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特集

面白法人カヤックインタビューvol.3


空き工場を立て直し! 「エゴサーチ採用」合格者の検索結果はアツかった

2017.09.08

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採用難の時代をものともせず、求人への応募を殺到させる、カヤックの「面白採用キャンペーン」。第1回のインタビューでは、人事のみよしこういちさんに「面白採用ができるまで」を質問。第2回のインタビューでは、「エイプリル採用」の合格者・小坂祐貴さんに、採用に至るまでのエピソードを伺いました。

連載3回目となる今回は、「検索で自分の情報が一番上にくるワード」を送ることで採用にエントリーできる「エゴサーチ採用」の合格者、野村岳史さんにお話を伺いました。

野村 岳史

カヤック「エイプリル採用」合格者の小坂祐貴さん①"

1989年5月19日生まれ。一橋大学社会学部在学中に起業し、さまざまな事業に取り組む中で、ものづくり総合支援施設「Garage Sumida(ガレージスミダ)」の立ち上げに参加。
事業を軌道に乗せたあと、「エゴサーチ採用」にエントリーし内定。面白法人カヤックに入社する。現在は新規事業担当部署で、アイドル系の事業を担当している。

目次
  1. メディアに度々取り上げられた実績を生かして採用へ応募
  2. 墨田区の町工場の職人たちと、ものづくり支援施設を立ち上げる
  3. 高度な技術を持った職人と、新たなものづくり勢力をマッチング
  4. 衰退しはじめた東京の工場地帯を、再起させる事業に取り組む
  5. 「つくる人を支援する側」から「つくる側」へ
  6. 新規事業部で自身の起業経験を活かす
  7. 面白法人カヤックは、性善説に基づいた組織

メディアに度々取り上げられた実績を生かして採用へ応募

―野村さんが「エゴサーチ採用」に応募しようと思った理由は何でしょうか?

メディアに取り上げていただく機会が度々ありまして、エゴサーチをした時にヒットするキーワードがありそうだと思ったため「この採用に向いているかな」と思って応募しました。

面白法人カヤックのエゴサーチ採用「エゴサーチ採用」の採用ページ。検索で自分の情報が一番上にくるワードを入力し、「このワードで応募する」ボタンをクリックすることで、採用にエントリーできる。

墨田区の町工場の職人たちと、ものづくり支援施設を立ち上げる

―エゴサーチ採用では「検索で自分の情報が一番上にくるワード」を送ることがルールになっていますが、野村さんはどのようなワードで応募されたのでしょうか?

そのとき私が立ち上げて運営していた、「Garage Sumida」というものづくり系の施設があったのですが、その施設名と自分の大学名という組み合わせで応募しました。それで当時は、自分のインタビュー記事が1番上に出てきたので。

―その施設を野村さんが作られたいうことですか?

私が学生時代に起業した会社で、地域の町工場の方々と一緒に立ち上げたという感じですね。

―Garage Sumidaについて、どんな施設か教えていただけますか?

「ものづくりの総合支援施設」ですね。何かを作ろうとしている方が、町工場の非常に高い技術力を持った職人の方々から、素材選定やものの作り方のアドバイスを受けられる施設です。

カヤック「エイプリル採用」合格者の小坂祐貴さん②

―墨田区の町工場の渋い職人さんと、学生はなかなかつながらないように思うのですが、どんな経緯で一緒に事業を行うことになったのでしょうか?

