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コラム

残業ゼロを目指して


書類整理の基本は書類をためないこと! 「『超』整理術」を簡単解説

2017.10.19

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、ベストセラー作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、1993年の出版から現在まで多くの人々に影響を与えている野口悠紀雄氏の著書「『超』整理法」を解説した上で、佐々木氏独自の書類整理法「365方式」をご紹介します。

参考:【業務ガイド】文書の管理方法・運用ルールの定め方

目次
  1. 整理術の名著「『超』整理法」から学ぶ
  2. 整頓さえ正しくできていれば、書類探しは15分以内に終わる
  3. 佐々木正悟流整理法「365方式」
  4. 「フォルダを空にしたい」という欲求で書類は溜まりにくくなる

整理術の名著「『超』整理法」から学ぶ

文書の電子化が進み、書類の整理で困っているという方は減ってきているかもしれません。ただ、自分自身が紙の書類を使わずとも、取引先はじめ相手側が紙書類を好むということは往々にしてありますし、依然「書類の整理」は仕事の効率化のためには重要なテーマではないでしょうか。

「書類整理」といえばなんといっても野口悠紀雄さんの「『超』整理法」が有名でしょう。「『超』整理法」登場以来、整理術の議論は終わったとする印象すらあります。

この方法の何が画期的だったかといえば「書類をためない」ことと「書類は全部一元化して保存する」ことを徹底していた点です。野口さんは、実務的問題として第一に「分類に手間と時間がかかること」、第二に「保存した資料のほとんどは使われないこと」を挙げました。その事実が端的に表現されたのが、以下の二文です。

分類するには、手間と時間がかかる。まず、分類項目の設定と命名に頭を悩まさねばならない。また、個々の書類をどの項目に入れるか、いちいち判断する必要がある。

(中略)

実際には、保存した資料はほとんど使わないのだ。これが第二の実務的問題である。新聞切抜きなど、扱いにくいものをわざわざためておいても、結局は捨てる。私の場合、保存したもののうち、まず九割は使わない。

野口悠紀雄著「『超』整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)」

こうした実務的問題を解決するために、野口さんは「押し出しファイリング」という手法を提唱しました。詳しい内容は著書に譲りますが、その方法は、簡単にまとめれば以下のように要約されます。

  • 資料を封筒に入れ、一カ所に並べていく(具体的な場所としては、本棚を推奨)
  • 封筒はすべて一カ所に集中させ、他の場所には絶対に置かない
  • 新しく追加した封筒や、改めて中身を見た封筒はその都度必ず一番左に置く

この行動を徹底することで、左側にはよく使用する資料が来て、逆に使用しない資料(処分してもかまわない可能性の高い資料)は一番右に集まるというわけです。

整頓さえ正しくできていれば、書類探しは15分以内に終わる

「『超』整理法」は、現在は整理術の基本として広く知られていますが、それでも「受け入れがたい」と思われたポイントとして「見つからなければ全部探せばいい」という点があります。野口さんは「膨大にあると思っていても、全部を探すのに、たいていの人は15分とかからないはずだ」と書かれていました。この主張に疑問を持つ方は少なくないかもしれませんが、実はこの主張は、まさにその通りなのです。

普段、書類を探す際に時間がかかると感じるのは「書類が部屋のどこにあるのかを探す時間」と「見つけた書類を整頓するのにかかる時間」が膨大だからであって、「整頓された書類から目的の書類を探す」場合、個人に関わる書類であれば、確かに15分程度で探すことが可能です。

会社業務においても、会社で用いている書類全体にこの方式を採用するのは無理でも、自分のデスクだけに限って「超」整理法でまかなうことはできるはずです。実際私は、会社員時代にはそうしていました。

自分のデスクにある書類全部をファイルに入れて立てておくだけでも、10分あれば全ての書類を確認できるようになります。書類を溜めたり山にしておくから、「全部を確認しにくい」状態になってしまって、書類探しで時間を浪費することになるわけです

佐々木正悟流整理法「365方式」

私自身は現在「365方式」と自分で名づけた書類整理方法を実践しています。

これはごくごくシンプルな方法なので簡単に説明しますと、日付をネーミングにした365個のファイルケースを用意して、1日1ケースの原則で、その日に発生した書類をケースに入れていくというものです。

こうするとファイル総数は常に365ケースに収まるため、必要な場所が増えることもありませんし、「なるべく書類を減らしたい」という圧力がきわめて強く働くので、たいていは書類を減らす結果になります。まずこのことが大きなメリットです。

365整理法

他にもこの書類整理方法には、以下のようなメリットがあります。

  • 毎年、同じ時期にチェックする書類を確実に見つけることができる。(たとえば運転免許更新に関する書類は、自分の誕生日のケースに入れておく)
  • 毎日きちんと1つか2つの書類に対応していれば、書類の整理自体が不要になり、常に書類は整理された状態を維持できる。
  • 1年以上前の書類で使用していないものは、日々のチェックで逐一捨てることができるので、不要な書類が溜まりにくい。

さまざまな恩恵が365個のA4のクリアフォルダを購入するだけで得られますから、初期投資としては安いものです。

「フォルダを空にしたい」という欲求で書類は溜まりにくくなる

この方式を実行してみるとすぐに分かるのは「クリアフォルダを空にしたい」という欲求が強烈に働くようになることです。毎日必ず1フォルダはチェックするわけですが、整理を終えた空っぽのフォルダを見ると、「仕事が1つ終わった」と強い喜びが感じられます。

また今の時代は、ほんのちょっと時間をかければ、その書類を捨てる工夫が見つかりやすくなっています。

たとえば、家電製品のマニュアルなどは、家電の製品番号をGoogleで検索すれば、PDFファイル形式で公開されていることがほとんどです。こうしたマニュアルは家に保存しておく必要がありませんから、製品番号をスマホ等に保存しておいて、マニュアルは即座に捨ててしまってかまわないわけです。こうした工夫なども加えながら「書類をためない」ことで、書類整理は格段に楽になります。

【編集部より】
整理整頓に関する記事はこちら。


業務効率化のためのノウハウに関する記事はこちら。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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