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職場で政治活動を行う社員 人事担当者が取るべき対応とは?

2017.10.19

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会社には多様な考えを持った人が集まる。政治についての考え方もさまざまだ。思想信条の自由は憲法でも保障された権利だが、政治的な主張を強く訴える社員がいると、他の社員が仕事に集中できなくなり、トラブルになりかねない。人事担当者はどのように対応すればよいだろうか? 人事コンサルタントと社労士の見解を交えながら解説する。

目次
  1. 職場で政治活動を行う社員。人事の正しい対応とは?
  2. 政治活動を行う社員に、懲戒処分を行うことは可能か
  3. 政治活動の程度に合った懲戒処分であれば正当
  4. 社員が政治活動が行ったとき、初めにするべきこと

職場で政治活動を行う社員。人事の正しい対応とは?

人事コンサルタントの田中顕氏は、従業員の政治活動に困った人事担当者から、相談を受けたことがあるという。社員の一人が、職場内の同僚複数名に対し、政治活動と取れる言動を始めたのだ。社員は政党の候補者氏名をあげ、「素晴らしい人だから」と投票を促す行動を取った。

相談を受けた上司は、本人に「どの政党を支持することも本人の自由だから、政治活動は止めなさい」と指導を行った。これに対し、社員は「個人(候補者)の推薦にとどめていた。政党名は言っていない」と主張。その後は業務時間外の通勤時間などに、同様の行動を取るようになった。本人に再び指導しても、「業務時間外だから会社は関係ない」と開き直られ、上司は困り果ててしまったという。

政治活動を行う社員に、懲戒処分を行うことは可能か

一般的に、企業は社内秩序を守るために就業規則を策定し、違反した社員に懲戒処分を課すことができる。従業員の政治活動についても、こうした規制は可能なのだろうか。東京都社会保険労務士会で広報委員長(新宿支部)を務める松井勇策氏は、以下のように解説する。

就業規則で、職場における従業員の政治活動を制限することは可能であり、複数の判例があります。職場は業務を行うための場所ですので、職場の業務遂行や秩序を乱す行為については、企業において合理的な範囲で制限することができるということです。

なお、制限できるのはあくまで業務遂行や秩序を乱す行為であって、政治信条を持つことは従業員の方の人格権の問題となり、制限できるわけではありませんので注意して下さい。

就業規則の内容としては、通常、服務規律における禁止行為、あるいは懲戒事由として、政治活動の禁止を定めることになります。こうした定めがあるにも関わらず、政治活動を行って業務を妨害した場合には、規律違反として懲戒処分を行うことも可能となります。」(松井氏)

政治活動の程度に合った懲戒処分であれば正当

では社員が就業規則に違反した場合、どの程度の懲戒処分であれば認められるのだろうか。松井氏は以下のように述べる。

「行われた政治活動について、業務や秩序の妨害の程度を客観的に評価し、程度に応じた形での処分を行う必要があるでしょう。判例では、平穏な形で休憩室にビラを置いた程度のものは懲戒になじまないとした事例もあります。複数の方へ個人的に話をする程度の行為であれば処分は難しい場合もあると思います。

しかし、それが社内の立場を利用した強制力を伴うものであったり、広範囲への呼びかけや執拗な勧誘などを行い、何度も指導してもやめないような場合は、懲戒処分の正当性が高いと言えます。」

一方、就業規則に政治活動を禁止する規定がないケースもありうる。この場合、勤務時間内に従業員が政治活動を行っても、企業側は対応できないのだろうか。

「就業規則がない場合でも、勤務時間内であれば従業員の方には職務専念義務がありますし、職場は業務をするための場所ですから、企業にはその秩序を維持する必要性があります。従業員の方に、仕事に専念するように指示することは当然に可能と考えられますので、業務以外のことをせず、仕事に集中するようによく説得することが重要だと思います。」(松井氏)

社員が政治活動が行ったとき、初めにするべきこと

とはいえ人事担当者としては、懲戒処分を行うまえに、まず社員の説得を試みるべきだろう。政治活動を迷惑に感じている社員がいることを伝え、言動を控えるよう促すことが大切だ。人事コンサルタントの田中顕氏も、「政治活動をやめるように指導すると、『どの政党を支持することも憲法で認められた自由である』といった反論を招く可能性が高い」と言う。

「そうした言い方ではなく、『どの人に投票するのは本人の自由であるのだから、あなたの支持政党は問わない』と認めたうえで、『ただしあなたが会社で特定の政党や候補者を支持することを表明することや支持を促すことは、他の社員から迷惑であるとの苦情が入っている。苦情を受けるようでは、支持されるどころではないのではないか。あなたにも損だからやめなさい』といった説得のしかたが良いでしょう。」(田中氏)

人事担当者には、正しい法律知識を持ったうえで、社員と丁寧に話し合うことが求められる。

社員が政治活動が行ったときの法律知識

松井 勇策 (社会保険労務士・産業カウンセラー・Webアーキテクト)

松井勇策 東京都社会保険労務士会 広報委員長(新宿支部)。フォレストコンサルティング社会保険労務士事務所代表。名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングの営業職に従事、のち経営管理部門で法務・監査・ITマネジメント等に関わる。その後、社会保険労務士として独立。IPO支援、労務監査等の人事制度整備支援、ほかIT/広報関連の知見を生かしたブランディング戦略等を専門にしている。

田中 顕 (人事コンサルタント)

大学を卒業後、医療系人材派遣会社・広告代理店で人事を担当したのち、密着型人事コンサルティング団体「人事総合研究所」を設立。代表兼主任研究員として、労務相談受付・課題解決に取り組む。得意分野は採用・法務・労務・人事全般の問題解決等、多岐にわたる。

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