せっかく起業したからには、社会に大きなインパクトのあることをやりたいなと思っていて。当時投資してくださっていた方が、「日本のために」という思いが強い人だったので、自分も「日本のためにできるいいことあるかな」と考えていたんです。当時(2014年)は、ちょうど「3Dプリンタ」が一般家庭でも買える水準まで価格が落ちてきたタイミングで、「※MAKERS」みたいな本も出て、「物をつくって売るぞ」という機運が世界的に高まっていたんです。

MAKERS
Wired誌元編集長クリス・アンダーソン氏の著作。オープンソースのデザインと3Dプリンタの普及によって「21世紀の産業革命」ともいえるパラダイムシフトが起きることを指摘したベストセラー。

ただ、ものづくりって本当に難しくて、素人がやろうと思って簡単にできることじゃないんですよね。まずは試作品をつくって、製品化までこぎつけて、量産するという工程にはノウハウが必要で、その過程で工場に相談しなくてはならないステップが必ず発生します。

高度な技術を持った職人と、新たなものづくり勢力をマッチング

ただ、そのような工場や職人の方に相談をしようと思ったときに、どこにどうやって相談したら良いか分からない。工場や職人の方の情報がWebにあまり出ていなかったり、窓口が分かりにくかったりなどの理由で、なかなか(工場や職人の方に)アクセスしづらい状況がありました。

そこで「この職人さんたちと、これから新製品開発に取り組んでいきたい方々をマッチングすると、日本の製造業がまた新しい方向に向かっていくんじゃないか」と考えたんです。

―そのマッチングを模索する中で、職人さんにもお会いした、ということでしょうか。

はい。当時はシェアハウスのビジネスをやっていて「MAKERS HOUSE」というものを構想していたんですね。簡単に言うと、ものづくりに関わるいろんなスキルを持った人たちがひとつ屋根の下に集まって、工具や部品をシェアしながら、プロダクトを作って世の中に販売していく。そういう「ものづくり起業家のためのトキワ荘」みたいなものを作ったら面白いんじゃないかと思って、そのハウスを作るためにいろんな人を紹介していただいていたんです。その中で、町工場の社長ともお会いしました。

衰退しはじめた東京の工場地帯を、再起させる事業に取り組む

墨田区は都内で2番目に工場が集積しているところなのですが、工場の海外移転や後継者不足を理由に、最盛期の3分の1くらいまで減ってしまっているんですね。それで「増えてしまった空き工場をなんとかしないと」という議論があって、墨田区が補助金を打ち出したんです。

それが「新ものづくり創出拠点整備補助金」というものなんですが、ざっくり言うと「空きスペースを活用して、新しいものづくりを推進する企画を出してください」という補助金で、採択された事業には2000万円、100%補助率で出すという条件だったんですね。

それで、「MAKERS HOUSE」がきっかけでお会いした社長から「こういう募集があるから、一緒にやってみないか」と言われて、その会社の社員さんも交えて、企画書を作成しました。その企画が採択されて、区から補助を受けて出来た施設が「Garage Sumida」ですね。

―実際に2000万円の補助をもらって、事業を実現したんですね。カヤック人事のみよしさんが「こういう人はいないな」とお話されていましたが、仰る通りだと思います。

ありがとうございます。

「つくる人を支援する側」から「つくる側」へ

─お話を聞いていると、すでにビジネスをされているので、就活に進まれたのが意外でした。理由をお聞きできますか?

立ち上げた「Garage Sumida」はものづくりをする方々を支援する施設だったので、新しい商品だったり、これから事業として世の中に広めていきたいプロダクトを持ち込んで「これをつくるにはどうしたらいいか」を相談に来る方々が来ていたんですね。

そうした実際に何かをつくっている、つくろうとされている方々を支援する活動を通して、「自分も何か商品やサービスと言えるものをつくって、事業として取り組んでいきたい」と思うようになったのが、一番大きい理由ですね。

「Garage Sumida」の立ち上げが軌道に乗ってきたあたりで、僕は運営から離脱しました。その後、自分はどういうものに取り組みたいのかを探していたんですけれども、なかなか次に取り組みたいテーマが見つからなかったんですね。

カヤック「エイプリル採用」合格者の小坂祐貴さん③

そんな中で、Facebookで流れてきた「エゴサーチ採用」を見ました。カヤックは前から名前を知っていて、面白そうだなと思っていたので、何気ない気持ちで応募してみた、という流れでした。

―エントリーしたあとは、合格の通知が来て、面接に行くことになったと思います。どんな面接でしたか?

