、「ユーザー辞書」へ単語を登録することを指します。

自身の住所や振込先の口座、アドレスやメールの決まり文句などをその都度調べて打ち込むという行為は、連絡のスピードとモチベーションを大いに損ないます。そこで、住所をはじめとした「入力が面倒な情報」の辞書登録を済ませておくと、入力が簡単なばかりではなく、「入力ミスがなくなる」「入力すること自体が億劫でなくなる」といったメリットがあります。

Windows、Macでの辞書登録方法については、Microsoft社とApple社がそれぞれ公式Webサイトで紹介していますので、以下のページを参考にしてください。

■Windowsでの辞書登録方法
入力することが多い用例を登録するには(Microsoft)

■Macでの辞書登録方法
Japanese Input Method: 日本語ユーザ辞書を編集する/使用する(Apple)

実は再び浮上している、文字の「入力速度」の問題

私が社会人になり立てのころは「佐々木君はタッチタイプが速い」というだけで重宝がられたりしたものですが、パソコンを使って仕事をするのが当たり前になった結果、タッチタイプの速度には、大きな個人差がなくなってきました。ただ、2017年現在になって、再び「入力速度」が問題になっている場面があります。それが、スマートフォンの文字入力です。

スマートフォンへの辞書登録は、パソコンへの辞書登録よりもずっと作業速度に影響します。キーボードからなら、メールアドレスを直接入力してもそれほど時間はかかりませんが、これがスマホの場合、かかる時間が全く変わってきます。

フリック入力が非常に速くてこなれた人であっても、メールアドレスをフリック入力で打つとなると、かなりげんなりするはずです。そうなると「できれば打ちたくない」という気持ちが芽生え、結果的に連絡が滞ります。仕事の遅れとは、こういう些細な面倒さが積み重なって起きていくものです。

いますぐできる! iPhoneで「辞書登録」を行う方法

あまり知られていませんが、スマートフォンでの辞書登録はとてもかんたんに行うことができます。Androidでは機種ごとに設定方法が異なってしまうため、ここでは、iPhoneの場合の辞書登録方法をご紹介しましょう。
※設定方法は、iOSバージョン10.3.3のものとなっています。

1.「設定」アイコンをタップし、「一般」を選択

まずは、メイン画面の「設定」アイコンをタップし、続けて「一般」をタップします。

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2.「キーボード」をタップし、「ユーザ辞書」を選択

下へスクロールすると「キーボード」という項目があるのでタップし、次に出てきた「ユーザ辞書」という項目を選びます。

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3.「+」をタップし、「単語」と「よみ」を入力して保存

「ユーザ辞書」の画面に移ったら、右上の「+」をタップし、「単語」に予測変換で出したい言葉、「よみ」にその言葉を出すためのひらがなを入れ、「保存」をタップします。

※iPhoneには、なぜかデフォルトで「雲母坂(きららざか)」という単語が登録されているようです。

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4.「よみ」を入力すれば、予測変換に「単語」が登場

これで辞書登録は完了です! 「ごさ」と入力すれば、「ご査収のほどよろしくお願いいたします。」という単語が予測変換に出てくるようになりました。

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「辞書登録」が、生活全体のストレスを減らす

仕事ではスマホを使わない、使えないという方も多いかもしれませんが、辞書登録を実施しておくことは、生活全体のストレスを減らします辞書登録というのも、パソコンとスマホの辞書をクラウドで統一しておこう、とまで意気込まずとも、それぞれで思いついたらすぐやっていく、くらいのいい加減さでいいのです。

辞書登録は、やったそばから便利になり、あっという間に文字入力が快適になります。こういった入力の快適さ、発信のしやすさが、連絡や文書作成などのハードルを下げ、仕事に取り組む気持ちを下支えしてくれるのです。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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