あんまり面接っていう感じもしなかったですね。お話していく中で、お互いに方向性が一致したので、ジョインさせていただいたというイメージです。執行役員の方と何度もお話させていただいて、「この人と働きたいな」と思えたことが一番大きかったと思います。

新規事業部で自身の起業経験を活かす

―他の会社からの内定もあったということですが、その中でカヤックを選んだ理由は何だったのでしょうか?

学生の頃に仲間を集めて起業する場合は、失敗してもその経験を生かして就職する道があります。ですが、社会に出てから社会人をお誘いしてチームをつくる場合は、お誘いする方の人生の時間をいただくことに対して、すごく慎重に考えなくてはならないと思いました。

自分が「この事業だったら本当にいける」と思ったり「一片の迷いもなく情熱を持って取り組める」と断言できる事業じゃないと、気軽に人を巻き込めないという意識が非常に強かったです。そのテーマがすぐ見つかれば良かったんですけど、なかなか見つからないときにカヤックと出会ったんですね。

1次面接に合格して会社の方のお話を聞かせてもらったときに、ちょうどカヤックが上場したばかりのタイミングで、「これから新規事業に積極的に取り組んでいきたい」という話を聞きました。

積極的に新規事業に取り組んでいこうとするタイミングであることと、社内に一流のクリエイターがたくさんいるという環境は、そのときの自分の状況にすごくマッチしたんです。それで、これまで自分が事業を立ち上げてきた経験を生かして、カヤック社内での新規事業創出に取り組みつつ、次の展開を探っていけたらなと思い、ジョインさせていただきました。

―今、野村さんはカヤックでどんなお仕事をされているんでしょうか?

今は、新規事業担当部署で、アイドル系の新規事業を担当しています。

カヤック「エイプリル採用」合格者の小坂祐貴さん④

―アイドル系の新規事業。詳しくお聞きできますか?

アイドル業界は、まだまだデジタルコンテンツとのかけあわせで面白くなる業界なので、デジタルをからめたグッズやWebサービスを開発して運営しております。

面白法人カヤックは、性善説に基づいた組織

―入社前と入社後のカヤックの印象はどうでしたか?

入社前は、ネットで話題をつくるのがすごくうまい会社だなという印象ですね。入ってからやることや会社の状況については、面接のときに役員の方と密に話していたので、入社後もほとんどズレはなかったです。

―カヤックに入社したてから意外だったことや、面白かったことはありますか?

すごく漠然とした言い方になりますけど、いい人しかいないんですよね。性善説に基づいた組織で、人の汚い部分が本当にない。派閥争いみたいなものも、僕が知る限り全くないので。なんというか……いい人が多いんですよ。

―どうして、そういう組織になっていると思いますか?

代表が必ず面接しているというのは大きいと思いますね。

―面白採用のみなさんも、最後には代表の柳澤さんと面接されている。

そうですね。本当にいい人たちが集まってる会社なので、会社規模がもっと大きくなっていってもこの雰囲気が続くといいですね。

3回に渡って連載してきた面白法人カヤックのインタビュー。アイディアの面白さでたびたび話題を呼んできた「面白採用キャンペーン」ですが、そのアイディアは、考え抜かれた採用戦略と、「社風に合った人材に入社してもらいたい」という強い思いに支えられていました。

【2017年7月‟ヨコハマ展望台”オフィスにて取材:聞き手、撮影 @人事編集部】

企業プロフィール

商号:株式会社カヤック
所在地:【鎌倉オフィス】神奈川県鎌倉市小町2-14-7かまくら春秋スクエア2階
    【‟ヨコハマ展望台”オフィス】神奈川県横浜市西区高島1-1-2横浜三井ビルディング 30F
事業内容:日本的面白コンテンツ事業
設立:1998年 8月 3日 合資会社カヤック 2005年 1月21日 株式会社カヤック
従業員数:正社員・契約社員253名(2016年12月末時点)
URL:https://www.kayac.com/company

【特集:面白法人カヤックインタビュー】

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